#三国教授の三国志講座 ゲスト:田中マオ 3
「さて、もう少し漫画では語られない三国志時代の歴史というものを見ていきましょう。
演義では主役として扱われる劉備。
その影響によって三国志の主人公といえば劉備玄徳であるというのが一般の認識です」
「他の作品やゲームでも基本的に劉備か蜀陣営が主役として書かれることが多いのう」
「ですが、この時代に最弱から駆け抜けて最強に至り、死ぬまで強敵と戦って後世に影響を与えた真の主役といえば曹操孟徳です」
・敵ってイメージが強い
・独裁者ってイメージ
・そんなに凄いの?
「曹操と言えば劉備の終生のライバルと思うておるのじゃが・・・その強敵が劉備なのかの?」
「いえ、劉備は敵ではありましたが違います。
曹操が相手にした敵にしてはあまりに小さすぎます。
曹操が戦ったもの、それは中国に伝わる考え方・・・思考そのものを変えようとしたと言って良いでしょう」
「思考を変える・・・妾も魔国を変えるときにそれまでの文化や考え方を変えさせたが似たようなものかの?」
「そうですね、確かマオさんは力が全てという世界に手を取り合う事を教えたと聞いております。
この時代は逆であり、力・・・権力ある者が才能のある者を見出して上に引き上げるという事が行われていました。
簡単に言うと要職に就いた者の推薦を受けてその下の職を充てがわれていたわけですね。
清廉潔白な者が行えばこのシステムはとても良いでしょう。
しかし、人間はそこまで清廉潔白に生きて国の為に忠を尽くせるものでしょうか?
マオさんならこの意味と問題点が分かると思いますが」
「つまりは賄賂が横行するということであろう。
金で要職を買えてしまうのは腐敗の原因であろうな」
・なるほど
・推薦枠を買うのか
・今ほど賄賂に厳しく無いだろうしな
「その通りです。
また、犯罪を犯すような輩は一片の才能のカケラも無いと看做されておりました。
これについてはどう思いますか?」
「本人の善悪に才能は関係ないじゃろう。
むしろ悪知恵が働く分普通の人間の思考とは違う考え方やアプローチをしてくるかものう?
犯罪者が無能なら世界でここまで犯罪が横行しておらぬわ」
・たしかに
・無能なら全員捕まって牢屋行きだもんな
・偶にビックリするくらいバカな犯罪者もいるけどな
「素晴らしい回答ですね。
現代では当たり前の考えですが、当時の中国ではそうでは無かったのです。
しかし、現代と同じ考えで人材を求めようとした人物。
それが曹操孟徳なのです。
彼は出自や犯罪の履歴など一切関係なく才能があれば重く用いると布告しました。
結果、彼の元には清濁様々な人材が集まったのです。
ですが、これは当時の中国の思想と相反する為に反感を買います。
彼らは自分たちの地位が脅かされるのを嫌った者達ですが、同時にこれまで権力を駆使して己の地位を守ってきた妖怪とも取れる人物達です。
彼らとの戦いこそが曹操が人生で最も長く苦しい戦争だったと言えるかもしれませんね」
・はえー
・人材マニアだもんな
・牢屋にいる人材も勿体無いか
「あの魏国の繁栄の裏にそのような話があったとは・・・実に面白い。
これは歴史を勉強し直す必要があるようじゃ」
「この時に世界の動きも合わせるとより深く理解が出来るかもしれませんね。
歴史とはその国だけで動いていたわけではありません。
一つ国の歴史はパズルの1ピースに過ぎないのですよ」
「金言じゃな。
今日はとても良い勉強が出来て楽しかったのじゃ」
「いえいえ、こちらこそ優秀な生徒を相手に出来て楽しかったですよ。
また是非コラボをしましょう」
「うむ、こちらこそよろしく頼むのじゃ。
妾のリスナー達も三国先生のチャンネルブックマークと高評価押してあげるのじゃよ」
「これはこれは宣伝ありがとうございます。
概要欄かはマオさんのチャンネルを貼っておりますので私の生徒達もよろしくお願いしますよ。
それでは、今日はこの辺で。
ちゃんと復習しておくのですよ」
・おつかれさまです
・勉強しなおします
・今日も面白かった
曹操孟徳という人物は知れば知るほどに価値観が現代人に近く、当時の中国の思想から逸脱しているんですよね。
正直タイムスリップして未来からやってきたと言われても違和感が無いレベルです。
三国志の話しは熱くなり過ぎるので今回はここまでで。
また、語りたい欲が出てくると三国教授が出てくるかも?