恐竜国取合戦 決戦編4
2023/06/10 誤字修正受け付けました。
いつもありがとうございます。
「どーも!
くじよじ社長の里中よ。
今日は戦争の解説という役割を与えられているわ」
「実況はフリーのおじさん、田中リーブです。
今日はおじさん2人での仕事ですね」
「あら、わたしの心は乙女のつもりよ」
「それは良いのでルールの説明をお願いします」
「冷たいわねぇ。
決戦は主に建築フェイズと戦争フェイズの二つで行われるわ。
敗北条件は復活地点を壊されたら負けよ。
復活地点の周りに如何に堅牢な守りを築けるかというのが建築フェイズ。
建築フェイズが終わったら決戦フェイズね。
使える恐竜を無制限にしちゃうと収拾がつかなくなるから個数は区切らせてもらっているわ。
物資の持ち込みは無制限にしてあるから今まで貯め込んできたものは好きに吐き出してちょうだい。
一度に話しすぎても混乱すると思うから何かあればその都度、私が出てきて説明するわね」
「状況が動くまで僕は上空から様子見しますね」
♢ ♢ ♢
「先ずは建築をしていくわけだけど基本的に復活地点は金属の壁や床で囲んでいくよ。
本当はもう一つ上があるんだけどこっちは虎の子の2体に当ててるからね」
「建築は柱の上に床を立てて地上から入れないように作ります。
私達はやられて復活したとしても飛び降りて再出撃すればいいですからね。
あとは……やはりあれを作っておきましょう
物資は持ち込み制限無しですからね」
先頭の指揮を取るのはユウ、建築の指揮を取るのは驚く事に八起子であった。
実は彼女はこのゲームのプレイ時間を如何に巨大な建築物を建てれるかに当てており、その建築技術はくじよじメンバーの中でもトップと言っても過言ではなかった。
♢ ♢ ♢
「あの……本当にこれで良いんですか?」
恐る恐る天さんに尋ねたのは最近デビューした、Vの世界に留学しにきたパラケラ王国の王女、メル・パラケラであった。
彼女には他に同期が2人いだのだが、連絡が付かないところで憧れていた天照子にスカウトされて高天ヶ原に入ってきた。
そんな彼女の前には一マスの壁とドア、天井に囲まれた復活地点があった。
「これはこの世界最高の硬さを持つ超文明の素材から作った建築物だから守りはこれで十分よ。
それよりもその周りに強固な守りの砦を建てるわよ!!
上にはタレット、ロケット砲、バリスタ……置ける大型兵器は全部設置していくからね」
「え……でも……」
それでも懸念事項があるメルはその事を伝えようとするが、肩にポンと手を置かれた。
その人物は先輩である夜野蝶子であった。
「メルちゃんの言いたいことは分かるわぁ。
でも、黙っておきましょう?」
「え?でも……」
「絶対にその方が撮れ高になって面白いから」
「ひぃ!?……わ、分かりました」
そうやってニッコリと笑う蝶子の背中には黒いオーラが見えた気がして口を閉ざすメル。
この事は後に天さん最大のプレミ(プレイングミス)として後世に語り継がれつつ、多数の切り抜き動画を生んだ珍場面になっていく。
プレミと聞くとプレミアムなイメージがありますが、この界隈ではプレイングミスという、ゲーム上におけるポカとなります。
かなり使われているので覚えておいて損はないでしょう。