#田中家の妖怪退治 2
「妖怪退治しながらでも雑談は出来るやろ。
これプレイしてて思ったんやけど……ユウちゃんは刀って実際に使ったことあるん?」
「刀は無いかな。
僕が現役だった時って剣か素手だったから。
そもそもあの世界に刀ってあるの?」
「魔族は基本的に武器は持たぬから刀など見た事ないのう。
ルーナならば詳しいのでは?」
「ガード!砲撃!ガード……って、刀ですか?
あの世界にはありませんわね」
・急に冷静になるなw
・刀が無い世界なんだ
・和の文化が無いのかな?
「やっぱり刀は無いんやな。
それより気になる事が一つあったんやけど剣は分かるけど素手って何?」
「旅の最初の方は剣を使って戦ってたんだよ。
それでレベルみたいなのはあったんだろうね。
どんどんと強くなっていったんだけど……ある日剣が折れた」
「ふむ……妾に報告された文書にもその話はあったのう。
ある日突然勇者が素手で戦い始めたと」
「その後、他の剣を試してもすぐに折れるんだよ。
新しく丈夫な剣なら少しは耐えられるんだけど、それも僅かな時間。
それともう一つ理由があって、折れる前の剣より素手で殴ってた方が効いてた。
これはこのゲームみたいに斬撃とか殴打の耐性のせいとは違うと思うな。
だって敵全体等しくにダメージ与えてたから」
・なるほど
・折れる剣より素手のが強いなら素手一択だわな
・素手最強伝説
「これ内部のデータを全て把握してるルーナなら分かるんやない?」
「全弾発射!ガード!リロード!妖滅砲!!……って先程の続きですか。
内部のデータとかゲームではないのですが、そこに合わせた方が話は通じそうですね。
仰る通りに武器には耐久値と言うものが設定されております。
これはRPG風に言うと武器の攻撃力=耐久値と言う方程式です。
またRPGのように力+武器の攻撃力ではなく、あの世界のダメージ算出は武器の攻撃力のみ換算です。
例えば攻撃・耐久が15の剣があるとしましょう。
この剣で殴った場合のダメージは力のあるなし関わらずに15として扱い、そこから防御やガードから減らす方法です。
そこにレベルが上がって力が20になったユウが剣を振るったとしましょう
この場合耐久力の15を上回っているので剣は粉々です。
また、直接敵を殴った場合は力の20の数値です。
だから強いと思ったのでしょう」
・なるほど???
・ふむふむ
・ふむ?
「つまりどう言うことだってばよ」
「ゲームとは違って力と剣の強さで加算される訳ではないということですよ。
鉄を砕ける拳を持っているのに鉄の剣を振るうのはナンセンスでしょう?」
・たしかに
・そりゃ拳の方が強いわ
「ふむ……確かに一理あるのう。
しかし、妾との戦い時は剣を用いていたのう」
「あれは伝説の剣だったんだけどマオとの戦いまで抜けなかったんだよね」
「昔の女神が何を考えていたか知りませんが、あの剣はそのように作られていたようですね」
「昔のって……それもお主じゃろうに」
「こちらに来てから別人格になったと言っても過言では無いですからね。
今の私は異界の女神というよりは田中ルーナですよ。
さ、お喋りしてる間に倒しちゃいましたよ」
「何だろう……このゲームのルーナ頼りになりすぎる」
・俺の知ってる女神じゃない
・ポンじゃないだと!?
最近リマスターが出た技が閃くゲームも加算ではないので最終的に素手のが強いんですよね。




