異世界事情とTRPG
「と言うわけでして、あちらの世界でも生配信をしています。
もちろん、スケジュールは教会にお告げで知らせているのでバッチリですよ!」
ルーナが親指を立てて2人に合図する。
「ふーん、まぁいいんじゃないの?」
「うむ、コメントや投げ銭は出来んじゃろうしな」
その話を聞いたユウとマオは最初こそ驚いていたものの、冷静に考えるとあちらに帰る予定もないので別にいいかという気分になっていた。
「あら、意外と驚かないのですね。
ちなみに一番人気のある企画はマオの麻雀講座ですね。
あちらの世界でも麻雀の道具が作られて大ヒットしているそうですよ」
「それは嬉しいのう。
素直にこれからも続けていくモチベーションになるのじゃ」
「次に人気があるのが私のお悩み相談室ですね。
異世界編が特に人気があるようです」
ルーナが自信満々に言うとユウはジト目でルーナの事を見る。
「それって向こうで実際に悩みを募集して答えてるんでしょ?
そりゃ、女神様直々に悩みに答えてもらえるなら人気出るよ」
こちらの世界と違いあちらの世界は単一教である。
その絶対神から答えてもらえるなら人気が出ないわけがない。
「あのコーナー、悩みが独特すぎて異世界の雰囲気が味わえるとリスナーにも評判じゃからのう。
特色を活かした良い企画じゃと思うぞ」
「それはそうなんだけど何かズルイって言うか」
「それでもマオの麻雀講座に負けてるんですけどね。
やはり数人しか相談できないのと、すぐに遊べるテーブルゲームは違うと言うことですね」
ルーナはやれやれと言った様子でため息を吐く。
「じゃあ、次は田中家で何かテーブルゲームやる?」
「この世界のテーブルゲームと言うとトランプとか?
後は囲碁、将棋、チェスとかですか?」
ユウの言葉にルーナが答えるが彼女は全てに首を振る。
「そう言うんじゃなくてTRPGだよ。
テーブルトークRPGってやつ。
紙とペン、ダイスを武器に戦うゲームさ」
「うむ、かなり楽しいからオススメなのじゃ。
是非やってみようではないか」
「それならあちらの世界でも出来そうですね。
今度チャレンジしてみましょう」
「じゃあ、決まりだね!
この三人がプレイヤーでママがGMだ」
「おまじなと言うやつじゃな」
「おまじな・・・ですか?」
「お前がGMな!の略だね。
ちなみにGMはゲームマスターの略で場を進行する司会みたいなものかな」
こうして、母(田中リーブ)の知らないところで企画が生まれ、勝手にGMに認定されているのであった。
おまじなはそういう由来で付けられたTRPGのルールが沢山乗った本が実際にあります。
個人的にオススメなのは原始時代の人々の暮らしを学べるTRPGと、栄枯浪漫TRPGです。