第27話
結局受付で待つこと10分、俺が選んだ12人が運ばれてくる。
男性5人に女性7人、接客ができる人間の中から比較的若めの人間を選んだ。
しかし、みんな俺がサキア人をまとめ買いしたのを聞いたのか、若干警戒しているようだ。
あとで説明するにしても流石にこのまま店まで戻るのもなんなので、一言かけて置こうか。
が、そう思った時、その12人の中で一番落ち着いた感じの女性が先に挨拶をしてきた。
「この度はお買いくださりどうもありがとうございます。ご主人様の期待に添えるよう誠心誠意働かせていただきます」
普通に礼儀正しい。けど、無表情で言われると怖いな。警戒されている感がバリバリ伝わってくる。
彼女はおそらく一番年長のセリナ・ソーンだろう。経歴としてはシーナの先輩にあたる元サキア王宮メイド長だった人だ。
「どうも。明日から君たちが働く事になるレストランのオーナーの佐々木景だ。まあ色々聞きたい事もあるだろうが、君たちを事情は店に着いてから説明する。とりあえずは付いて来てくれ」
「セリナさん!景さまは信頼しても大丈夫です!というかとても凄いんです!なんたって伝説の迷い人なんですから!」
シーナが叫ぶ。本当に元気だな。
しかし、これでセリナも少しは安心してくれるんではないだろうか。
「伝説の迷い人?私は知りませんが、佐々木様は素晴らしい方なことはわかりましたよ。しかしその態度はなんですか。佐々木様に失礼ですよ。
佐々木様、申し訳ありません。まだ子供でございまして、大変失礼があったのではないでしょうか?」
なんかお母さんみたいだな。一応年長といっても28なんだがな。まあシーナが幼く見えるからか?
「元気さは接客では武器になるし、俺はシーナの元気さは清々しくて好きだし、全く問題ないよ」
俺がそういってシーナを見ると、元気っ子シーナが顔を真っ赤にして焦るように下を向いて
「え、あの、す、好きって、ど、どういう意味ですか?」
とか呟いている。
俺としては深い意味はなくいったのだが、元気っ子にはまだこういうのに免疫がないらしい。
本当は聞こえていたが、今はこれ以上ここに留まって余計な情報を漏らしたくはなかったので無視して話を進める。
「とにかく、ここでは具体的な話はできない、早く俺たちの本拠地に向かうぞ」
そういえば、明日残りの王都組を回収しても住めるように寝る場所を用意しないと。元貴族の家だけあって使用人のための大部屋寝所もあるのだが流石に数が足りないだろう。
しかし、うーん。セリナはシーナに話しかけている時も表情はあんまり変わらないのか。シーナのことを心配していることはなんとなく伝わってきたしオーラも綺麗だから、もともとこういう人なんだろうけど。せっかくの美人が勿体無い。というか何より接客大丈夫なのかな。
そんな事を考えているとあっという間に本拠地に。
ただ、予想外にもマクベスからの監視が来なかったので、道中でシーナが俺達の目的やガンゾが生きていた事を話し、もはや俺からは本拠地に着いてもほとんど話すことはない。説明しながらチラチラと様子を伺うようにこちらを見てくるのが少し気になったが。
事情を説明したおかげで、みんなやる気に満ち溢れているといった感じだ。この分なら明日からの働きぶりもかなり期待できそうだな。警戒もほとんどなくなったようで、みんな笑顔だし。セリナは、うん、まあ、変わらず。
本当に接客どうしよう。
若干の不安要素はありながらも、他は問題なさそうだ。そこそこの時間節約にもなったので、俺は軽い足取りでガンゾの驚く姿を想像しながらドアを開けた。
が、しかし、そこで待っていたのはもうすでに軽いパニックになっているガンゾだった….




