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異世界不死者と六人の弟子  作者: かに
第三章 獅子公ロイアスとカントのはぐれ者
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新手の登場

ーーーーーーーーマテーーーーーーーー


 「アネゴ! そいつら吸血鬼ダヨ! 吸血鬼がヒトの村クル! ヤルコトヒトツダヨ!」

 「うーん……リュウガ、取り乱すのは結構ですが、キャラに一貫性を持つか素に戻ってくれませんか? 崩壊してますよ、キャラ」


 ジークリットの指摘に咳込みするリュウガ。確かに一理ある。いきなり片言になったり、ゴロツキみたいな口調になったりと忙しい人だ。


 「ロールプレイを愛する男が聞いて呆れるニャア」


 突然の背後からの声に私はテューンと背中合わせに立ち、短剣を構えた。そこにいたのは、頭に猫の耳がついた黒髪の少女だった。彼女もリュウガと同じく武器を携帯していない。

 そして、その隣には狼の耳をつけた長身の男が立っていた。その男はちゃんと剣を手にしていた。だけど、この状況にもかかわらず柄を握るどころか、腕を組んでいる始末。あの剣は飾りと見ていいかもしれない。


 「ネコミミつけて語尾にニャア付けるだけでキャラ立ちしてると思うなよ、ガキが!潰すぞ?」

 「おお、こわ!」


 リュウガの脅しにケラケラと笑う少女。あの顔で睨みつけられたら私なら卒倒しているかも。


 「テューン、これどんなもん?」

 「質を考えなければ、エルドリッチが三人いると見ていい。そのうえ、あちらにはジークリットがいる」


 ドロテアの実力を考慮すると、ジークリットも手強いと判断したほうが無難だ。未知数ではあるけど、私たちが劣勢であることは理解できた。


「一つ聞いていいかな? 私たちが吸血鬼ってだけで襲われるならジークリットも魔族なんだけど、そのへんはどうなの?」


 軽い調子だった少女の目つきが変わる。少女だけじゃない。隣にいる静観を決め込んでいた狼男でさえ組んだ腕をほどいた。私が失言したことに気づくにはさして時間を要さなかった。


 「不味いこと言っちゃったかな……?」

 「……そのようだな」

 「マテ……さすがに迂闊すぎない?」

 「あーもー……黙っとく」


 ツェーリの言葉で耳が痛い。取り返しのつかないことをしてしまったようだ。


 「この村を拠点にする代わりに村を守ってくれている冒険者がいると村長からお聞きしました。村長の様子からも見当がつきます。なので、吸血鬼であろうと無害である、と結論付けたばかりなのですが……私の素性を知っている以上、見逃すことはできませんね」

 「私らもそっちに用がある。その提案は願ったり叶ったりだな」

 「左様でございますか。ですが、ここでこれ以上騒ぎ立てるつもりはありません。私のアジトへ無理やりにでも連れて行かせていただきます」

 「それはちょっとそっちに有利な話じゃないか? のめるわけがない」

 「どちらに分があるか、賢い方ならご理解いただけるのではないでしょうか? それに、私も村の方々を傷つけるつもりはありません。どうか寛大な心をお見せください。なにも無下に扱うわけではありません。返答によってはそれも辞さないですが」


 ジークリットとテューンはしばらく睨み合ったまま一歩も動かずにいた。村人たちの不安が膨れ上がる声がそこかしこから聞こえる。その声をテューンは無視できなかった。

 手に持った魔鉄の棒を空間収納スキルで異次元に仕舞う。

 ジークリットたちの警戒は緩んだが、気を許してくれたわけじゃない。それに、あくまで私たちは彼女たちに合わせざるをえなかっただけなのだ。私のミスでもあるけど。


 「お互いの誤解が解けるよう切に願っていますよ」

 「だといいがな」


 

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