バレンタイン前日譚
〜黒雪姫花の場合〜
「蝶子さんに合いそうなチョコって考えるとやっぱり高級なのがいいかなぁ……あ、それにチョコに合わせたお酒とかも用意した方がいいかも。
後は先輩達や後輩ちゃん達にも友達チョコとか用意した方がいいよね。
うーん、出費が嵩むけどここは惜しむ所じゃないよね!」
そうして浮かれながらバレンタインのチョココーナーを吟味するのであった。
〜夜野蝶子の場合〜
「個別に送るとお返しが大変だろうから事務所に誰でも食べれるチョコを置いておけばいいかしら。
姫花ちゃんには〜うふ、うふふふふふ」
チョコレートは古来より媚薬として信じ込まれていることを知っていた蝶子はその中でも特に効果の高いものを吟味して探すのであった。
〜七転八起子の場合〜
「えーっと、ユウ先輩とマオ先輩に特にお世話になってるから用意しておきたいよね。
それとナコには……やっぱり手作りかな?
……うん、パートナーとしてあげるのは全然変じゃないもんね!
うん、変じゃない変じゃない!!」
ナコに手作りチョコをあげる理由を言い訳しながらチョコレート作りに邁進するのであった。
もちろん完成したチョコレートは、誰が見てもガチガチの本命チョコが出来上がっていた訳だが。
〜白船ナコの場合〜
「せっかくの縁もあるっスから元々いたコンビニで義理チョコ買っていくっスかね。
コンビニのチョコも最近は手提げ袋まで付いてるから普通に渡せるのがありがたいっスよ。
八起子は多分手作り持ってきてくれるっスよね。
それなら自分も手作りで返すっスかね」
八起子の行動パターンを予測して手作りチョコを作るナコ。
お互いに完成したチョコを交換して比べた時に本気で作り過ぎたことに赤面する八起子だが、それを堂々と受け止めて笑顔でお礼を言うナコという結果になるのであった。
〜ユウとマオの場合〜
「えーっと、ここに書いてある材料を用意してくれば良いんだよね?」
「そうじゃな。
ユウは材料を妾はチョコ作りの器具を用意してこよう」
2人は日頃からお世話になっている人達のため手作りチョコを作ろうと奮起していた。
とは言え、今までに作った事が無いのでネットでレシピを検索して材料や器具を集めるところからである。
くじよじの男性面々に手作りというのはどうかと言う話もあったのだが、2人からの連名でプレゼントすれば妙な誤解を与えることは無いだろうという答えに落ち着いた。
こうして2人は試行錯誤しながら人数分のチョコを用意したのだが……相談しておいた訳でもないのに個別にお高いチョコレートを用意していたのは長年の付き合いの賜物と言えるだろう。
何にしても其々のライバーが甘い1日をより甘くする下準備を楽しんでいるのであった。




