ユウマオ初めての旅行 1
歌ってみた動画を無事に成功させた2人は連休を取ることにした。
これまでコラボ先での配信のみという日もあったが、毎日欠かさなかった2人のこの世界に来てから初めての休みと言えるだろう。
そこで2人は何処かに旅行に行くことを計画する。
折角なので遠くに行こうと言うことになり、くじよじの仲間達と話をしていると手を挙げる人物がいた。
くじよじの最終兵器と書いてハルマゲドンと呼ばれている神使巫女である。
彼女は以前に東京を案内してもらったお礼に福岡を案内したいと思っていたのだ。
「いいじゃないっスか!
福岡はご飯美味しくて程よく都会で良いっスよ」
「北は危ない話もあるけれど貴女達なら大丈夫でしょう。
楽しんでらっしゃい」
という福岡出身のナコとシュラの後押しもあって2人は福岡に行くことを決めた。
当日、格安航空で向かうことになったので成田空港へと向かう。
何と2人分のチケットを買っても1万と少ししか掛からず、国内の旅行のしやすさというものに2人は感動していた。
初めての飛行機では実際に飛ぶところを見ていても信じられないと言うマオが青い顔をしていた。
そこでユウは飛行機が落ちても僕たちは平気だし、何ならこの人達全員助けれるように頑張ろうよと言うとマオがハッと気付いた顔をしていた。
そう……落ちることにばかり目をやっていたが、落ちたところでユウとマオには傷一つつけられない。
更に落ちている最中に逆噴射の風魔法使って勢いを弱くするとか、遅延魔法をかけて落下スピードを落とすとか、乗員全員に防護魔法を張るなど幾らでもやりようがある。
寧ろ今のように意味もなく怖がって実際に動けないことほど危険なものはないとユウは言いたいのだ。
「そうじゃな……ありがとう」
ユウの言葉にマオの震えが止まる。
いざとなったら妾がユウも含めた全員を助けるのじゃと……。
そして飛行機は……これだけのフラグに負けずに何事もなく福岡に辿り着く。
それもそうであろう……飛行機事故で死亡する確率は2016年で468万分の1と言われている。
安全のためのメンテナンスが完璧な日本だけに絞れば更に確率は低くなるかもしれない。
世界各国の飛行機事故の大半はヒューマンエラーだと言われている。
メンテナンス不足や親会社の資金不足、パイロットの練度不足や根本的なミスである。
しかし、日本ではこれらのミスが起こらないように徹底されたメンテナンスとパイロットの訓練が行われ、ルールも厳格化されている。
その為にヒューマンエラーの起こる確率が極めて低いのである。
こうして世界一安全かもしれない乗り物を堪能した2人は福岡空港に降り立つ。
電話で巫女と連絡した2人は空港の前にある駐車場に向かった。
不意にクラクションが鳴らされてそちらを見ると軽自動車の窓が開き、そこから顔を出した巫女が手を振って2人を出迎えるのであった。
いま現在での日本での航空旅行は本当に安全だと思います。
他国の会社を使う場合も基本は安全だと思いますが、中にはとんでもないミスがあるので(燃料ケチって足りなくなって落ちたとか、機長が息子に操縦させて落ちた等)利用する場合は少し調べてみた方がいいかもしれません。