表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界不死者と六人の弟子  作者: かに
第三章 獅子公ロイアスとカントのはぐれ者
133/384

出発した矢先に

ーーーーーーーー佐倉涼太ーーーーーーーー


進むたびに木の密度が上がっていく。これから足場も悪くなっていくとのことだ。懸念されていた進行速度は順調そのもので、篠塚の活躍の賜物だった。治癒魔術というのは大したものだ。

魔族領への抜け道。道というだけあって、ちゃんと人が歩行できる足場があればいいのだけど。


「足場については多少懸念はございますが、一般的な女性でも時間をかければ問題なく通ることができる程度です。トモエには非常にお世話になります」

「私ができることなんてこれぐらいのものですから……」


俺ならテンション爆上げで鼻歌まで歌いそうな褒め言葉に謙遜するのが篠塚らしい。

道中はそういう何気ない会話と、3人組のコントのようなやり取りを聞きながらつつがなく進んだ。女性たちの面倒を見るのはツェーリを筆頭にマテと篠塚の担当だ。ジークリットは道案内のために先頭にいる必要がある。

ちらっと、俺はラルフを見た。

彼は師匠の弟子であると同時にトリュン王国の騎士としての務めを果たすと宣言した。それが意味するところを理解してないけど、師匠の方針と利害が一致していればラルフが敵に回ることはないだろう。


「ジークリット、東の森はもうじきか?」

「ええ、そうですが……何かございましたか?」


師匠の問いに訝しげに聞き返すジークリット。案内はジークリットに一任しているため、口を挟むような真似はしない。だから、師匠がここで改めて尋ねるのには違和感を禁じ得なかった。


「師匠、何かありましたか?」

「……何日もの間ずっと居座っていたのなら相当な執念だな。それとも、これも単なる気まぐれなのか?」


師匠は夢想するかのように虚構を覗いた視線をジークリットに移した。


「ロイアスはまだ東の森にいる。そして、私がやつの気配を察知したということは、ロイアスもまた私に気づいたということに他ならない」


ジークリットは息を呑んだ。リュウガは闘志を燃やしているけど、他の二人はビビっている。彼らも有事に備えて持ち歩いている小柄なカバンを握る手の握力がより一層強くなる。


「参りましたね。いくらなんでも早すぎます。いえ、相手の陣地の中に入る前に気づけたという点では……」

「重畳だな。今ちょうどやつに一泡吹かせられねえか計画を練っていたとこだ」

ちょ、ちょちょ!リュウガ!出くわさないに越したことないんだから何言っちゃてんの!」


意気込みを聞かせてくれたところ申し訳ないが、ニャルニの言うとおりやり過ごすことがリュウガを除く満場一致で可決している。だいたい一泡ふかせてどうするつもりなんだ。


「そうだな。出くわさないことが一番だ。今まさにこちらに猛進してきてるロイアスをどう撒こうか、さてみんなで考えようか」



胆嚢切除してきました。術後腹が痛すぎて動画見る気力すらなかったですが、翌日には動けるようになりました。

みんなもコレステロールの取りすぎには気をつけましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ