大人の飲み会 アフターのアフター
活動報告に年末の挨拶を追加しました。
誤字報告受け付けました。
いつもありがとうございます。
「おはよーーー!!」
部屋の扉を勢いよく開けて誰かが入ってくる。
その言葉に目を覚ましたアマと修羅がそちらの方を見ると地獄閻魔がいた。
「ふあ〜まだ眠たいんだけど」
「寝足らんばい」
と目をこすりながら不平を漏らす。
「あれ?というかなんで閻魔ちゃんいるの?」
「ちゅうか、ここは何処と?」
そういう2人を閻魔は呆れた目で見る。
「あれだけ飲んで酔っ払ってたら覚えてないのも仕方ないけど・・・ここは私の家よ。
泥酔してるのに家が分からないからしょうがなく連れ帰ってきたのよ」
閻魔がそう言うと2人はバチっと目を覚ます。
「え、それじゃここが噂のタワマン?」
「それば早う言いんしゃい」
2人はガバッとベッドから起き上がる。
そこで改めて自分たちの格好を認識する。
「そう言えばこの格好何なの?」
「下着まで剥がしゃれとーっちゃけど」
「はぁ〜本当に何も覚えてないのね。
貴女達、自分の口から出したもので服も下着も汚れちゃったから着替えさせたのよ。
服は洗濯して乾かし中。
貴女達はシャワーまで浴びさせて綺麗にしたんだから感謝しなさい」
「だからってこんなスケスケのネグリジェは無いんじゃないの?」
「エロか趣味が丸出しやなか」
「趣味じゃないわよ!!
これだけ苦労して介護してあげたんだから漫画の資料用の写真ぐらいは撮らせてもらうわよ」
「え〜まぁいいけど。
でも外に出しちゃダメよ」
「ウチも構わんばい」
「ふふ、ありがとう。
勿論、写真を外に出したりなんてしないから安心してよ。
まぁ、その前に朝ごはんが出来ているから食べましょう」
2人が閻魔に案内されると既に机の上に朝食が並べられている。
白米、蜆の味噌汁、焼き鮭に漬物が置いてあると言う実にシンプルな朝ごはんである。
「今の私たちには嬉しいけど、この庶民のご飯と外の景色の対比が凄いわね」
「外は絶景なんに机に目ば向けた瞬間に現実ば叩きつけられと〜気分やわ」
「そんなに言うなら食べなくていいから下げるわよ」
「わ、嘘嘘!!
庶民ご飯と外の絶景があり得ないハーモニーを作り出してるわ」
「何でんよかけん早う味噌汁が飲みたか」
「しょうがないわね。
それじゃ食べましょう。
はい、手を合わせて・・・」
『いただきます』
「か〜蜆の味噌汁が弱った肝臓に染み渡るわ」
「アマ、オヤジ臭いですよ」
「おお、やっと日本語に戻った」
「せからしかね!
博多弁も日本語たい!」
こうしてワイワイ喋りながら食事を取り、その後資料作りを手伝った。
帰り道、2人で並んで移動する。
「昨日の夜のこと覚えてる?」
「覚えとらんばい・・・全く記憶に無か。
あってん、仕事ん邪魔になるだけやなか?」
「それ覚えてるって言ってるようなんだけど・・・まぁ、いいわ。
私も忘れることにするわ。
まぁ・・・でも」
アマはそう言った修羅の手を握る。
「仲の良い友達同士で手を繋いで帰るくらい普通でしょ?」
その手とアマの顔を交互に見ながら修羅はニヤリと笑った。
「よかばい。
そん代わり絶対に放すんやなかよ!」
そう言って修羅は思いっきり手を握る。
「あた!あだだだだ!!
あんたの馬鹿力で思いっきり握るんじゃないわよ!!」
「はっはっはっ、昨日のお返したい」
そうして騒ぎながら帰る2人の距離は昨日より少しだけ近くなったような。