表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

219/1560

くじよじの最低ラインを保つ者

バーチャル配信者の活動をサポートしマネージメントしている会社『くじよじ』


この会社には多数の配信者が在籍しており、皆が切磋琢磨しながら日々の配信活動を行なっている。


本業が様々な人間がいること、会社の方針が寛容である事から方向性が全く別に向いている配信者も多数いる。


中には配信を支えている配給会社の規約ギリギリを攻める者もいるのだが、それだって一瞬そのラインに触れるか触れないかという具合であり、概ねは安全圏内での配信を心掛けていた。


しかし、くじよじの中に1人だけ常にラインギリギリを攻め続け、どこまでOKなのか?

という最低ラインを更新し続ける女性がいた。


彼女の名前は神使巫女(かみつかみこ)


名前から分かる通りに巫女服を着た黒髪の美少女であり、見た目からは清楚が溢れている。


口調も丁寧で笑い方もお淑やか、更に本当に実家が神社で巫女をやっているという本物さが話題性を呼んだ。


彼女は天照子や北乃修羅の一つ下の後輩であり、上2人が配信上で大暴れをしていた事も相まって清楚を求める人達は挙って彼女の元を訪れた。


人々は彼女の天使のように柔らかい声に癒され、その清楚さに普段の現実社会のストレスを緩和させていき、SNSでも真の清楚降臨!


これは推すしかないと話題になっていた。


そんな彼女に異変が起きたのは一ヶ月記念の配信であった。


自分の趣味を聞かれた巫女は神社の清掃や参拝客の案内が趣味のようなものだと答えてリスナー達を和ませていた。


しかし、そう言えば昔から一つやり続けている趣味があり、一ヶ月記念もあって公表しちゃいます!


と高らかに宣言した。


リスナーは歌かな?


ほのぼのゲームかもしれないな?


ライトではない小説かもしれないぞとワイワイと何が飛び出すか当てる事で盛り上がった。


中には某ゾンビゲームやFPSなど実は過激なゲームが趣味かもしれないと大穴を狙って予想する者もいた。


その予想はある意味で当たっていたかもしれない。


「この関係のゲームをずっとやっていて本当に好きなんですよ!」


そう言って彼女が取り出したのは過激なビキニアーマーに身を包んだ女戦士が主人公のゲームであった。


いわゆる大人しか買えない同人ゲームのRPGであった。


余りに予想外の展開に先程まで楽しそうにワイワイ騒いでいたコメント欄は一時停止している。


そんな事はお構いなしストーリーの良さや女の子の可愛さを嬉々として語り出した。


そして、普通のRPGではダメなのかと問うリスナーに対して


「この手のゲームは気軽に身体を売ると楽に攻略できるようになっています。

また、敵に倒されても汚されるだけでゲームオーバーになる事は稀です。

しかし、私はそうした誘惑を全て払い退けてヒロインに清さを保ってもらったままクリアーする事を目標としているのです。

それはとても険しい道のりです。

しかし、私はその苦難の道を敢えて選ぶことに充実感を覚えるのです」


そう語る巫女の声は今までの天使の声に加えね悪魔のような妖艶さを伴っていたと言う。


この衝撃の配信は#神使巫女の趣味でトレンド入りを果たし、切り抜き動画は多数の人間が視聴することになった。


しかし、これは彼女の活動の序章に過ぎなかった。


何と、くじよじから許可を得てそのゲームの配信を始めてしまったのだ。


そう……大人のゲームとは言え負けたり、その選択をしない限りはセクシーな画像は出たりしない。


半裸などの少し過激な映像が出るところは予め把握しておき、自身のアバターを大きくして中央に置いて隠すことで対処した。


神使の苗字、神がかったタイミングでの隠すことからこの行為は『神隠し』と命名されてコメント欄やSNSを大いに賑わせた。


そんなギリギリのラインを攻め続ける神使巫女の新たなチャレンジを今宵見ていくことにしよう。

大人向けのゲームでもその手のシーンを発生させずにクリアーすれば配信できるはず!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 誰が元ネタか1番わかりやすい女
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ