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100円から始める異世界グループ経営  作者: ゆーぽん
第1章
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第31話

フードが王宮に入ったのは予想外だが、とにかく何者かが近辺を嗅ぎ回っているのはわかっただけでも今はよしとするか。

これ以上はどうしようもないしな。


……いや、何をいってるんだ、俺は。

本当は解決策なんて、すぐ浮かんでたんだ。

心眼を使えばいい。

これまで使わなかったのは、結局俺が現代日本人という殻を破れていなかっただけだ。今回の失態は俺のそんな油断が生んだ。

クロムの件も味方だったからよかったものの、相当危なかった。

特に悪い人間でもない人の事を覗く、という事に抵抗がないといえばまだ嘘になる。

が、今はもう革命にも同意した。

後戻りはできない。

俺には俺についてきてくれているあいつらに責任があるんだ!


俺は自分の頬を自分で叩く。

よし!


今日来る王都組だけでも500人以上いる、知らないことが致命的なことになりかねない。

どちらにしろ道は一つだったな。

気を引き締めるいい機会になった。



翌日、ガンゾがレストランの準備とお弁当の準備をしている間に俺はクリフトを含めた12人を集める。そして、一人一人に声をかけていく。内容としてはもちろん心眼を使うことだが、クリフトにそれを悟られる訳にはいかない。人の細かい情報を引き出す場合はその本人に触れる必要があるため、出来るだけ自然を装う。


しかし、心眼。かなりの能力なのだ。というか、まさに俺のためにある、と言った能力。元々の、俺の見る力をより細かくしてくれる。

現段階の心眼で、わかることは人種、性別、名前、取得魔法、魔力量、天職、身体的特徴。

最初の3つは、せいぜい偽証を見破るくらいにしか使えないが、取得魔法や魔力量がわかるのはなかなか使える。が、一番すごいのは、天職だ。

その名の通り、その人物に適性がある仕事がわかる。

これのすごいのは未来、つまりやったことがないことに対してもわかる事だ。


接客に向いているとされていた人間を抜き出しただけあって、今のところは全員が接客だったり、メイドだったりと、ウエイター適性ありありだ。


そして、ついに、本命のクリフト。



…………なるほど

面白いじゃないか。そこが出張ってくるのか。

しかも、この天職。ふふふ。使えるな。

これは革命の切り札になり得る。クロムにも今の所は隠しておこう。

ガンゾに俺の心眼の件を口止めしておかないとな。


そうして、結局12人を見終わり、仕事に戻らせる。

余談だが、セリナの天職が教師だったのには驚いた。


やはり接客自体には向いていなかったか。しかし、教師ならまわりをまとめるのには向いているのだろうし、とりあえずはこのまま続投という事にした。もともと優秀ではあるだろうしな。

少ししたら、新人の教育係のポストにでもつけよう。


みんなが仕事につき始める中、そんな事を考えていると、しばらくして、お弁当が出来上がった。どうやらお弁当用の材料は別に残しておいたようだ。


しかし、本当にそれでもう最後だろう。ウィリス商会の来る時間によっては今日は営業は厳しいかもな。

昨日の夜に決めた話だし、さすがに朝に、というのはな。


しかしクロムは俺の想像以上にできる奴だった。


ガンゾがお弁当をギルドに運び終えて戻ってきたちょうどその時にウィリス商会の馬車が到着。食材に、ご丁寧に白金貨25枚、アイテムボックスの契約書、さらに、食洗機、洗濯機の新規契約までついていた。もちろん、ウィリス商会だけでなく、商業ギルド、屈指とも言える商会がずらり。


いや、手が早すぎるだろ。味方になるのを計算に入れていないとこの早さは不可能だ。

全く、本当に今回はコテンパンだよ。俺もまだまだだという事か。


悔しいな。15で総裁になった頃を思い出す。ものの良し悪しを見極める力はあっても、相手の意図を読む力も交渉術も持っていなかった俺は、最初の頃は周りに振り回されまくったものだ。


やはり部下に欲しいなぁ


クロムは交渉、根回しなどの分野においておそらくは俺より能力がはるかに高い。

そういう人材がいてくれると一気に安定感が増すんだがな。

うちがウィリスを超えたらそれとなく声をかけてみるか。


しかし、クロムのお陰で仕事を得たのはいいが、アイテムボックスだけでも俺一人ではとても捌き切れる量じゃない。

これはもういよいよ量産を解禁するしかないだろう。


不安半分期待半分。多少リスクもあるが、これがハマれば今までとは比べ物にならない金額が入るわけだ。しっかりやれば、ここからは早くなるぞ。

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