プラモデルを買おう 2
間違えて別の作品を投稿していたミスを報告を受けて直しました。
報告してくださった皆様本当にありがとうございます。
「こちらのコーナーが1/144規格の商品が置かれている場所です。
シリーズ毎に分けられているので好きな作品のコーナーから探すといいですよ」
「おお!早速良いものが無いか探してくるね!」
ユウは早速お気に入りのプラモを探しに棚に飛び込んでいった。
「ふむふむ……流石の種類じゃな。
見たことが無いものも多いのう」
「中には漫画作品や設定資料しかない機体もありますからね。
後はゲームオリジナルなど……正直な話、私たちも映像化された作品の機体なら分かりますがそれ以外となりますと。
お客様に勉強させていただく機会も多いですよ」
謙虚な言葉とは裏腹に少し困ったように言う店員にマオはピンと来てしまう。
「なるほどのう……この手のファンというものは蘊蓄を語りたがるものが多いということじゃな」
「おや、オブラートに包んだつもりでしたがバレてしまいましたが、
おっしゃる通りこのようにごゆっくり案内できるほどに身体が空いているのならかまわないのですよ」
「まぁ、その手の事に気付かぬものが機敏には慣れぬわな。
脳内を上手く言葉として伝えきれないもの。
感情が先走り過ぎて何を言っておるのか分からぬもの。
様々よのう」
「かくいう今現在も不思議な気分ではありますがね。
自分の娘よりも遥かに幼く見える少女なのに、喋り方と理解の仕方のお陰で祖母と話しているような気分になってきましたよ」
「ほっほっほっ、お主がそう思うのならそうなのかもしれんぞ。
そういう経験は嫌かえ?」
「とんでもない。
接客中だと言うのに楽しませてもらっていますよ」
2人で笑い合っていると突撃していったユウが戻ってきた。
その手には二つのプラモデルの箱が握られていた。
片方は海賊がモチーフでフルアーマーなロボット。
もう片方は量産型ロボのカラーリングが蒼いロボットの箱である。
「おや、中々良い趣味をしておりますね」
「実は社長の持っているゲームでこの蒼いロボット見たことがあるんだよね。
そのゲームではこの海賊のロボットも出ててものすごく強くて格好いいって思ったんだよ」
「なるほどのう。
他に必要な備品はあるかの?」
「初めてのプラモデル作りでしたね?
それならばニッパーは必ず用意してください。
それとシールを貼るのにピンセットがあると良いでしょう。
お値段的にもこちらの2つがよろしいかと。
もし慣れてきてもっと難しいものに挑戦したいと言うことがあれば、値段の高いものにステップアップしていくという形で良いと思います」
「ありがとう、店員さん」
「それではレジは私が担当致しましょう」
こうして初めてのプラモデルと道具を買った2人。
「ありがとうございます」
と頭を下げる店員にマオが声をかけた。
「お主は良い店員じゃのう……何も知らない妾達に高い道具をふっかけても良かったじゃろうに」
「はっはっはっ、そのような目先の利益を取って今後の常連さんを掴み損ねる方が損ですよ」
「ふっふっふっ、それもそうじゃのう。
お主の読み通り妾の相方は深みにハマってまたここに来る未来が見えるわ」
「是非またお越しください。
当店は優秀なスタッフが揃っておりますので私以外の者が担当してもきっとご満足頂ける接客を受けれるはずですから」
「承知した……しかし、お主が居て手が空いていたならまた案内してほしいのう」
「畏まりました。
それではまたお越しください」
「うむ、また来るのじゃ」
こうして2人は満足して帰路に着くのであった。
後日、店員が偶々娘が見ていた動画に映る2人を見るのはまた別のお話。
格好いい店員と客の会話を書いてみたかっただけだったり。