カードゲームのゲーム
11/4 誤字報告受け付けました。
いつもありがとうございます。
「珍しく昔の携帯ゲーム機を取り出したと思えば何をしておるのじゃ?」
ある日の午後、ユウが3D機能があるけど一切使わない携帯ゲーム機を取り出して何かのゲームをやっていた。
「ああ、この間やったカードゲームあったでしょ?
あれ結構微妙だったからリーブママに何か面白いカードゲーム無いか聞いたらこれを紹介されて」
「ふむふむ……これは随分と画像が古く無いかえ?」
マオが覗き込んだ画面の中では目が痛くなるような原色で描かれたドットのキャラが見えた。
ユウが取り出したとゲーム機が一昔前のものだとしても古すぎる画面である。
「初期の携帯ゲーム機で発売されたゲームなんだって。
アーカイブで発売されてるけどこのゲーム機でないと遊べ無いから取り出してみた」
「なるほどのう……これは何かの元ネタがあるのかえ?」
「それが実はこれゲーム機のオリジナルなんだって」
「それは珍しいのう」
通常、カードゲームというものは先にカードやルールが広まってからテレビゲーム化というものが殆どである。
そのためにテレビゲームの方が先に出たこのゲームは非常に珍しいと言えるだろう。
「それでこれはどういうルールのゲームなのじゃ?」
「前衛、後衛でそれぞれモンスターを二体ずつ召喚できて、前衛の真ん中にいるのがマスターなんだよね」
ユウが画面を見せながら説明する。
画面には確かに横に二体の魔物を引き連れた一般人のドットキャラが描かれていた。
「このマスターのHPが0になったほうが負けなんだ」
「それでは魔物を召喚してマスターを殴れば良いのでは?」
「それがマスターは防御力2点のバリアで守られてるんだよ。
そして殆どの魔物は攻撃力が2点無いんだ」
「それではどうやってバリアを破るのじゃ?」
「方法としては敵の魔物を倒してレベルを上げて攻撃力を上げるか、1ターン力を貯めて攻撃力を上げるかだね」
「なるほど……そのために魔物同士が戦う必要があると」
「そこに魔物カード以外のサポートカードも出てくるから意外と戦略性あって楽しいよ。
少なくとも前のゲームみたいに避けてカード切れで勝つみたいな必勝法も無いしね」
「ふむ……面白そうじゃな。
妾もやってみようかの」
「そうしなよ!
折角だからカード集めてデッキを組んだら対戦しよう!!」
こうして昔の名作にハマってしまった2人は配信時間ギリギリになって、慌てて配信を始めるというポカをやらかすまでプレイしてしまうのであった。
久しぶりにやりたくなってダウンロードしたという話です。