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成人式と派手な衣装

「今日って祝日だったんだ」


ユウがスマホのササヤッキーを開くと、タイムラインでは新成人を祝うコメントが多数見受けられた。


「確か成人式じゃったかのう?

この仕事は自由業のようなものじゃから、その辺りに疎くなってしまうのう」


「働くも働かないもある程度自由が効くからね。

……うわっ?

なんか暴れてる動画が出回り始めたけど」


ユウのスマホの中には袴を着た成人が偉そうな大人が演説している壇上に上がり込んで騒いでいる姿が映っていた。


「まるで猿じゃのう……せっかくの晴れ舞台で何をやっているのやら」


「感心しないなぁ……おおっ!?

今度はめちゃくちゃ派手な頭と派手な袴を着た集団がいるよ!」


「これはインタビューを受けているようじゃな。

うん?……むむむ。

ユウよ……妾の耳がおかしくなっていないのであれば、彼らは格好の割にかなり普通に良い受け答えをしておらぬか?」


「確かに……ぶふっ!!

この写真なんて見てよ。

育ててもらった親御さんにお礼のメッセージを書こうってコーナーなんだけど……さっきの派手で悪そうな子達がめっちゃ頭抱えて悩みながら書いてるよ」


そこでは先程までのインタビューとは違い、一人一人が机の上にある葉書の前で真面目に頭を悩ませていた。


「これは実に興味深いのう。

福岡といえば巫女先輩じゃから聞いてみようかのう」


そう言ってマオが巫女に電話をかけるとすぐに取られて返事が返ってきた。


「はいはーい、こちら神使巫女です。

マオちゃん、どうかしましたか?」


「うむ、ちょっとテレビを見ていて気になったのじゃが。

北九州の若者はこのような派手な格好をしている割に中身はかなり真面目なように見えたのじゃがどういうことじゃ?」


「あ〜それはよく聞かれる話ですね。

簡単に言っちゃうとですね……彼らの殆どは普段からあんなに派手じゃ無いんですよ」


「うむ。

言葉の端々から常識人な気がするのう」


「それというのも既に社会に出ている方が多いんですよね。

それにあのド派手な衣装って皆さん自分で用意している方が多いんですけど、基本的にオーダーメイドなんですよ。

まぁ、オーダーメイドで頼んだものをレンタルして衣装屋に渡すという特殊なやり取りで値段は抑えているんですけどね」


「何と……そのような奇特なことをしてくれる店があるのじゃな」


「そのお店のお陰で今の状態があると思ってもらって良いと思いますね。

何にせよ普段真面目に働いていて上下関係もしっかりしているので、この日は本当に自分の思い出作りのためという要因が強いので見た目は派手でも中身は真面目というギャップになる訳ですね」


「なるほどのう……参考になる話じゃったわ。

感謝するぞ」


「いえいえ。

あの4人もお世話になっていますからね。

ユウちゃんにもよろしく言っておいてください……横で聞いているのでしょうけど」


「よく分かっておるではないか。

では、またのう」


「ええ、また仕事でもプライベートでも」


通話を切ったマオがユウの方を向き


「という訳じゃよ」


「うん、凄く分かりやすかった。

そりゃ見た目に反して良い子達なわけだね」


こうして北九州の成人式の謎を解き明かしながら2人は様々な成人式の様子を物珍しそうに見ていくのであった。


北九州は荒れると期待してマスコミが来ますが、毎回派手な衣装と髪型の映像しか撮れてないイメージです。

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