#勇者の挑戦 人生と悪意 4(マオのサポート付き)
<勇者編>
「おお、なんか武道会の決勝から始まった」
「この大会に優勝すると姫と結婚できるらしいのう。
剣士がユウで魔術士が幼馴染で決勝の相手らしいのじゃ」
・遂に始まったか
・このシーンからか……
「お、なんか適当にやってても勝てたよ」
「チュートリアル戦闘じゃからのう。
無事に姫と婚約じゃな」
・勝っちゃったか
・勝ってしまったか
「祝勝会の後にバルコニーで愛を誓い合う主人公と姫様……王道だねぇ。
って、思ったら魔物に姫様攫われたんですけど!」
「王様に報告したら魔王が復活したから倒してほしいって。
かつて魔王を封印した勇者もまだ生きているから手を借りてきてくれと」
「その旅に先ほど倒した幼馴染の魔術士もついてくるそうじゃ。
何とも心強いのう」
「この世界の魔王はウチのと違っても悪い奴っぽいから頑張って倒しにいくよ!」
♢ ♢ ♢
「元勇者と昔の仲間だった僧侶のおじいちゃんも仲間にして前衛2 攻撃魔法1 回復魔法1の理想の4人PTでいよいよ魔王戦!!」
「頑張るのじゃぞ」
「そこまで苦戦することないかな?
魔王って割には弱かったね。
これでお姫様救い出してハッピーエンドかな?」
「まだ続くようじゃぞ。
姫は見つからぬし今のは魔王ではないじゃと!?
しかも元勇者は身体に負担がかかり過ぎて死亡。
魔王城の罠で幼馴染も行方不明……どういうことなのじゃ?」
・勇者編始まったな
・ここからが本番
「とりあえず城に戻って姫様と魔王がいなかったことを報告。
それでも脅威だった魔物を倒したから英雄扱いだ。
怒涛のイベントで疲れたから今夜は城で休ませてもらおう」
「むむ、夜中に目を覚ましたのう。
そのまま少し外に出てみるかの」
「え?なんで城の玉座に魔王がいるんだよ!
ここで倒しちゃおう」
「嫌な予感がするんじゃが……やらねば進まぬか。
しょうがないのう」
・やれ!
・倒すんだ!
「なんか大して強くなかった……って、何これ?
戦闘が終わったら魔王じゃなくて王様が倒れてるんだけど」
「どうやら何者かの罠にかかってしまったようじゃな。
僧侶と一緒に牢屋の中じゃな」
「出してーって僧侶のおじいちゃんが魔法で出してくれるらしい。
魔王の住む山に何か秘密があるはずだって」
「命を賭して脱出させてくれたのう。
勇者から追われる身になったが散っていった仲間のために勇者の使命を果たさねばな」
♢ ♢ ♢
「更に敵が強化された山を登り切って偽魔王がいたところまで来たけど……なんでお前がここで出てくるんだよ幼馴染!」
「……なんと……魔物が姫を攫った所までは本当のことじゃった。
しかし、偽魔王を倒した後に城の崩落に巻き込まれた振りをして今までのことを画策していたとは」
「許せないね、何が自分に詫び続けろだよ。
サクッと倒しちゃうよ!」
・あの世で俺に詫び続けろ!
・名言きたわ
・クズすぎw
「やっと決着が着いて姫様も見つかったのう。
姫を連れ帰って誤解を解いて貰えば決着じゃな」
「ちょっと、姫様何で幼馴染の方に行くの?
婚約者はこっちだよ」
・来たな
・三代悪女の一柱がよ
「な、なんじゃ?
幼馴染の方に肩入れした姫が罵詈雑言浴びせて自殺してしまったぞ?」
「え、何この展開?
ちょっ、勝手に主人公動き始めたんだけど」
「魔王など何処にもいない。
ならば、己が魔王となりて自分勝手な人間達に鉄槌を下さん。
勇者が魔王になってエンディングじゃと……」
・とんでもない展開だぜ
・王道なんて無かった
・このシナリオやると人間滅んだ方がいいってなる
「なんかやるせないし他人事だと思えないよね。
僕達の世界にも魔王はいたよ。
でも、それは魔族の王ってだけで物語に出てくるような悪の化身じゃ無かったから」
「それで言うなら物語に出てくるような勇者もいなかった事になるのう。
勇者と魔王はセットになっておるものじゃ。
どちらかがいなくなれば存在理由もなくなるじゃろうて」
「僕達はそうした称号を捨ててこの世界で普通に生きることを選択することができた。
それって凄く幸せなことだったんだね」
「そうじゃな。
このゲームの主人公のように勇者の使命を無くし、友情も愛も尊敬の念を抱く人物も失い、戻れば王殺しとして投獄されて普通に生きることも許されない。
そのような状態になったら全てを壊してしまいたくなるかもしれんのう」
「ちょっと衝撃が大きいし考えさせられることもいっぱいあったからこの辺にしておこうか」
「そうじゃのう。
続きはまた今度にするかの」
・おつかれさま!
・ここまでよく頑張った!
「みんなも長時間付き合ってくれてありがとう!
チャンネル登録と高評価良かったら押していってね。
概要欄にマオのチャンネルもあるからよろしく」
「皆もゆっくり休むのじゃぞ」
『おつかれ〜』
・おつかれー
・おつかれ
・おつかれぇ
このエンディングは当時プレイして衝撃を受け、今でも心に残っています。
このシナリオとグローリーなヘラクレスの3作目は私自身に強い影響を与えたと言っていいかもしれません。