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川崎の狂犬を愛でる 1

ある日の夕方、気になるアニメを消化していたユウ。


「ユウよ……おや、アニメを鑑賞中じゃったか。

それなら勝手に借りていくからのう」


途中で部屋にやってきたマオは、部屋にあった機材を持ち込んで去っていった。


配信中だった彼女だが、ユウはアニメ1クール分を見ていたので、マオの配信の方が先に終わってリビングで寛いでいた。


それから少しして、アニメを全て見終わったユウがやってくる。


「おや、見終わったのじゃな。

面白かったかの?」


「マオ‥‥いまの僕の心にはロックの魂が渦巻いているよ」


「……一体何を見ておったのじゃ?」


「主人公がロックの化身過ぎるアニメかな」


そう言ってスマホの画面で見ていたアニメのイメージ画像を出す。


それを覗き込んだマオは、思い当たったようで手をポンと叩くのであった。


「おお、おお、これなら何処かでポスターを見た記憶があるのう。

あれは‥‥川崎の映画館に行く時に地下街を通った時じゃな」


「ああ、この作品って主に川崎が舞台だからね。

川崎駅の前とか、ラゾーナとか、実際にある場所でライブやってるんだ」


アニメ序盤では川崎駅周りがよく出てきており、聖地巡礼がしやすいという点でファンからも好評を得ているようである。


また、この界隈は楽器店も多いということで、このバンドアニメとコラボしている様子もよく見られた。


要は陰キャな女の子がロックをやる漫画の下北沢のようなものであろう。


「ふむ、しかし……この真ん中の子が主人公かえ?

ロックバンドをやるにしては大人しそうな見た目をしておるのう」


マオが真ん中にいる純朴そうな少女の感想を呟く。


恐らくはこの作品を見る前であれば誰もが思う感想であろう。


「ああ、最初はそう思うよね。

正直、その子が一番危険物なんだけど」


「何じゃと?」


「今のところ付いている一番有名な渾名が川崎の狂犬。

他にも全方位中指製造機とか、ロックの化身とか、日本ロックの忘れ形見とか。

一番酷い言われ方だと、将来はロックか犯罪者の二択なんてのもあったね」


「いや、それは主人公に付けられて良い渾名では無いじゃろう……ロックならそれもアリなのか?

いやいや……そもそもロックとは何じゃ?」


「あ〜そこに迷うなら一回見た方がいいよ。

ロックとは何かってのは、この主人公が教えてくれるから」


そう話すユウの勧めでマオも見てみることにしたようで、もう一周したいというユウと共に鑑賞会を開くことになったのであった。

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