アバターと中身のズレ
Vの世界においてユウやマオのように中身を見てから外側を拵えるというパターンの他に、予めこのような感じのキャラクターとして発注しておいて、その外側に後から採用した中身を入れると言う事も少なくない。
前者の方が差異が無く良いのは分かっているのだが、こちらはデビューまでに非常に時間がかかるからだ。
その点で予めアバターを用意しておけば配信環境を整えさえすればすぐに配信は可能となる。
チャンネル開設後の収益化に関してもマニュアルが出来ている箱ならば大きな時間はかからないだろう。
しかし、配信というものは仕事と比べると実生活の一部に組み込むことが多く、余程の覚悟が無ければ仕事とプライベートのオン/オフの切り替えは不可能だろう。
そうして中の人の本性が段々と露わになっていくのだが決してマイナスな事ばかりではない。
この際に発生するギャップが素晴らしいと新たなファンが増えることもあるのだ。
これはある意味で新たな市場の開拓であり、当初のキャラクターじゃないと嫌だと言ったファンは減るものの、新たな市場というのは明らかに今までの籠っていた市場よりも大きい事が多い。
また、そのキャラクターを貫き通せというファンの中にはかなり過激であり本人にすら迷惑をかかる人間が少なからずいる。
その手の人間は行動と声だけは大きいので目立ってしまい、本人や周りからも煙たがられる傾向にある。
言い方は悪いがその手のファンに対して、私の本当の姿はこちらだから気に入らないなら他所に移ってくださいと切り離すことも出来る。
かなりメリットがあるこの行為なのであるが、やはりデメリットもある。
最初のキャラに惚れて行儀良くしてくれたファンを切る可能性があること。
新しい市場を開拓できずにただファンを減らしただけに終わるもの。
何より1番のデメリットは初回のキャラクターを作ったぶりっ子放送が黒歴史として残って延々と弄られる事であろうか。
周年記念などで初配信を見返す配信などやろうものなら心に耐え切れないほどのダメージを負うものも少なくない。
くじよじ所属でユウ達の先輩に当たる人物、参道理世もそのタイプである。
シンデレラをモチーフにした彼女は、いつか王子様に出会うために貧乏な家の仕事を手伝う健気で努力家な女の子……という設定であった。
それが現在はどのように変わったのか?
彼女の初配信と初配信を同時視聴するという配信を見ていくことにしよう。
ユウとマオに関しては初配信からズレは殆ど無いという設定です。