ワタシ、逝っちゃう?
どもども~。童貞独身社会人筆頭つゆだくです。
毎週一話を目指しているんですが、どうもうまくいきませんねwww
ぼちぼちではありますが、誰かに見てもらっていることを信じて頑張っていきます。
暗い闇の中。
自分の体さえその中に紛れて不安定で。きっと、このまま消えてしまうんじゃないかって思うほどに。
いやだ、嫌だよ…まだ死にたくない。
明日から始まるプロジェクトでワタシは大活躍するんだ。
みんなから認められて、給料も初任給なんかじゃ比にならないくらいにいっぱいもらっちゃって。
そのお金で今までにないくらいのエロゲ買って、それから、それから………!
体とともに消えてしまいそうな感情。
でもワタシは必死に叫んだ。叫んで、叫んで、声が枯れるくらい叫んだ。この気持ちが誰かに届くように。
『ワタシはここにいるんだぞ!』って、誰かに―――
あれ…?
ずっと遠くの方。
瞼をずっと閉じてるんじゃないかと錯覚させられるような混沌の中に、一筋の光が差し込む。
それは今にも消えてしまいそうで。でもそれは、確かにあった。
行かなくちゃ。
なぜそう思ったのかはわからない。けど、その感情はワタシの胸の中に確かにあった。
ワタシはあるかどうかわからない脚で真っ黒な地面を蹴る。
一歩、また一歩。そして――――――
パンッ!パンッ!
「…へ?」
クラッカーの破裂音。ワタシを出迎えてくれたのはそれだった。
「ぱんぱかぱぁ~ん!おめでとうございますっ!」
そして突然現れたパリピ系女の子。
やめてあげて!精神的に遊のライフはもうゼロよっ!?
「あ、あの…」
「突然ですが、今日からあなたは異世界で新生活を送ってもらいますっ!やったね!」
「え?いや…え?」
「というわけで、あなたには今から―――」
「てええぇぇえええぇぇえぇええい!!!」
「あだっ!」
「ちと待たんかパリピ女子!あんたみたいのはそうやって勝手に突っ走るからワタシみたいなヲタに嫌われるのよっ!」
あ、ついチョップをかましてしまった。まぁ仕方ないよね、うん。そしてついでにお説教と激おこスマイル付きの特製アンハッピーセット。
というか、何を言ってるの?これと言って話が見えてこないんだけど…
「っん。えっと、さっきから言ってる『異世界』?とか、『新生活』?だとか…そもそも、ここどこ?あなた誰?」
クリティカルヒットによって煙を上げた頭を優しく撫でる少女に対し、ワタシの中で引っかかったワードをこれでもかというくらいにマシンガンに込めて連射する。
涙目でしゃがみこんだ少女はワタシの質問に対し「待ってました!」と言いながら勢い立ち上がる。
その反骨精神はどこから来るというのだろうか。これだからパリピ系女子は…
「ここは『無を成す空間』ですっ!先ほどまであなた方が住んでいた地球や、別次元にある異世界などは元来、ここから誕生しているのです。無論、死亡するときもこの空間へと還ってくるのです。」
「…いわゆる、ワタシたちで言うとこの輪廻転生、みたいなこと?」
「おぉっ!お姉さん、なかなか博識ですね!いいとこついてますよ。まさにそんな感じです!」
ゲームから仕入れた、それっぽくて難しそうな言葉を並べて理解した風を装ってみたら、幼女から上から目線で褒められた。お姉さん、なんか屈辱。
「そうです。ここではお姉さんが言ったように輪廻転生みたいなことが行われています。けど、このループは自然に起こってるものではないんですよ?はいっ!そこで私の出番―――」
「あ、そういう前置きいいから早く話進めて?どうせ、あんた神様みたいな感じなんでしょ?」
「………何で知ってるの?」
あ、ハトが豆鉄砲食らったような顔してる。(実際食らわせたとこ見たことないけどね。)
そもそも、ここまで裏事情を知ってるやつが神様じゃなかったら、それこそワタシが豆鉄砲食らったような顔になるわ。
「―――そこで私の出番ですっ!私はここで作り上げた世界の管理をしているのですっ!」
面食らった、自称神様(名乗っていない)は数秒フリーズしてしまったが、いつもの調子で話を進める。
出会ったときといい、今といい…この娘、メンタル強いな。
「…ん?ちょっと待って。ここにいるのって―――」
「はい。私だけです」
「へぇ…」
なんだろう。世界ひとつおじゃんにしそうで不安なんですけど。
あれ、待って。そういえば………
「ねぇ、ワタシたちが住んでいた地球はどうなったの?なんか黒い靄みたいのがかかってたけど。」
「え?!えぇ~っとぉ………」
ワタシはふと思い出した疑問を素直に神様にぶつける。
対する神様はその質問にたじろぎ、目をすいすいと泳がせ始めた。明らかに怪しすぎる。
「…もしかしてだけど、あなたの管理がお粗末なもんだったからボロボロになっちゃって、仕方なく地球を消した。違う?」
ワタシの疑念の目を一切見ることなく、言葉に反応して体をビクッとさせる。
あ、これクロだ。
「それで、せめてもの償いに地球人全員を他の世界に飛ばすって作戦ね?」
「な、何のことです?私はあなたが何を言ってるのか全っ然、これっぽっちもわかんないんですけど?」
「ねぇ、神様?こちとら今まで住んでいた地球失っちゃってるわけよ?あなたのわがままに付き合うほど心に余裕ないわけよ。わかる?」
「でも、でもでも…」
ここまで責めたてるとメンタルに自信ありの神様でもさすがに涙目になっている。言い過ぎたと少し後悔。
「ごめん。少し言い過ぎ―――」
「…仕方なかったんです。私も全力は尽くしたんです」
「えっ?」
俯きながら涙を流す神様の目には、後悔と怒りが宿っていた。
「文明開化に産業改革。戦争や環境問題…あなた方人間―――いえ、地球人はあまりにも急速に進化し過ぎた。欲にまみれ過ぎた。伸ばさなくていい手を伸ばし続けた。結果、こんな終焉を迎えたのです」
「さっきから何を言って…」
「あなたが求めた答えです。あなた方が住んでいた地球は、私たちが審判を下さなくとも、数年後には滅びていたでしょう」
数年後には、滅んでいた…?
漠然としない言葉を前に、ワタシは言葉が出なかった。出せなかった。彼女が言う過ちは過去教えられてきたし、ニュースで見てきた。心当たりしかないから、だからこそ反論ができなかった。
「もちろん、私や他の神も手を下しました。しかし、地球の民は欲望を前にすると聞く耳を持たず、私たちの言葉を無視し続けました。何度も、何度も…」
「ということは、今回のあれはその報い―――天罰ってこと…?」
今までの過ちの代価が地球とするならば、納得するところである。人間はそれだけのことをやってきた。
まぁ、その天罰を前に危機感もなく呑気に生活してたところが傲慢な人間らしいっちゃらしいけど。
「天罰、とは少し違います。これはチャンスです」
「…というと?」
「さっきも言いましたが、どちらにせよ数年後にはあの世界は滅んでいました。しかし、今回は私の管理の甘さにも責任があります。なので、一度だけあなた方にやり直すチャンスを与えます」
そう言うと神様は人差し指をピンと立て、こほんと咳ひとつ。
「生きたいと願い、働くことに希望を持つ地球人よ。今から異世界へと旅立ち、新たな文化を発展させよ。期限は問はない。あなた方が持てる知恵を武器に、世界を、地球を救いなさい」
「地球を、救う…?」
「はい。地球は今、輪廻の輪にかけられました。カルマを溜め込んだ今のままでは、地球という形を留めず消滅するでしょう。ならばそのカルマを消すだけの善良を行い、また新たにあるべき姿の地球を生み出すしかないのです」
そこまで話すと、神様がパンッと手を手を叩き、ワタシの目の前に映像を映し出した。もはや何でもありだな。
その映像を見てみると桑のようなもので地を耕す人間や、細い棒でできた釣竿で魚を釣る人間の姿などが映し出されている。どの映像もそのようなものばかりで、何とも原始的な姿だ。
「それは今からあなた方が行くことになる世界の光景です。この世界の人たちは最低限の生活ができるだけの文明しか発展してません。しかし、この世界ではあなた方が直面しなかったある問題があります。」
それは、魔法です。
「この世界では人間の進化ではなく、世界の進化が顕著であり、人間以外の植物なども含めた生物が進化。魔法という奇跡の力を扱えるようになりました。このままではあなた方とは別の形で人間が滅んでしまいます」
「そこでワタシたち地球人がこの世界に介入して文明を発展させるって訳ね?」
大体のミッション―――もといクエストの内容は把握した。けど…
「そもそも大丈夫なの?ワタシたちが介入しちゃったらまたあんなことが…」
人間の過ちによる世界崩壊。そんなこと、もう二度とあっちゃいけない。
「大丈夫です。そもそも、この世界では人間があまりにも弱すぎます。あなた方の文化はこの世界のパワーバランスを均衡したものにするにはもってこいなのです。」
「なるほど…あれ?この世界の管理って―――」
「ひゅ~~♪ひゅっひゅひゅ~~~~♪」
「口笛吹いてごまかすなっ。どこぞマンガじゃあるまいし…」
「と、とにかく!交換条件としてはとてもいいお話だと思います。地球やそこに住む方々を救うためにも、引き受けてくれますよね?」
イタズラな笑顔でワタシの顔を覗き込む神様。
その童顔で挑発的な上目遣いとは…一部の大きなお友達には大絶賛だなこれは。
「~~~わかったわよ。どうせあと数年しか持たなかった命なんでしょ?今更何もかも諦めて死にたいだなんて思わないわよ」
「じゃあ決まりだねっ☆異世界で二度目の人生、頑張って生きてねっ♡」
「今思ったんだけど…あなた、キャラぶれぶれ―――」
「うるさいさっさと逝きなさい?」
ポチッ☆
神様がどこからともなく出してきたスイッチを押す。
ヒュッ―――
「へ…?ええええぇぇぇえええぇぇえええええ!?!?」
その瞬間、ワタシの足元にあったはずの地面は丸形に抜け、ワタシはそこから落ちた。
こんちゃ~すwww
最近やってるエロゲのモブキャラに心奪われている童貞独身社会人トリオのフジりんごです。
今回は仕事が忙しくあまり関われていないのですが他の二人が頑張ってくれました!
次回もよろしく(^^♪
そしてほたるたです。
最近暑いので仕事帰りにアイスを買い食いするのが日課です!