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夢魔の告白

 人気いじめ小説家である私松戸楓が、名門女子校における中学生時代の実体験に基づいて書き上げた、最新作『夢魔の告白』。それはいじめの被害に遭って自殺してしまった、親友愛華恵との切なくも郷愁に満ちた、『偽りの友情物語』であった。
 そう。私にとっての恵は著作の中の彼女そのままに、女神であり唯一心からわかり合える同志であり──そして、憎んでも憎みきれない裏切り者であったのだ。
 当時、恵に対する独占欲のあまり私は、彼女を自分だけに依存させるために、密かにクラスのボスグループに頼み込み徹底的にいじめさせるといった、我ながら狡猾で自分本位な暴挙に打って出たのであった。
 しかしふとしたことから私こそがいじめの首謀者であることを知った恵は、ショックのあまり私の謝罪の言葉に耳を貸そうともせずに自殺してしまったのだ。
 ──だからこの作品は、私をひとり残して逝ってしまった恵に対する、復讐なのだ。
 ただ美しいばかりの偽りの物語をでっち上げ、死んだはずの恵に再び仮初めの生を与え、永遠に作品の世界の中に閉じ込めて、二度と私の許から逃がさないようにするために。
 しかし作品が好評を博しベストセラーになるにつれ、それと呼応するようにして奇妙な事件が起こっていく。何と作品の舞台となった女子校の在校生やかつてのいじめの加害者である卒業生たちが、次々に原因不明の昏睡状態となっていったのだ。
 そんな折、私の夢の中にも恵がかつての中学生の姿のままで現れ、「楓、迎えに来たよ」とささやきかけ、私をそのまま夢の世界に閉じ込めようとし始めるのであった──。
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