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100円から始める異世界グループ経営  作者: ゆーぽん
第1章
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第19話

奴は大きいツノを持ち、悪魔のような出で立ちをしていた。顔は真っ黒く表情は全く読めない。

そして、そいつは俺の方にゆっくり近づいてきた.....


なんて事はなく。

良く見れば月明かりに照らされた置き物の影でした。うん。こんな事だろうと思った。

一瞬ちょっとびびってなんかないからね。


しかしまぁ、恐らくこれが幽霊の正体だろう。案外簡単な勘違いからこういう噂はたつからな。これで万が一にもメゴールとガンゾが幽霊が出たとか騒ぎ出す事はなくなるだろ。置き物はなんかキモかったから普通に捨てた。元凶を退治?したわけだし、もう除霊完了でいいだろ。


この広すぎる洋館を歩き回って、クリーンやらリペアやらで魔力使いまくって今日ははもう普通に疲れた。


明かりはどうにかしてメゴールに電気みたいなものを開発してもらうしかない。魔力を電気に置き換えたりとかできる気がするんだけどな。明日相談しよう。


そして夕方来た時に見つけておいた自分の寝室に到達して俺はベッドに飛び込む。

が、眠れなかった。体は本当に疲れている。

だがどうしても眠れない。なんでだ。

いや、本当は理由なんてわかってる。

どれだけ平気に振る舞おうとしても今日の出来事は重くのしかかって来るのだ。

しかし、俺は二人の人間を率いている。

責任がある。もう弱い所を部下に見せるわけにはいかない。

今は前だけを見るのが俺の仕事だ。


俺は結局1時間かけて意地で眠りについた。


次の日は扉を勢いよく叩く音で目が覚めた。

いやここ3階なんだけど。

そんなに叩いたら絶対扉壊れるって。勢いよく飛び起きて俺は玄関に向かう。


「景様ーーー、ご無事ですか」

ビビり二人、もといガンゾとメゴールの声が聞こえる。

あーそういえば、二人に鍵渡してなかった。


「大丈夫、無事に除霊は済んだ。今開ける」

扉を開けると、おぉ、という歓声。何気に商業ギルドの係りの奴もいる。お前も怖かったのかよ。


「流石、景様。幽霊も敵ではありませんでしたか。ご無事でなにより」

そう言うメゴールは本当にホッとしていた。さらに、メゴールと、ガンゾの二人共の目にはクマがあった。

うん。本当に心配してくれてたんだな。

正直とても嬉しい。

まぁ、二人共結局来たのは朝なんだが。

そんなに怖かったのか。


「とにかくこれで幽霊は去った。まぁ、しかし今日からは幽霊なんて怖がる余裕がなくなるほど忙しくなるぞ。これから一階のレストランの為に改装を依頼する。その間にガンゾには新しい料理、つまりは異世界料理を習得してもらう。それをお弁当にしてギルドに試作品として渡す。そしてメゴールには、録音魔法の製作、魔力の保存と供給に取り組んでもらう。資料は今日中にわたす。できるなら大体どれくらいで作れそうかも報告しろ。冒険者ギルドの依頼については、ギルドと直接交渉しておけ」


「異世界料理。つまりは景様の故郷の味を再現というわけですね。腕がなります」


「分かりました。大体の製作期間は資料を見てからご報告いたします」


二人共顔付きが変わった。

口には出さないが昨日の大通りでの事は二人の心にも深く残っているのだ。

二人の目のクマは俺の心配のためだけでは当然ない事は最初からわかっていた。


「じゃあガンゾは、キッチンに来てくれ。メゴール旅で残った材料出してくれ。練習用に使いたい。他は今日俺が買って来る。

魔法の開発は4階を好きに使っていい」


ついでに、ちょうど商業ギルドの人間がいるのでレストランの改築を依頼した。明日にでも業者は来れるそうで、長くても1週間程度で終わるらしい。優秀だ。


そして、ガンゾに教えた日本料理。こっちの世界には醤油、味噌は似たようなまがい物しかなく、きついかと思っていたが、どんな具材をどういう作り方でどうしてそれをするかというところまで教えると、足りないものをうまく違うもので補い、ガンゾは俺が教えたもののほとんど全てを見事に再現してみせた。

ついでに他の国の料理も教えてみたらガンゾは普通に再現してみせた。ガンゾは、こんな素晴らしい調理法や料理をどうやって思いつくんですかとか言っていたが、単純に年月の積み重ねだ。この文明レベルで現代の味をほぼ再現するガンゾは現代の人間の数倍はすごい。


今に至ってはもう自分でお弁当用に改良を始めたので、俺はもう教える事もなくなり、材料の買い出しだ。心眼を使えば良いものが手に取るように分かるのでかなり時間短縮になる。

買い出しには王都の市場に来たのだが、国の中心というだけあってなかなか食材以外にもなかなかいいものが色々あった。

また今度時間を作って買い出しにこよう。


本拠地に戻って、メゴール用のエジソンの円柱型アナログレコードからCDまでの原理、歴史を細かくまとめた資料を作って、やっと自分の付与魔法製品の取り掛かる。

とりあえず、冒険者ギルドに約束したアイテムボックスを作るか。


そうして材料を買った時にもらった木箱、換金所で換金した時に硬貨入れとしてもらった革袋に空間魔法を付与した。

ふむ。やっぱり付与する媒体は関係なく、こめた魔力の量で容量が決まるって感じだな。


魔法を習得したときにそれによって出来る事は自然とわかるようになるのだが、万が一のミスに備えてチェックは怠らない。


とりあえず、木箱はかさばるし、革袋の方を試作品として渡すか。ウケが良ければ、このまま革袋でアイテムボックスを打っていこう。そのままギルドから革袋を仕入れられるかもしれないしな。


さてこれで俺の方の準備はできた。ガンゾのお弁当の試作品はどうなっているだろうか。


うん。心配するまでもなかったな。

すごいですわ。見た目、匂い、それだけで味も完璧だとわかる。

これなら1週間後のレストランもそうだがお弁当での収入すらかなり期待できそうだ。


お弁当もアイテムボックスも試作品ができたので、まだ作るというガンゾを置いて俺は一人で冒険者ギルドに向かった。

まぁ目の前なんだけどな。

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