#三国教授の歴史講義 西遊記編 1
5/7 13:30 サブタイトルを一部変えて後書きを追記しました。
2023/06/06 誤字報告受け付けました。
いつもありがとうございます。
「皆さん、こんばんわ。
本日も講義を聞きに頂きありがとうございます。
今日もゲストとして愛弟子とも言える田中マオさんをお呼びしております」
「三国教授の一番弟子、田中マオじゃ。
よろしく頼むぞ」
・楽しみにしてた
・今日は何の話だろう
「今日はですね四大奇書について語りましょうか。
マオさん、四大奇書についてはご存知ですか?」
「三国志演義、水滸伝、西遊記までは分かるのじゃが後一つは何じゃったかのう……こ、こ、紅楼夢じゃったか?」
「実に惜しい……そちらは現在新しく加えられて四大名著と呼ばれる方ですね。
奇書は三国志演義、西遊記、水滸伝、金瓶梅です」
「おお、そうじゃったのか!
どうにも前三つと比べるとインパクトがのう」
・あれ?封神演義は?
・確かに!封神演義は聞いたことがあるぞ
「コメントが良い意見を言っておりますね。
封神演義は我々日本人には漫画やアニメにもなっていて馴染みが深い作品だと思われます。
しかし、あちらでは徹底的に排除されているのです。
これは何故かと言うと儒教が関係しているからですね。
太公望の逸話は儒教にとって必要ないものが多かったわけです。
そこで太公望が主人公である封神演義という作品を排除していったという経緯があるわけですね」
「あちらでは根強く広まっている思想や価値観じゃからのう。
むしろ日本のようにあらゆる思想や宗教が渦巻いている国の方が珍しいのじゃろうが」
・たしかに
・これだけ自由な国もないよな
「ここで誤解しないでほしい事があるのですが、儒教を嫌う方々もいますが思想自体は悪いものではないのです。
問題なのは思想を自分の解釈でねじ曲げて自分たちの都合の良いように使うもの達ですね」
「ふむ、本題とは関係無いのじゃろうがその話は詳しく聞いてみたいのう」
「そうですね。
例えば歳上を敬いなさいという考え、これ自体は悪いものではないでしょう」
「うむ、先人に学ぶ事は多い……歳を重ねた者達はそれだけ深い経験というものを持っておるからのう」
・たしかに
・それは大事
「しかし、この考えは歳の若い者たちが自主的に敬うのが大事であり、敬われるような態度を歳を重ねた者が取るというのも大切な筈です。
ですがこれを利用して私は貴方達よりも歳が上なので無条件に敬い言うことを聞きなさいという態度を取られては話が違うと思いませんか?」
「そうじゃのう……そのような者は尊敬するに値しない人物として距離を取ってしまうかのう」
・いるよな、そういう人
・いるわ
・上司が正にそれ
「徳の高い思想を広めると言うのは素晴らしいことです。
しかし、それを意図的でも意図的では無いにしても間違って捉えないようにする為に教育というものが必要なのです」
「なるほどのう……気高き思想もそれを正しく理解してこそと。
その為に教育というものが重要になるということじゃな」
・理解する頭が無いとダメってことか
・教育って大事なんだな
「教育を間違えると国が滅ぶとまで言われているくらいですし、歴史を紐解けばそのような事例は幾らでも発見できることでしょう。
過去の失敗や成功を参照して活かす為にも我々は学ぶ必要があるということですね」
「妾もまだまだ勉強せねばならぬということじゃな」
「生きるという事は学び続けることだと私は思いますよ。
さて、話が脱線しましたが本題に戻りましょう」
・よし、真面目に勉強するぞ
・三国教授の講義は為になるな
前話との話の真面目さの差が酷いですね。
三国教授の講義は作者の趣味の範囲での解説ですが無駄知識を持ち帰って頂くと嬉しいです。