大きなお風呂は良いところ 3
舟湯を堪能した2人は壺湯へと向かう。
一人用の壺湯が3つ配置してあったのだが、幸いにも2人分の空きがあった。
「ここはテレビを見ながら入れるのじゃな……よっこいせと」
「かけ声が年寄りくさくない?」
「300を超えておるからのう。
うむ……肩まで浸かれるのは良い事じゃな。
テレビは日差しのせいで全く見えぬが」
「僕の方も見えないなぁ。
ちょうど真後ろに太陽があるから仕方ないか」
ユウの話す通りに2人の真後ろの上空からギラギラとした光を放つ太陽。
その光のせいでテレビの画面が白くなりほぼ見えない状態であった。
とはいえ、映していた番組は報道バラエティであり、普段からネットで情報収集している2人が興味を持つような内容ではない。
それでもボーッと見ていたい気分だった2人は早々に壺湯から出ると室内湯に向かった。
一通り辺りを見渡した2人が興味を持ったのは近くにある炭酸風呂であった。
このお風呂は言葉の通りにお湯の中に炭酸が含まれており、長く浸かる事で炭酸が身体の隅々まで浸透して疲れをとるというものである。
早速2人は炭酸風呂の中に入って見ることにした。
「おお、これは温度が温めじゃが熱い湯ばかりに入っておった身体には丁度良いかものう」
「ええっと……炭酸風呂は10〜15分くらいを目安に浸かると効果的なんだって。
長い時間入る為に温く設定しているみたい」
「妾はこのくらいの方がいいのう」
「ゆったり入れるから落ち着くよね」
こうして2人は温めのお湯を楽しんでいたのだが、変化は直ぐに現れた。
お湯に浸かっている身体の表面に小さな泡が引っ付いていたのだ。
「これが炭酸ということかのう?」
「身体の表面にもくっつくんだね」
変化は表面的なものだけでは無かった。
全身がポカポカと温かくなってきたのだ。
「血の巡りが良くなってきておる気がするのう」
「なんか身体も軽くなってきた気がする……この炭酸風呂って効果凄くない?」
「美容にも良いみたいじゃからな。
ここでしっかり浸かっておくと良いという事じゃな」
そうして2人は指定された時間の15分きっちり浸かってから炭酸風呂からあがった。
その後は水流を身体に受けてコリをほぐすジェット風呂やサウナなども楽しんだのだが、最後にもう一度炭酸風呂にじっくりと浸かってからお風呂場を後にするのであった。
炭酸風呂は良いです。
本当に疲れが取れるのでゆっくりと入るのがお勧めです。




