表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/4

魔神を探すそうです。


彼はヤレヤレだと思った。



彼は盗賊から助けた村人達からマトモに会話をして貰えない。なんで会話をしようとすると悲鳴か気絶のどちらかなんろうか。まるで恐怖の権化を目の前にしたような反応をする。ただ一人残して数十人の盗賊を消滅させて村の一部を溶岩地帯みたいにしただけなのに。


とにかく盗賊から助けてこの反応とは、天使はどれだけ恐れられてるのか。彼は記憶に消えた自分の種族の立場の悪さに落胆した。


それとどうやらユキナの立場も悪いようだ。

会話不能な不本意な命乞いの土下座祭りから解放された後、彼は会話が最低限でも成立したユキナの姿が見えないなと思い探すと、村の影でユキナは複数人に怒られていた。


聞こえてきた内容を聞けば怒られている理由はわかった。立ち入り禁止の山に入った事で怒られていた。



彼はそれを聞いて介入することにした。



彼は禁止を破ったユキナに頼まれたからこそ盗賊を倒し村を救った。村人達が助かったのはユキナのお陰、なのに怒るだけで感謝の欠片もないのには少し思うところがあったからだ。


彼はユキナの代わりに言ってやった。


禁止を破ったのが不満というなら生を終えるのが良かったのかと。そうすると怒っていた村人たちはユキナに助けられた事を理解したのか、罪悪感からか顔を青くして謝罪した。


彼に謝るのは違う


さておき彼が仲裁したことでユキナと村人は無事に和解したのか怒ることを止めた。


なら次は自分の用事とばかりにマトモに会話が通じない村人に対して、会話が通じるユキナに聞き込みを頼んだ。タイミング的にユキナに対して恩を盾にして頼んでる様なモノだがそんなセコい意図はない。


忌々しい魔神の居場所を聞き込んでくれとユキナに頼むと、なぜかあちこちから「え"」という声が聞こえた。


「す……少しお待ちください!」


ユキナは離れてさっきまでまだ青ざめたままの村人達とコソコソと話し合いに向かった。

なんで離れてコソコソと思うがしばらく待った。

ユキナが気まずそうに戻ってきた。


「そのぉ……すみません……お探しの、魔神さまとは何なのでしょうって言われました」


ユキナからの返答が此だった。

何を話し合ってきたんだろうか?


魔神が何なのか。彼にしてはそれは勿論封印から解かれた魔神の事についてだ……考えてみれば彼等も魔神について聞かれたなら先ずは封印された魔神の事と思うだろう。更に魔神と考えてみれば……封印を守護していた筈の天使が魔神について一番知っていると思うはずか。そうつまり天使である彼が詳しい事になる。彼が封印された魔神についてワザワザ村人に聞くとは思わないか。だから聞いたのが別の魔神の事と思ったのか!そう彼は納得した。


「……一番詳しいと……思ってるのは間違ってないですね」


彼の一人言に歯切れ悪く少女はそう答えた。

彼の考えは間違ってないと言う事だろう


記憶喪失の事を知らないせいで別の魔神と誤解をされた。ならなぜ、ユキナは記憶喪失の事を伝えて無いのだろうか。ユキナには記憶喪失の事は言ったはず……もしや……気遣われた。


記憶喪失の事を話すと言うことは、魔神のせいで記憶喪失になり封印を守護していた魔神には逃げられたと話すことになる。情けなさすぎる。だからユキナは記憶喪失を隠してくれたのだろうかそう彼は考えた。


少し悩むが、ユキナの気遣いに乗り封印された魔神について聞くのは止めておくことにした。村人でなくても情報はユキナからでも聞ける。


ユキナに質問を変えてもらい、

情報を収集するのに適切な場所を聞くことにする。一番繁栄してる所への行き方を聞いた。

繁栄してる所なら情報が集まり魔神についての情報も得られると考えてだ。



その質問で村人たちは顔色を青くした。

村人を見回すと視線を落とした。

ユキナを見ると涙目で無言で首を振った。

なんなんだろうかと彼は困惑した。


繁栄してる所の行き方を聞いただけなのにこの反応は一体…



……まさか



知らない?



彼が見回すとあちこちにゴボゴボと赤熱して溶けた地面が溶岩地帯が、いやそれはどうでもいいとして、この村は家がギリギリで二桁ほど、村人の数も百人も居そうにない。世間的な知識のほぼ無い彼から見ても此所はどう見ても……ド田舎の村。

外の事を知らなくても可笑しくはないと思えるほどド田舎ぽい村。彼は悪い質問をしてしまったなと失礼な反省をした。


村人達が知りそうにない。ならばと彼は村人に拘束されていた盗賊をジッとみた。


「…い…い、一番!は、繁栄しているのは!……此処からずっと東にある……王都だと思いますぜ!」


王都……王の住む都か。王がいるならさぞかし繁栄していそうだと思う。しかし村人達全員が責めるように盗賊を見ている。自分達が知らないことを知ってる嫉妬だろうか。心が狭い。


目的地である王都は東。




東がどちらの方角かユキナに訊ねた。

まぁ方角なんて判るわけがないので仕方ない。


「……あの東を知りたいのは王都に行くからです?」


ユキナの質問に頷いた。

 

「…し…質問をどうかお許しくだされ!お、王都に如何様な、ご用事があるのでしょうか!!」


目を血走らせた老人が興奮したように訊ねてきた。

確か一番少女を怒っていた老人。

怒ったり血走った目だったり興奮していて血圧が心配になる。少女以外で初めて会話が成立しそうだが、話してる最中にポックリ行きそうで会話をしたくないと思えた。


ザックリと王都へは情報を収集するためだと伝えた。


「な、なるほど?じょ情報を……左様ですか……………………」


脂汗を掻いてそういうと暫くすると決意したように老人がユキナを見た。


「そ……それでは…王都に行くのに我が孫娘のユキナをお連れになりませぬか?」


「お爺ちゃん!?」




    







ユキナです。気付くといつの間にか山の下に降りていて村で、盗賊は一人残してみんな……。あと村とその周囲が空爆を受けたような状態でした。


はい、そうですね。

私が助けを頼んだ結果です(白目)

村は溶岩があちらこちらにあり地獄みたいな事になってましたが村人の犠牲は0


あのままだとゲームみたいに全滅したのは間違いなし。私のお陰で皆がすくわれたんです。なんて素晴らしい結果でしょうか。



怒られました。



激怒されましたよ。世界を滅ぼすきかって。

助かったのに酷い言い草ですよね。

あの方に視線を向けました。

えぇ何も反論出来ませんよ!(逆ギレ)


幸いあの方が、助かったのが不満なら盗賊と同じ所に送ろうかと言って私を責める声を止めてくれました。……脅しですよね?(震え声)


しかし表面的に責めなくなっただけで皆の目が私を責めてました。心地としては針の筵ですよ。


助けてと頼まなければ良かった気がするのも仕方ないですよね。ゲームみたいに廃村で幽霊になって逃げた怨み言言われてた方がましだった様な気が真面目にします。


本当に助けを求めなかった方が良かった気がします……だって助けたお爺ちゃんに…地獄への片道切符渡されそうですし。


「そ……それでは…王都に行くのに我が孫娘のユキナをお連れになりませぬか?」


「おじいちゃん!?」


お爺ちゃんがとんでもない事を言いました。

私があの方について王都に着いていけと!?


「私が着いていくとか迷惑ですよね!?」


あの方は私が行くと言うなら連れて行くのは良いといってくださいました。よし行かないと言おう。


「ユキナ……前に王都に行ってみたいと言っていたろう。だから道案内もできるな!」


「なぁ!?」


お爺ちゃん……そんな事いった覚えないないです!確かに道とかは知ってますけど、ボケてる老人はダメだと両親と弟に視線を向けました。


「そう言えば言ってたわね。ええ」


「よ、良かったなユキナ、王都に行けるぞ」


「う、うらやましいなぁ」


「お母さんお父さん弟!?」


血の繋がった家族と思えません。

なんですかそれ。

少しでも抑えになれって?

私に押し付ける気満々ですよね。


これは断って村に残った場合……ろくな事に成りませんよね。さっき怒られた時になぜか盗賊の事まで私のせいにしてましたし。残ったら何されるか。

まだマシな道はあの方に着いていく方ですか……マシな道なのに断崖絶壁から飛び降りる気分ですね!!


着いて行くしか選択肢がない……

行くと言うしかないですよ


「ユキナ、頑張ってくれ」


行くという前から頑張れよとか言ってくるのが腹立つ。孫を突き落としたお爺ちゃん涙ぐんでますね……真面目に殴りたいと思う私は敬老精神がないですか?


断るの無理です。

NO!と言えない日本人の精神とか関係なく断れない状態なんですよおお!!


……行くと言うしかないですよ。


「えぇ……王都に逝かせてもらいます」


「おお!そうかユキナ!行ってくれるか!」


断れない様にお城に呼び出して小銭とひのきのうを渡して魔王を倒せとか勇者に頼む王様とかこんな感じなのですかね。絶対勇者さまにとっての魔王は王様です……。


王様と言えば、王都……王都……私これからこの方に着いていって王都


ああ……


人生\(^o^)/人生\(^o^)/人生\(^o^)/


プギャーー(^q^)


脳内にエンドレスに流れてくるんです。

なんでしょうね?

なんで自分に止めを刺してくるんです?


それから村を出る準備をしました。

皆が手伝ってくれましたよ。

……サッサと出ていけとばかりに。


準備を終えて袋を背負い居るのは、目の前にこれから通らなきゃいけない森。最初の絶望ポイント。


此方では魔の森、ゲームでの名称は魔神の森。

ゲームでは王都に行く東には強大な魔物の居る森を抜けないといけません。現実でも同じくです。


この魔神の森って……ゲームでの適正レベルはラスボスを倒せる勇者パーティーでも力不足なんて可笑しな森です。事実という証拠に……大型の恐竜みたいな魔物が居るのが遠目に見えるんですよ。


レベル1な村娘の私なんかが入るのは論外ですね。

村の外に出るのに王都と真逆な方から森を通らず遠回りすれば安全ですけど……遠回りの道だと王都への行き方が複雑すぎて判りません。


こんな森が近くでよく村が残ってたな?この森ってなぜか魔物が外に出ないんです。女神さまが山の傍に人が近付かせないように何かしたとかいう説があります。とにかく森に入らなきゃ大丈夫……入ったらアウトなんです!


無理です無理。

魔物のおやつになるとか嫌です。

私は家のお布団で寝るの。


「この森危険なので私は無理です無理です無理です」


私が半泣きでそう言ってると浮遊感が……少し前に感じました浮遊感が。


ふぇ?


気付くと私は手の上に乗せられてました。

あの方の顔を訊ねるように見ました。

お顔が怖くて泣きそう。


「……森を抜けるのなら此方の方が安全、あ、はい、そうですね。安全ですね。オロシテホシイ」


善意で乗せていただきまして本当に感謝しか有りません。これで乗せられたの二度目で一度目は……アレ変ですね。なぜかです……安全な手の上に乗せられているのに震えと涙が止まりません。


ズシン、ズシン……

歩き出されました。サラリと恐ろしい森に突入しました。


恐ろしい森に……


わぁーーー……すごいです。


ゲームであれだけ苦労した巨大な木や岩が森がドンドンと破壊されてますよ。わぁぁぁ……魔物が逃げてる。彼処の巨大な獅子なんて、ゲームで、終盤の敵より強かったモンスターが逃げて行ってるのが見えますよ。アハハハハハハ……ゲームだとアレより弱いボスが町一つ滅ぼしたりしてたんですよー……。恐竜並な大型な魔物が物凄い必死な形相で逃げてますよ。


そんな彼らを見て…………聞こえません!

ペットにしたいなんて呟きなんて聞こえません!(迫真)


ズンズンズン……


アハハハ……ぁぁぁ……この様子だと森とか直ぐに抜けられそうです。抜けられちゃいそうです。


王都は村からだと…リアルに村の人が行った時には二月ぐらいって聞いてますね。森を抜けない安全な遠回りの道で。


前に見た地図で考えるとこの森を抜けた後、王都へは1週間か二週間ぐらい。ゲームだとそんなに掛かりません。


でもこのかたの速度なら、ゲームと同じ程度の移動時間で王都に着きそう……。


王都に魔神さまについて情報を集めに行くんですよね……このまま王都に辿り着いたらどんな事に成るでしょう。恐らくーーー…………情報収集なんて事が出来ませんよね…………大変な事に成るかもでしょうね。……どうなることでしょう。本当に……








私しりません








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ