表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

300/1560

異世界の軍略と遊び

2023/06/07 誤字報告受け付けました。

いつもありがとうございます。

ユウとマオが元いた世界では相変わらず配信という娯楽が人々に楽しみを与えていた。


異世界の娯楽はこの世界とは比べものにならないほどに発展しており、その影響を受けて様々な娯楽が真似されて楽しまれていた。


庶民には麻雀やオセロ、トランプといった娯楽が普及したのだが、人間の国と魔族の国のお偉いさん方に流行ったのはチェスや将棋であった。


もはや両国が争うことは無くなったのだが、国防のための予算を削っているわけではない。


お互いに信頼して非武装を貫きましょうと言えるほどに両国の和解の歴史は深くなってはいないからである。


兵士たちは日夜訓練を行い、将軍達や軍師は新たな戦略に想いを馳せる。


元々はここの力頼りで軍略が意味を為さない世界ではあるのだが、このような思考に至ったのはやはり配信の影響が大きいであろう。


特に彼らが好んだのは三国教授の講義であった。


過去の異世界の戦いと軍略の歴史は彼らにとって正に青天の霹靂と言えるものであった。


こうして三国教授の講義を参考に様々な軍略を考えたのだが、実践ではない机上の空論である自論に自信が持てなかった。


そんな彼らの実践欲を満たしたのがチェスと将棋であった。


ただ強いコマで押すだけでなく、弱いコマを囮にする事はもちろん、時に強いコマを囮にして弱いコマを活かすという千差万別の戦略性が彼らを魅了した。


こうして其々の国の将軍や軍師、武官に文官に至るまでこの遊戯が流行ったのである……が、自国内で流行ったのであれば次に行き着くステップは当然ながら他国のプレイヤーと競い合ってみたいと言う事である。


こうした欲求から人国と魔国が話し合い、月に一度の小さな大会と年に一度の大きな大会を行うことになった。


更にお互いの国のトップが実際の軍を動かして演習として競い合わせるデモンストレーションまで行うことになった。


とはいえ、ここの技量で決まっては面白くないので非殺傷の武器を致命的な部位に当てられた兵士は死亡扱いで退場という極めて平和的なルールではあるのだが。


こうしてユウとマオ、ルーナが齎した配信という文化は未だに禍根はあるものの、両国の歩み寄りにより少しずつ真の平和に向けて歩み寄りを始めていると言っていいだろう。


因みに三国教授が尊敬していると言う人物の名前をそのままとり、チェスの王者を「ハンニバル」


将棋の王者を「蕭何(しょうか」と呼ばれているとか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ