ルーナの対談配信 3
「私が管理する地獄ですね。
先ずお聞きしたいのですが、皆さんが思う地獄とはどのような形をしているでしょうか?」
「大王からの質問を良ければコメント欄から集めてみましょうか。
皆さんどんな印象がありますか?」
・針山と鬼とか
・熱くて燃やされる
・鬼が金棒持って襲ってくるとか
・動物に襲われる地獄とかあるんだよね?
・虫関係の地獄もあった気がする
・血の池とか聞いた気がする
「沢山のコメントが出ていますね。
皆さんのイメージはこのような形になっていますよ」
「なるほど……皆さんのイメージは八大地獄と呼ばれる場所ですね。
こちらでは物理的な拷問や火責め虫責め動物責めと言った刑罰が多いです。
ですが、実はこれは地獄としてはまだ半分なのですよ」
「私のイメージも似たようなものでしたが、まだまだこんなものではないと」
「こんなものではないと言うか、方向性が真逆の地獄というものがあると言う事ですね。
名前は八寒地獄と言ってその名の通りに八大地獄とは逆に寒い場所にある刑場です」
・寒さの地獄とかあるんだ
・熱いイメージしかなかった
「八大地獄とは別に寒さで責める地獄があるのですね。
こちらではどのような刑罰が行われているのでしょうか?」
「こちらは実に単純で1〜8の順に徐々に寒さがつよくなっていき、罪の深さによって何処に落とされるか決まります。
特徴的なのは7番目にある鉢特摩地獄でしょうか。
こちらは別名を紅蓮地獄と言うのですが何故か分かりますか?」
「話から察するにとても寒い地獄なのですよね?
それで紅蓮となると….想像がつきません。
紅蓮と聞くと熱いみたいな高温のイメージがありますので」
・確かに
・熱いイメージがある
「恐らく現代では紅蓮の意味が間違って伝わってしまっているのでしょうね。
元々、紅蓮と言う言葉はこの紅蓮地獄が発祥と言われています。
この地獄ではあまりの寒さに皮膚が裂けて赤色の蓮の花のようになってしまうことから紅い蓮の咲く地獄で紅蓮地獄と言うのです」
「それはとても驚く話ですね。
現代の人たちは紅蓮と聞くと炎のイメージがありますが、本来は真逆の寒さと氷を表す言葉だったと言う事ですから」
「例えば紅蓮の炎と言った形で紅い蓮のような炎という言い方をすれば間違いではないんですよ。
しかし、紅蓮単体では寒さで皮膚が裂けて出た血が紅蓮のようだという意味なので真逆になってしまいますね」
「これはちょっとカルチャーショックと言いますか……明日誰かに話したくなる知識ですね」
・へぇ〜
・へぇ〜
・へぇ〜
「おっと……よく見るともうこんな時間ですが。
私はもうそろそろ業務に戻らなければいけないので失礼しますね」
「それではこの辺で配信を終わりとさせて頂きましょう。
本日はありがとうございました」
「こちらこそありがとうございます。
この配信を聞いている皆さんもいつその時を迎えるか分かりませんので、なるべく正しく生きていただければと思います。
周りの人間関係による情状酌量制度などもありますので優しい心を忘れないでください。
それでは失礼しますね」
・分かりました!
・正しく生きます
・情状酌量とかあるんだ
「それでは本日の配信はここまでとさせて頂きます。
お盆には皆さんのご先祖様がこちらから帰ってくるので出迎えてあげてくださいね」
・はーい
・おつかれさま
・おつかれさま




