表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

348/1560

恐竜国取合戦 決戦編7

ゴーレム……それはユウ達がプレイしているマップとは別にある砂漠マップに現れる生物である。


餌は普通の石を含めた鉱石を好み、その頑強な身体はあらゆる攻撃に対して耐性を持つという。


更に普通の恐竜の騎乗とは違い、ロボットの如く騎乗者を身体の中に収納する為にティタノを操るバスに使おうとした、騎乗者を狙うという戦法も使えない。


有効的な攻撃方法は一つだけであるが……アサルトライフルと剣でメイン武器に選んだユウではどちらも決定打にならない。


特に銃弾に対しては高い耐性を誇っている為にユウは剣を持っての接近戦を強いられていた。


誰が見ても不利な戦いであった……だが、ユウの天才的なプレイングと見切りがこの戦いを一方的なものに変えた。


「く……捉えきれない!?」


「キャラを操るプレイヤーの力量も総合されるのがPVPだからね。

強いキャラを使ってれば最強とはならないよ」



余裕そうに言い放つユウであったが内心は焦っていた。


ユウとしてはモニカの操るゴーレムの隙を突いてバスに攻撃を加えたいのだが、モニカは必ず間に挟まる形で立ち回っていた。


もしかしらこの立ち回りの制限が無ければユウとマトモに戦えたのかもしれないが、彼女に与えられたミッションは敵の排除では無くバスの防衛である。


ジリ貧となった戦いであるが数分の戦いで大きく動くことになる。


鈍い音と共にユウが振るう剣が折れてしまったのだ。


これはゴーレムを倒す力が無くなり、その先にあるバスを倒す事は不可能になったという事である。


(ここが限界かな……)


ユウが撤退を考えて準備して密かに合図を送った時だった。


「うわああああああ!!」


雄叫びをあげながら猛スピードで落下してくる物体が目に映る。


「っ!?」


それが目に入った瞬間にユウはティタノサウルスのプラットフォームから飛び降りた。


直後に背後から大爆発が起きて3人の死亡ログが流れていた。


♢ ♢ ♢


ユウがラドンから飛び降りた時と同じくらいの高度にそれはいた。


アルゲンに乗ったメル……そしてアルゲンに掴まれたショウタである。


身体に無数のリモコン爆弾を取り付けられたショウタはガックリと項垂れていた。


「うう……本当にいいのかな?」


「あの……やるなら一思いにやってくれた方が助かるんだけど」


「同期のモニカとバスちゃんの命を私が取る事になるなんて」


「あ……心配しているのは其方なのね」


「でも、敵として分かれたからには仕方ないですよね?

それにキルログは爆発したショウタ先輩の名前になるから私がやったとはバレない筈。

ショウタ先輩、行きますよ!!」


「あっ……はい。

何か心は決まったのでいつでもどうぞ」


「ショウタ先輩……お許しください!!」


作戦名と共にメルの乗るアルゲンがショウタを手放した。


「うわあああああああ!!」


覚悟は決めていても自由落下の迫力がショウタの叫びを誘発した。


プラットフォームにぶつかる寸前……メルが押したリモコンによりショウタに巻きつけられた爆弾が爆発する。


その威力は凄まじく、モニカをゴーレム毎吹き飛ばし、その背中に守られていたバスをも吹き飛ばした。


そして3人の死亡ログが流れていたのだが、キルログにはリモコン爆弾で爆発したショウタではなく、そのリモコンを押したメルの名前が刻まれているのであった。


余談ではあるがこの瞬間、日本のトレンドにショウタ爆弾がランクインした事を記しておくべきであろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ