ナコと八起子の上野デート 1
キャラ説明
八起子:フリーからくじよじ所属のVに転向。
元は売れないV活動を続けていたので自分に自信が無い
ナコ:福岡出身のくじよじ所属V。
週6のバイト活動の合間に配信しているバイト戦士。
八起子と同期。
6/1 9:20 配信回では無いのでタイトルの#を消しました。
後書きを追加しました。
「動物園に行きたいっス!!」
「え?ええ??」
同期コラボの打ち合わせをしていたある日のこと、突然ナコが叫び出す。
そしてアレよアレよという間に2人は上野にある動物園までやってきていた。
「いや〜実は動物好きなのにここには来たことが無かったんスよね。
付き合わせて悪かったっスね」
「いえ……私も来たことがありませんでしたから。
それに……と、とも……誰かと遊びに来るなんて思わなかったから嬉しいですよ」
「ふーん、それなら良かったっス。
それじゃ早速見て回るっスよ」
一瞬友達と言いかけた八起子だが、果たして自分とナコは友達なのかという疑問がわく。
友達と思っているのは自分だけで向こうは只の同僚としか思っていないんじゃないかと考えると、その言葉は喉元で引っかかってしまった。
もちろんナコが友達でもない人物をこうして遊びに誘う人じゃないことは分かっている。
単に自分に自信が無い……それだけのことなのだ。
入り口近くにあるパンダを見てみようと思った2人であったが予想以上に人が多く後回しにする事にした。
そこでナコはここに来てからずっと浮かんでいた疑問を口にする。
「ナコが背中に背負ってる聖なる闘士が背負ってるクロスの箱みたいな物は何なんですか?」
「ああ、昔の漫画っスね。
自分あれ好きだったんスけど蟹座だったから弄られてたんですよね。
蟹座の扱い酷く無いっスか?」
「私も魚座だったので扱いは良くありませんでしたね。
ただ、女の子だったから特に何か嫌な思い出もありませんでしたが……同じクラスの魚座の男子はオカマだ何だと弄られていましたね」
「あれは双子座と乙女座が勝ち組っスかね。
血液型占いや星座占いと違って一生付き纏ってくるから困りものっスね」
「ふふふ、そうですね」
この時点で話がすり替わり八起子の質問は有耶無耶になっていたのだが、巧みな話術を持って話題を次々と入れ替えながら会話を続けるナコのお陰で疑問に思うことはなかった。
♢ ♢ ♢
1時間ほど歩いて回った2人は休憩場所を見つけ椅子に座る。
購入したドリンクと軽食をつまみながらも話は止まらない。
「東京の動物園は大きいっスけど福岡の動物園も負けてないんスよ」
「福岡にも動物園があるんですか?」
「もちろんあるっスよ。
福岡の動物園はそれなりに広いんスけど小山の上にあるんでアクセスが悪いのと、見て回るのに坂が多いのが難点っスけどね」
「それは疲れそうですね……ここでも1時間歩いただけで少し疲れちゃいましたし」
「でも、植物園も隣接されててそこは坂は少なめっスね。
季節の花々があちこちにあって落ち着いてデートするには良い場所かもしれないっス。
子供の頃は良さが分からなかったっスけど、今なら楽しめると思うんスよね」
「ふふふ、素敵そうな場所ですね。
私も行ってみたい」
「じゃあ、連休が取れたら一緒に福岡に行ってみるっスか?」
「私が一緒に行ってもいいんですか?」
「何言ってるんスか。
自分らは友達を通り越した親友っスよ。
一緒に行った方が絶対に楽しいっス」
ナコの言葉を聞いた八起子は自分の心臓が激しく動いたのを感じる。
自分の事を友人どころか親友だと言ってくれた彼女の言葉が嬉しかった。
だが、それ以上に自分には出来なかった事を自信満々に言う彼女が眩しかった。憧れた。
休憩が終わるまでずっと話していたのだが、ナコは正直その後にした会話の殆どは覚えていなかった。
キャラクターが増えてきたので前書きで軽くキャラの紹介を入れるようにしました。
当時は星座カースト制度というものがありました。
作者の星座は射手座で故人から主人公が使うものという劇的な勝利を得たものです。