お盆前のご挨拶 2+ルーナの対談配信 1
「やはりこの時期は忙しそうですね」
「そうですね、やはりお盆というものは我々地獄の鬼にとってもお休みとなります。
その休みをしっかり楽しむためにも仕事を終わらせなければとバタバタしてしまいますね」
「そんなお忙しい時期にアポイントメントを取ってしまって申し訳ありません」
「いえいえ。
お盆は完全オフでアポが取れませんし、地獄の蓋が開いているこの時期くらいしかありませんから」
「そう言っていただけるとありがたいです」
そうやって話していると裁判が終わったという連絡が入ったので、ルーナは再び広間の方へと戻っていった。
「お待たせしてすまない」
「いえいえ、この忙しい時期に押しかけたのは私の方ですからお気になさらずに。
それで大王さえ良ければ直ぐに始めたいのですがよろしいでしょうか?」
「ええ、勿論です」
♢ ♢ ♢
「皆さまこんばんわ。
異界の女神ルーナです。
本日はゲストを招いての対談企画となっております」
・待ってた
・こんばんわ
・ゲストだれ〜?
「お盆も近いという事で本日はあの世の管理をしていらっしゃる閻魔大王をお招きしましました」
「紹介に預かりました閻魔です。
よろしくお願いします」
・ふぁっ!?
・本物???
・神様の交友関係?
「実際にはこの時期は忙しくて現場を離れられないので私の方から出向いているんですけどね」
「ご足労頂きありがとうございます」
・閻魔大王の所って事は地獄?
・地獄から生配信?
・理解が追いつかん
「おや、コメント見る限り皆さん勘違いされていらっしゃるようですね。
これは大王の方から説明お願いしても良いでしょうか?」
「勘違いされやすい部分ですからね。
私、閻魔がいる場所は地獄ではなく裁判所です。
皆さんが逝去されてから生前の行いを定めて次回の魂の行き場を決めるのですが、その裁判というのは最大で10回行われるのですね。
私の裁判は5回目であり、多くの人はここで判決が下されて六道の何処に魂が向かうか決定します。
その為に私の裁判所の近くに地獄があって、そこの管理を任されているのですね。
その為、私が地獄にいると勘違いしている方もいらっしゃるようですが基本的に裁判所内にいます」
・そうなんだ
・え?10回も裁判するの?
・初めて知った
「と言うわけで私もこちらの裁判所にお邪魔させて頂いております。
せっかくゲストに閻魔大王を招いているので、リスナーの皆さんも気になるであろう死後の話というものを聞いていきたいと思います」