恐竜国取合戦 2日目 1
鉄の取れる島でたんまりと鉄のインゴットを手に入れたユウとマオは仮の拠点に戻ってきていた。
2人はここから先の選択を悩んでいた。
つまりは、このままこの地を拠点にするか?
それとも別の場所に移動するか?
という事である。
「ここは安全ではあるんだけどね」
そう……初期地点という事もあってか、この場所は凶暴な肉食恐竜が出現しにくい。
更に周りには大人しく小型の草食恐竜が多いために肉や皮の確保が容易であった。
だが、逆に言うのであれば凶暴な肉食恐竜をペットにし辛いとも言える。
更に鉄を集めるのに苦労したように、基本的な素材以外を集めるのにも苦労していた。
ユウ達はやっと精錬炉を使って鉄インゴットを扱い始めるレベルの文明度であったが、習得できるレシピを見る限りでは近代化が可能である。
その為に必要な素材を見ているのだが、どれもこの辺りでは手に入らないと思えるものばかりであった。
「ポリマーとか原油とか……正直、何処で手に入れればいいか分からんのう。
鉄製品を作るのに必要な旋盤を作ってみたものの燃料が無いから動かせんしのう」
「そうなるとやっぱりそれらが手に入りそうな場所まで移動したほうがいいのかな?」
「先にそれらが手に入る場所を探ってからではないかのう?
その活動基地としてここは残しておくべきじゃと思うのじゃ」
2人がうんうんと唸っていると入り口の方に人影が見えた。
「お〜ここがユウとマオの愛の巣ネ!!」
それは鉄のある無人島であったハニーであった。
「愛の巣って……まぁ、いいか。
いらっしゃい、ハニー」
「この世界では初めましてじゃのう。
しかし、面白いものに乗っておるのう」
マオの言う通り、ハニーはとても面白い生き物に乗っていた。
それはカルボネミスという約6000年前に生きていたと言われる巨大な亀であった。
「この辺の海から原油が取れるからネ。
この子なら海の中もそこそこのスピード出せるから集めるのに便利ヨ」
「え?原油って海の中にあるの?」
「この辺にあるのかの?」
「そうヨ。
この辺りの海に潜ったら黒い塊があるネ。
それを叩けば原油取れるヨ」
「原油からガソリンって作れるの?」
「精錬路でインゴット作る時に原油も入れとけばガソリンに変わるヨ。
何故かポリタンク付きネ」
「その辺りはゲームって感じだけど……助かったよ、ハニー。
僕たち旋盤動かせなくて困ってたから」
「お〜そう言う事ネ。
海の中にも沢山素材あるから探してみるといいヨ。
でも、デンジャラスだから気をつけてネ。
ワタシもまた集めてくるから今日はこれでバイバイヨ」
「助かったのじゃ。
ハニーは歓迎じゃからまたいつでも遊びに来るのじゃぞ」
「サンキュー。
それじゃシーユーネ」
そう言ってハニーはカルボネミスに付けた鞍に乗り込むと華麗に操りながら海の中に消えていった。
「海の中か……探索する前にああいう海の中も行ける生き物見つけないとね」
「そうじゃな……やる事が次から次に出てきて飽きぬゲームじゃよ」




