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100円から始める異世界グループ経営  作者: ゆーぽん
第1章
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第30話


クロムが帰り、ガンゾ達の様子を見に行くと、厨房内からは賑やかな笑い声。久しぶりに再会したところに割って入るのもどうかと思い外から少し状況を覗き見ると、シーナとガンゾかなり盛り上がっていた。

ガンゾの方は少しお酒も入っている感じだ。


恐らくはレストランで出した物の残りだろか。冒険者は基本めっぽうお酒に強いので、ある程度の量を仕入れていたのだが、今日は夜まで営業せずに早めに閉めたのもあって、お酒がそこそこ残っていた。経営者としては従業員が店のお酒を開けているのを良しとは出来ないが、まぁ今日はな。

そうでなくてもよく働いてくれているわけだし。


というか、よくよく聞くと俺の話で盛り上がっていた。酔ったガンゾがとにかく俺を褒めちぎり、シーナがひたすらそれを肯定して盛り上がっていた。そして驚いたことにセリナが普通に笑っていたのだ。お酒が入ると笑えるのかと思ったのだが、よくよく見ていると彼女の視線の先には常にガンゾ。俺と話していた時はあれだけ無表情だったのに、ガンゾが話すと満面の笑み。しかし一方のガンゾには彼女の熱い視線全く気付いている様子がない。


おっさんのくせにあんな美人からモテやがって、しかも気付かないとは。いつか制裁してくれよう。



そんな風に見ていた俺だが、さすがにいつまでも盗み見ているわけにもいかないので、軽くノックして中に入る。


というか正直にいうと、もう途中から俺が神の生まれ変わりだみたいな話になってきて、流石に危機感を感じて割って入ることにしたのだ。


「サキア人同士話も弾んだようで何よりだ。邪魔して申し訳ないが、明日からウィリス商会に定期的に食材を頼むことになった。とりあえず明日の分はこの前と同じものを量だけ多めにして頼んでおいたが、次からの調整は、ガンゾ、お前に任せる。好きなようにやれ。明日には残りの王都組がくる。レストラン、魔法具も含め、王都二号店、その他都市にも増設するつもりだ。リストには料理人が17人いたから、それの教育もガンゾ、任せたぞ」


「景様!お任せください!この不肖ガンゾあなたのご命令とあらば、たとえ火の中水の中、なんでもござれでございます〜」

うん。いやわかってはいたが、完全に酔っ払っている。

まぁ逆に普段真面目なガンゾがここまでなるのは、それだけ喜んでくれている証拠だろう。ガンゾの働きっぷりにはこれで少し応えてやれたかな。


「景さま!シーナも明日から頑張ります!み、見ててください!」

シーナが手を挙げていう。顔赤いし、まさかシーナも酔っ払ってるのか!?

まぁ法律なんて特にないだろうし、大丈夫ではあるだろうが、自分より年下に見えるシーナがと思うと心配だな。


「あぁ、もちろんだ、しかし、今日はもう飲み過ぎるなよ。顔が赤いぞ」

俺は心配でそう言ったのだが、すぐ顔をそらして、別に飲んでないから大丈夫です、と呟いて、上の階に行ってしまった。

ふむ。盛り上がって興奮していただけか。子供扱いして怒らせてしまったかな。


そう勝手に納得してると、後ろからニヤニヤしたガンゾに肩を叩かれて

「はっはっは。景様ほどの方でも、女心はわからないんですねぇ〜。まぁ、年の功ってやつで私にはピンときましたけどね。ま、頑張ってくださいね」

と言われたが


お前だけには言われたくないぞ、ガンゾ!!

セリナを見ろ、今もずっとお前しか見てないからな。


結局、シーナも上に行ってしまったのと、明日も朝から早いということもあり全員寝ることになった。


しかし、深夜、全員が寝静まった頃に俺は隣の部屋の物音で目を覚ます。するとすぐに廊下から足音が聞こえ、そのまま下まで降りて行った。

ふと気になって、俺も部屋から出て下に降りると、ドアの開く音が聞こえた。

 

こんな時間に外?どういうことだ?

疑問に思い、その後を追うと、出てすぐのところで姿を捉えた。暗いのもあって誰かは判別できないが、身長と体格から考えて、男だ。

そのまま10分ほど歩き、その男は古びた教会に入っていった。


俺は見つからない様に外側の窓に回り込み、耳を澄ました。すると、中から二人の男の話し声が聞こえてくる。


「..クロム商会の人間が...ので、恐らく彼も…..」


「クロム商会には人を送り込んであります、その話が本当なら....すればいいでしょう」


クロム商会に人を送り込んである?スパイなのか?

まさか、今日のクロムとの会話も聞かれていた?

くそ、肝心なところが聞き取れない。

もし、ゲーデルの手先であった場合はまずいことになるぞ、とにかく顔だけでも..


俺が窓から顔を出すと、片方はフードを深くかぶっていて顔は見えなかったが、俺が追ってきた方はかろうじて月明かりで顔が判別できた。


く、やはり俺が今日雇ったサキア人じゃないか。モール・クリフト、25歳。経歴は接客業を三年、容姿が良、の普通の経歴だったはずだ。しかし本拠地に居たわけだからまさかとは思ったが、本当にあの中にいたとは。

会ってすぐ見た時はオーラは白だったんだが…


しまったな。サキア人だと油断してかなりの情報が漏れてしまっている。

しかし、これでは目的も誰と繋がっているかも全くわからない。考えられるとしたら、マクベスが一番可能性が高いが、あの中の全員、マクベスの所にいた頃から元々知り合いだったはすだ。

マクベスが元々自身の配下を奴隷に混ぜていた、というのは、全く可能性がないわけではないが、他に幾らでもやりようがあるだろう。



「わかりました、ではとにかく、私はこのまま任務を遂行します」


「頼みました。

あなたに神のご加護があらんことを」


そういうと、二人はバラバラの方向に立ち去っていく。



会話の雰囲気からしてフードの方が偉い感じだな。クリフトは明日でも平気だし、ここはフードを追うか。


そうして追うこと20分。やがてフードはある場所で歩みを止めた。





…………まずい、まずい、これは、マズすぎる。


俺がフードを追って辿り着いたのは、王都の中心、王宮だった。

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