寒くなってきましたね
「あ〜調味料がだいぶ少なくなってるね」
「それでは買い物に行くかの?」
「そうだね。
ちょっと多めに買い込んでおこうか」
穏やかな休日、本日は昼間から夕方にかけて配信を行い終えた2人。
夕飯に何を作ろうかとキッチンを見渡したユウの言葉を受け、マオは買い物に行くための準備を始めた。
具体的には、ゆったりとした室内着からお出かけ用の服装を引っ張り出す。
とは言え、近場へのお出かけなので動きやすいジーンズやシャツに、髪を気にしないでいいようにキャップを被るだけなのであるが。
ユウも同じような格好になり、2人でエコバッグを準備して外に出た……のだが、一瞬で回れ右して室内に戻ってきてしまった。
「さむっ!?
この格好じゃ流石に無理だよ」
「もう1枚くらいは羽織っておくべきじゃな」
つい先日までは、半袖で出掛けても特に違和感を感じなかったのだが、今は身を切るような寒さにガタガタと体が震え始める。
因みに何度も説明している話ではあるが、本来の2人であればこの程度の気温……どころか、溶岩の中や南極のダイヤモンドダストにすら涼しい顔で過ごすことが出来る。
但し、それでは一般人としてあまりにも異常であるため、擬態の意味も込めてそれらの耐性を一般人レベルまで落としているのであった。
「ちょっと前までは半袖でも問題なかったのにね」
「まぁ、その気温が異常であったのであろう。
11月に半袖はどう考えても……のう」
家にも戻ってきた2人は上から一枚、厚手のパーカーを着て寒さに対処することにした。
寒くなってきたとは言え、本格的な冬の到来にはまだ早い。
2人の寒さを和らげて暖を与えるには十分であった。
「これからは寒さに気をつけないとダメだね」
「今日はまだ良いが、ニット帽で耳を隠したり、手袋をしたりしての。
寒さは末端から来ると言う話であったから、そこから防御しなければのう」
雪国育ちのライバー仲間から聞いた話では、寒さは手足や耳、首といった飛び出した端の方から体内に侵食してくるらしい。
本体の防寒も大事ではあるが、それ以上に末端の冷えを防ぐことが重要なのだそうだ。
「僕たちも油断せずに気をつけないとね」
「昼夜の寒暖差も大きいからのう。
部屋の中でも油断なく、暖かく保つことを忘れずにじゃな」
スーパーへとやってきた2人。
目的の調味料や食料に加え、使い捨てのカイロも念の為に購入していくのであった。
急に寒くなってきましたね。
風邪を引かないようにお気をつけください。