恐竜国取合戦 2日目 3(別視点)
ここはノース・ナイン・ステイト……通常NNSと呼ばれる北乃修羅をトップとした国である。
「はっはっはっ!
先程中々楽しい事があったぞ」
機嫌良く帰ってきたのはスポーツを担当する富国京平であった。
「おや、随分と機嫌が宜しいですね。
何か楽しい事がありましたか?」
そう答えたのは歴史担当の三國教授だった。
「うむ、先程野盗に襲われてな!
中々面白い時間だったぞ」
「ふむ……因みに相手のプレイヤーは確認できましたか?」
「突然矢を射かけられて追いかけた先にはアマさんの所のショウタがいたな。
向こうから襲ってきた流儀としてボコボコにした後に裸にひん剥いて放置しておいたぞ」
「なるほど……」
「報告は終わったので俺は恐竜達の手入れをして来る事にする。
先程新たに捕まえたアルゲンが可愛くてな」
「おや、アルゲンタヴィスを捕まえたのですね。
それは今後の戦略の幅が広がりますな」
「そうだろう!
外のことは俺に任せて教授は内の事をよろしく頼むぞ」
「役割分担ですからね。
お任せください」
こうして報告を終えた京平が上機嫌で去って行った。
その後ろ姿を見ながら三国教授が呟く。
「嵌められたかもしれませんね」
「どういうことです?」
後ろから声がかかって振り向くとそこにはいつの間にかログインしたのか、修羅の姿があった。
「恐らくですが京平さんを襲撃したのはショウタ君では無いでしょう。
襲撃犯は京平さんを矢で攻撃して威嚇し逃走。
その先には何も知らないショウタ君がいたのですが、京平さんが早とちりして攻撃してしまったと言うのが真相では無いかと」
「教授はその襲撃犯が何故その様な事をしたか分かりますか?」
「天照子さんの勢力と私達を争わせる為でしょう。
恐らく漁夫の利を狙っているのでしょうね。
今後はどうされますか?」
「ふむ……それならば取る手は一つです。
ショウタは我々を襲ってきた襲撃犯。
私達はそれを撃退しただけです。
それで文句を言って来るのであれば戦うだけです」
「第三者の目論見に乗ると?」
「何処の誰だか知りませんがその第三者も撃退すれば良いだけです。
そして私達の手でこの世界を支配してしまいましょう」
そうして今後の展開について話し合う2人をそっと見つめる影があった。
その人物は自分の展開通りに進んでいく状況を見てほくそ笑むのだった。