#拡大する業界の話 2
「やっぱり、こういう割引クーポンが出たからには高いゲームに使った方が良いと思うんですよね」
・それはそう
・同人だとそんなに高いの無さそうだけど
「おや、今の同人業界を甘く見ている方がいますね。
現在の有名同人サークルが出しているゲームは、有名企業が出している作品とクオリティは変わらないが下手すると超えますよ。
それに合わせてお値段も高くなっていますね」
・そうなの?
・高いゲームは高いよな
「こういう同人サイトの累計売上ランキングみたいなのを見ると分かりやすいですね。
1000円から2000円くらいのものが多い中で、5000円前後する作品も割と入ってきてますよ」
・ほんまや
・一般のゲームと変わらんな
「何なら同人界隈で活動している声優さんを雇って声も入れてますし、そういうシーンにアニメーションを入れてる作品もありますね」
・本格的過ぎる
・寧ろ違いが分からんな
「この手の作品が二万本以上ダウンロードされていますからね。
しかも、販売委託先は複数に分けているので、其々に売れていると考えると……」
・かなりの額になるな
・少数でやってるなら儲けもデカいと
「因みにこの辺りの販売数が同人界隈の盛り上がり方を表していまして。
10年くらい前は一万本売れれば大ヒット作という扱いだったんですよ。
しかし、今ではヒット狙うなら一万は売れて当たり前となっていますね」
・それで大ヒットの基準が倍になったと
・市場が拡大してるなぁ
「売れてる作品なら5万も狙えますからね。
何なら10万近く売れている作品もありますし、作品によってはセリフを様々な言語に対応させた海外版も販売しているみたいですよ」
・海外でもウケてるのか
・マジで市場が大きくなってるな
「でも、逆に言うと店舗販売の市場は縮小しているんですよね。
コミケの方はお祭りみたいなものですから規模は変わってないようですが」
・確かに寅とか行かなくなったかも
・家でワンポチ、即ダウンロードが快適すぎる
「これも市場の変化といった所でしょうね。
ダウンロードであれば売れ残りを気にすることもありませんし、売り手側にも有効ですから。
今後もダウンロード販売サイトの方は益々伸びていくと思いますし、店舗販売型は通販すら手間になって縮小していくんでしょうねぇ」
・これも時代の流れだな
・すこし寂しいけど仕方ないね