キャラメイクにこだわりを 1
「で、結局何買うか決めたの?」
「うう、それがまだ迷ってるんですよね」
「そもそも、値段が下がる前の商品でもポンポンと買うておるであろう。
何を悩む必要があるのじゃ?」
配信が終わった次の日、未だに激安クーポンで何を買うか悩んでいた巫女。
ユウとマオはそんな巫女の悩みにオンライン通話で付き合わされていたのであった。
そもそもの話であるが、巫女は気になった商品は値段に関係なく即ポチするタイプである。
普段は値段を気にしていない人物が、激安クーポンが手に入った瞬間に悩み始めるというのが、二人には非常に滑稽に映っていたのであった。
「確かにマオさんの言う通りに、普段気になったものは即ポチして買っていますよ。
つまりですね……今の候補にあるのは、私の琴線に触れなかったゲームなんですよ」
「ああ、気になったものは全部購入しているって事は確かにそうなるのか」
「それならばクーポンに惑わされずに使わなければ良いだけでは?」
「それでは勿体ないでは無いですか!
クーポンの割引額は8割なんですよ!!」
「確かに80%引きならそれほどまでじゃなくてもって感じはするよね。
それで、今は何に悩んでるんだっけ?」
これが少しの値引きならば巫女も心を惑わされることはなかったのであろうが、割引額は80%。
こちらが支払う額は20%で良いとなると話は別であろう。
「まず、一部の例外を除きますが基本的に同人系は除外ですね。
お値段は高くても4000〜5000円ですから」
「それでも支払う額が1000円程度になると大きいと思うけど」
「それよりも高いソフトがあると言う事じゃな?」
「そうですね。
企業が出している抱き合わせセットが良い例で、これが2万円くらいします」
巫女の持っているクーポンは一つの売り物に一回きりしか使えないクーポンである。
しかし、抱き合わせ作品はまとまっている塊を一つとして捉えてあるので、クーポンも適用される上に、一回の買い物で複数の作品を購入することが出来るのである。
「それならそれを買えばいいじゃん」
「いや、他に気になるのもあるんですよ。
最近流行りの3Dエディットゲームが」
3Dエディットゲームとは、キャラクタークリエイトにより登場する人物を好きに作成することが出来るゲームである。
自分好みの女の子は勿論のこと、有名なアニメやゲームなどの版権キャラの作成もでき、18禁ゲームなので作成したキャラとそういうことも出来てしまうのだ。
「へぇ……キャラメイクが好きな人にはいいかもね」
「実際にそう言う人に人気があるみたいですよ。
私は苦手なんですけど。
興味があるならこの手の作品の紹介でもしましょうか?」
「少し気になるのう。
聞く分に損はないであろうからお願いするとしようかのう」