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#ASMT配信 ゲストはダンディなおじさま 4

「さて、私が最後ですか。

江戸の食文化の話になっていますので折角ですからそちらの方を掘り下げてみましょうか。

現代では高級魚ですが当時の江戸では下賤な魚として平民にだけ食べられていた魚をご存知ですかな?」


「え?何だろう?」


「魚と言われたら微妙ですがパッと思いついたのはサメですわね。

フカヒレは高級食材ですが、当時好まれて食べられていたかどうかまでは分かりませんから」


・なるほど

・うーん?って感じだな


「フカヒレは既に存在していたようですが、こちらは専ら中国への貿易品だったようですね」


「マオちゃんは分かるんですか?」


「もちろんじゃよ。

だから黙ることにしておる」


「じゃあ、私が。

高級魚の名前を挙げていけばいいのでしょうが、鯛は普通に食べられていたと思いますね。

そう考えるとマグロ辺りでは無いでしょうか?」


・あ〜

・なんか聞いたことあるような

・確かに


「蝶子さんは鋭い洞察力をお持ちですね。

その通り、マグロです。

いま現在ではマグロは高級魚、とりわけトロは超高級食材として知られています。

ですが、当時のマグロはそのような扱いを受けず値段は二束三文。

トロに至っては脂の多さから好んで食べられずに畑に撒かれていたと言われています」


「勿体無いですわね。

マグロもトロも好物なのですが」


「そのような経緯から生まれた庶民の料理がネギマ鍋です。

焼き鳥のネギマはここから来ているのですが、本来は鳥ではなくネギとマグロでネギマという名称なのです」


「ああ、そうだったんだ。

間にネギが入ってるからネギ間だと思ってた」


・自分もそうだとばかり

・マグロのマだったんや


「ネギマ鍋とは元々は油の多いマグロをどうにか利用できないか考案された料理でして、名前の通りに鍋の出汁にネギとマグロを入れて楽しむのですね。

この時もマグロの脂は鍋に溶け出してボソボソになる為に好んで食べられておりません。

主役は脂が溶け出して濃厚になった出汁をたっぷり吸ったネギだったと言われています」


「鍋のネギ……美味しいよね」


「あれはたまらんばい」


「若い頃は分かりませんでしたが、大人になって分かる味というものですわね。

私も大好物ですよ」


・分かる

・歳を重ねて美味く感じるようになった

・ネギはマジで美味い


「他に違いとして主に仏教が信仰されていたので肉料理はかなり少なかったようですね。

鳥、魚料理は食べられていたようですが……ちなみに江戸時代は野生の鴨や雉、将軍家では鶴が好んで食べられていたようです」


「牛も大事な家畜じゃし、殺すとなれば年老いて肉の硬くなっておるじゃろうからの。


「乳牛も江戸時代から既にいたようですが、あくまで将軍家への献上品であり庶民の手に届く代物では無かったようですね。

将軍家では酪という今で言うチーズのようなものが食べられていたそうですよ」


・乳牛いたんだ

・チーズあったのか

・牛乳は……今みたいな殺菌機材無さそうか


「さて、私の話もこの辺で切り上げましょうか」


「結構話し込んじゃったから良い時間になっちゃったわ」


「今宵は大いに盛り上がりましたわね」


「うむ、さすが三国教授じゃな。

聞き方が上手く、ワンポイントを取り上げて話を盛り上げてくれ、尚且つ皆の良いところを見つけては褒めまくっておったから気持ちよく会話出来たのじゃ」


「私が昔やっていた飲み屋に三国教授が来られたらキャストの女の子から引っ張りだこになっていたでしょうね」


・凄いわ

・これが大人の男性か

・憧れるわ


「皆さんが褒めるところの多い素敵な女性だったからですよ。

ですが私もそう言われて悪い気はしませんので……本日はお招きありがとうございます」


「こちらこそありがとうございます。

さて、今日はお開きにするけど概要欄に各チャンネルのリンクあるから三国教授含めて全員登録しておくこと。

後、高評価もよろしくね」


「それでは今日はこの辺りで終わるのじゃ」


「今日は教授も招いているので大人っぽく別れると致しましょう」


「今日はご機嫌ようでお別れしますので三国教授も同じようにお願いします」


「分かりました」


「それでは……」


『ご機嫌よう』


・ご機嫌よう

・ごきげんよう

・ごきげんようですわ

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