初詣と参拝のマナー
「さて、近所の神社にやってきたわけだけど。
ここは小さくても参拝客も殆どいないからゆっくりとお詣りの作法を教えれるわね」
里中が神社の鳥居の前に立つと3人に説明を始める。
「まず鳥居の前で一礼すること。
鳥居は神社の入り口だから礼儀を示す必要があるの。
ここは一つだけど、複数ある場合は全部に一礼したほうがいいわよ」
「へぇ〜そうなんだ」
「勉強になるのう」
里中が鳥居に一礼すると、ユウとマオもそれに倣ってお辞儀をする。
「叔父さんって昔から信心深いですよね」
唯は毎年初詣に連れてこられては同じ説明をされていたのでいい加減に覚えてしまっていた。
「昔からある信仰なんだから大事にしないといけないわよ。
それにルーナちゃんのお陰で本当に神様がいるという事が分かったしね。
さ、次は参道を進むのだけれど真ん中は神様の通り道だから通っちゃ駄目よ。
私たち人間は端を歩きましょう」
「はーい!」
「大人しくついていくのじゃ」
「私は問題がないか見ながらひっそりついていきますよ」
4人が参道を歩いていくと手水舎が見えてきた。
「あそこで手と口を清めるわよ。
見本を見せるから見ててね。
先ずは右手で柄杓を持って左手にかける。
次に左手に持ち替えて右手にかける。
また右手に持ち替えたら左手に水を貯めて口に含んで口を濯ぐの。
そしてもう一度右手を洗って清めたら柄杓を縦にして全体を水で洗い清めてから元の場所に戻す。
どう、簡単でしょ?
あ、最初に柄杓に注いだ水だけでやるのよ」
「うむ、こうしてこうやって・・・これで完璧じゃな」
「あ、マオ!
終わったなら教えてよ。
ちょっと分からなくなっちゃった」
「む、仕方ないのう」
マオは自分の清めが終わるとユウに直接指示を出しながら手助けをした。
その様子を里中は微笑ましそうに見ていた。
「本当に2人が楽しそうにしていて良かったわ。
来年もこうして皆で一緒に来たいわね」
「そうですね。
みんなで一緒に楽しく過ごせるように今年も頑張りましょう」
こうして手と口を清め終わったらいよいよ参拝である。
「いい、お金はお気持ちだから幾らでも構わないわ。
入れた方がいいって金額は殆ど語呂合わせのダジャレですからね。
おさい銭を投げ入れたら鈴を鳴らして二回礼をして、二回柏手を打つ。
ここで日頃の感謝やお願い事をして終わったらまた一礼しておしまいよ。
今回はユウちゃんとマオちゃんが鈴を鳴らしてちょうだい」
「うん、分かった」
「妾も気をつけるがあまり力を入れるでないぞ・・・取れてしまっては大変じゃからな」
「分かってるよ!
それ!!」
ガラガラガラという音が響き渡る。
それと同時に4人は二回深く礼をしてからパンパンと二回柏手を打った。
其々が心の中で思いを呟き、再び深く一礼した。
「さぁ、これで参拝は終わりだから色々と見て回りましょうか」