恐竜国取合戦 2日目 2
海の中にある原油を集める為にカルボネミスの様な水の中を潜れる生き物を探していた辺りを探索していたユウは、それが可能そうな生き物を近くで見つけた。
その事をマオに報告して2人で見にきたのだが、その姿を見たマオは絶句していた。
「本当にアレに仕掛けるつもりかえ?」
「アレなら水に潜れるそうだし見た目も強そうで良くない?」
「確かにペットにする事が出来るなら大きな戦力になりそうじゃが…… 」
そんな会話をする2人の前にいるのは巨大なワニであった。
それはサルコスクスという白亜紀に生きていたと言われるワニであり、現在のワニよりも大きな身体を持っていると言われていた。
その体長は10メートルとも言われており、現代に生存するクロコダイル科のワニでも最大で7メートルと言われれば如何に巨大であるかがお分かり頂けると思う。
そんな巨大なワニが2人の目の前にいるのだ。
マオが躊躇うのも仕方ないと言える。
とは言えこれはゲームの中の話だ。
ユウには十分な勝算があった。
ユウは手持ちの素材から柱を数本立てて簡易的な檻を作り出した。
その中に入った状態で麻酔薬を塗った矢をサルコスクスに向けて放つ。
攻撃された事に気がついたサルコスクスは当然ユウに向かって来るのだが、先程立てた柱が邪魔で引っ掛かり阻まれる。
これが現実であるならば諦めて逃げるなり回り込もうとするとか、柱を壊そうとするなどの対処をするだろう。
しかし、ゲームの生き物として設定されているサルコスクスにはそこまで考える脳はなく、予めプログラムされた通りに、攻撃してきたユウに愚直に向かって来るだけであった。
やがて麻酔の蓄積値が溜まって気絶しそうになるとクルッと反転して一目散に逃げ出す。
これもプログラム通りの行動であり、過去何匹かペットにする際に全て同じ行動を取っていた事からユウの予測範囲内の行動であった。
反転すると同時にその方向に潜んでいたマオが飛び出して麻酔矢を放つ。
逃げ出した時は本当にギリギリの状態であるので、マオが3本目の矢を放つとサルコスクスの巨大な身体が動かなくなった。
柱を自ら壊して追ってきたユウは動かなくなったサルコスクスの口に事前に準備していたピラニアの肉を放り込んだ。
暫くするとペット化に成功というログと共にサルコスクスがムクリと起き上がりユウの近くに歩いていく。
「上手くいってよかったのじゃ」
マオも嬉しそうに駆け寄って来る。
「このくらいの大きさで一匹だけだったからね。
これがティラノみたいな巨大な恐竜だったり、複数で襲ってきたらまた違うだろうけど。
とにかくこれで水の中も潜れる様になったから早速探しに行こう」
こうしてサルコスクスという水の中を潜れる乗り物を手に入れたユウは早速鞍を取りつけて海の中を潜る。
息が続く限り潜水しては浮上してを繰り返すと、ハニーが言う黒い塊というものを見つけた。
それを掘る事でようやく念願の原油を手に入れる事に成功したのであった。




