#蝶子の部屋 〜ナコゲスト回 2〜
恋バナ(ハード)回です。
「次の質問なんだけど
『蝶子ママ、ナコさんこんばんわ!
お二人はお酒を取り扱う仕事をしていたそうですが、どのような仕事をしていたのでしょうか?
また、仕事で起こったトラブルなんかも教えて欲しいです』
ということなんだけど仕事内容は結構話しちゃったわね。
トラブルの方を話していこうかしら」
「確かに先に話しすぎちゃったっスね。
会話が盛り上がってるって事で許して欲しいっスよ」
・うんうん
・全然いいよ
「私の方はありきたりだから先に話してしまおうかしら。
よくある話だけど本気になって言い寄って来た男の人がいたのよね。
この業界で言うところのガチ恋というものの悪い方のイメージしてくれたらいいわね」
「ガチ恋も熱心なファンという意味ではいいんスけどね。
アレをして欲しくないとか束縛し始めるのは悪いファンになってるから気をつけるっスよ」
・了解!
・気をつけます
・自由に伸び伸びやってほしいよな
「そのガチ恋客も普通の男性だったなら愛想が良いのは営業なの、ごめんなさいねで終わってたんだけどね。
それで分かってくれないなら出禁という最終手段もあるわけだし」
「そうじゃないってのは何かあったんスか?」
「その人は既婚者だったのよ。
それで奥さんが旦那の浮気相手は誰だって乗り込んできちゃって」
・修羅場じゃん
・この世の地獄だ
・ハード
「それは厄介っスね。
正直、家庭の問題に巻き込んでほしくないんスけど」
「正にそれよ。
結局、浮気相手にはなってない只の店員とお客の関係ってのを他の従業員や常連も証言してくれて落ち着いてくれたから良かったんだけどね」
「それで冷静になってくれて良かったっスね。
頭に血が昇ると人の話を聞かない人も多いっスから」
「でも冷静になったら今度は旦那と奥さんと私で話すことになってね。
旦那の不満と奥さんの不満をすり合わせてお互いの改善点を出してとことん話し合わせたわ。
その上で喧嘩した後はその出来事よりも楽しかった思い出を考えて仲直りできるようにしなさいって怒ったのよ。
最後は2人で手を繋いでお礼を言って帰っていったから良かったけど、こんな経験は2度とゴメンよね」
・人生相談室になっとる
・大団円になってるのしゅごい
「自分も似たような事を言ったことあるっスね。
お店のトラブルではないんスけど話していいっスか?」
「もちろんよ。
聞かせて欲しいわ」
「地方のライブバーだったんで上京目指して音楽やってる子達が多かったんスよ。
その中で1人上京した子がいたんスけど恋人も付いていったんスよ」
・あるある
・大抵別れるパターン
「上京した子は男の子だったの?」
「そっスね。
付いていった恋人はバーの同僚で年下だったから自分の事を姉みたいに慕ってくれてたっス。
でも、上京して音楽やりながら生活って厳しいんスよ。
生活費稼ぐのに熱中すると音楽活動出来ない。
音楽活動に熱中すると生活費が稼げない。
彼女も頑張って働くけど恋人同士の時間が作れない。
とにかく余裕が無くて精神がすり減っていくっス。
コメントにあった大抵別れるのはこれが原因っスね」
・なるほど
・詳しく分析してるな
「なるほど。
そんなんじゃ長続きしないわね」
「そうなんスよ。
上京したミュージシャンが負けて戻ってきた時に必ず言う言葉が『東京は人の住む所じゃない』なんスけど、自分住んでみるとめちゃくちゃ楽しい場所なんスよ。
でも、それはバリバリ仕事して稼いだ余裕のある部分であちこち遊びに行ってるからなんスよね。
上京した子達は仕事、音楽活動の2つでしか活動してないから、そんな言葉が出てくると思うんスよ」
「確かにあちこち遊びに行けば楽しい場所だけど、その楽しみが無ければ只の物価が高い場所ってことよね」
・なるほど
・俺の友人も東京は云々言ってたわ
・分析すげー
「ちょっと脱線したっスけど、そうやって疲弊していくから喧嘩も多くなるっスよ。
それである日彼氏の方から電話がかかってきたんスけど、何かと思ったら喧嘩して彼女が出て行って連絡付かないから自分の方から連絡して説得して欲しいって言われたんスよ。
その場にいない自分にっスよ?」
「確かに東京で知ってる彼女の友人に連絡取る方が普通な気がするわね」
「まぁ、彼女の方が懐いてたから自分の話は冷静に聞いてくれると思ったそうっスけど。
実際にその判断は正しくて話を聞いてくれたっス」
「あら、じゃあ判断間違ってなかったじゃない」
「そうなんスけど、何百キロと離れた場所にいるカップルの喧嘩に巻き込まれてるのは如何なものかと思っちゃうっス。
別れようか悩む彼女に相手との思い出を思い出すべきだと。
悲しい、辛い思い出の方が多いなら別れなさい。
楽しい、幸せな思い出の方が多いなら付き合い続けなさいってアドバイスしたっスよ。
彼氏に説得頼まれたっスけど無理やり関係続けさせてもいい事ないっスからね」
・名言だわ
・いい事言う
「確かにそうよね。
結局は彼女の意思次第って事ね」
「後から彼氏から電話かかってきて無事に帰ってきました。
仲直りもしたんでありがとうございます!
って連絡きたんスよ」
「あら、良かったじゃない」
「その後は結局別れちゃったっスけどね」
「そうなの?
でも、そんなものかもしれないわね」
「男女の関係なんてそんなもんスよ。
彼女の方はスパッと忘れて地元に戻ってすぐに結婚したっスけどね」
「こういうのって女性の方が逞しいわね」
「というのが自分の似たような話っスね。
長くなったけどトラブルの話にいくっスか」
・前菜がハード
・ドラマの1話分のボリューム
何度も話してますが基本は実体験です。