把握
把握
イルに戻る手前から戦闘後のものものしさが抜けておらず、走り回る隊員や、柵やたいまつを撤去するもの、武器をしまうもの、食料を配給するものと慌しかった。
おかあさまにつれられて、手を握っていたものの、指揮が必要だった。そのため、あとは親衛隊の名前の知らない方が、客間へと案内してくれた。
道中、外壁から整地された木々の間を抜ける。
イルの村は外壁1メートルほどの柵に囲まれて、大きく開いた玄関口が森へつながっている。
中へ進むと、農地とベヤン豚がみえる。燻製にすると美味しいベコン用の豚が放し飼いされている。
この豚は森にもたくさん生息しているのをつれてきては、一定数を確保している。
食べるようにつれてきてはあるが、基本的にはこの豚は愛玩用の要素が大きくなっている。
僕は一度も遊んだことはない。
ブーブヒ、ブーブヒとないている飼育エリア、畑をぬけると集落だ。
集落は、外側から一般の戦士と魔法隊のエリア、次に中級戦士エリア、次に一般のエルフエリアと商業区、最奥にイルを代表する自治区となっている。
これは勇者時代から変わらない。
大きさも様子は変化したものの形状は変わりようがなかった。
張り巡らされた水路、世界樹の苗にあわせて村を改装した勇者の教えに準じている。
商業区にはじめてはいる方々は安心するまでは気が張ると有名らしい。
世界樹や高い木の上には、物見やぐら。
居住区にだってエルフしかしらない隠れ小屋が高いところに設置されている。
エルフは風魔法が得意であり、弓も卓越している。
不審な行動をすれば、頭に矢が刺さるか、吹き飛ばされる。
自治区エリアもシンラとは異なり、簡素なものだ。
もともと、かあさまも、戦士たちも、縦の組織は理解しているが好んではいないものが多い。
尊敬されるのは、その貢献度であり、力量が全てだ。
一般の居住区の二倍の屋敷とは別に、かあさまも、自分の家を持っている。
僕が帰るのはそこだと思っていたのだけど、
「先に戻ってもらうわね、口惜しいけど、この状況じゃね。でも、ゆ~っくり休んでいいからね! お屋敷使っちゃいましょ!」
といわれたからだ。それはまだいい、どこでも寝れるから。たあだ、去り際の言葉が「あ、そうそう、お話聞くからね。リエンちゃんの体のことも、魔力のことも」と、言われてしまった。
ばれている、そりゃそうだろう。
先ほどの隊員さんも、驚いていたし。
一般戦士の配置からわかるように、探知魔法はエルフの基礎だから、恐らく気づいている人も多いだろう。
さて、確認すべきことがあるのは僕にとっても多いわけだけど、話すとなると難しい。
客間。エルフにしては豪華なその部屋でまず鏡を前にして白髪でぼーぜん・・・
「あらま、真っ白になっちゃって・・・」
ずっと案内してくれた女性とはべつに、内務の方がとりあえずと渡してくれたお湯で体を拭いた後服を着た。
違う意味で哀れみを向けられた気がする。
顔が・・・「苦労なさったのですね・・・これ、一応捨ててもいいと聞いていますが・・・」といわれたが、そんな丁寧に扱わないで!
ふぅー。。
一人つぶやきいたあと、もうすぐしなければならない、報告についてまとめなければいけない。
まず、何があったか。
これは絶対聞かれる。
ある程度正直に話すしかない、神様を信じますよ!
疑われたときの為に、時空魔法ができるかを試さないといけないし、なにがどう変わったかを確認しよう。
ログもきになるけどまずは、「エピーリア!」
目の前に緑色の巻物が浮かぶ。
ここまではいつもどおりだ。
そして、あれ、おかしい・・・魂に記録されるって言ってたのに?
エピーリアは魂への記録といわれている。
だからそれに全て載ってくると思っていたが、項目が変わっていない。
現在地・・・アルブ、イルの里
状態・・・・正常
体力・・・・中級
魔力・・・・上級
固有スキル
星に願いを
時空魔法
加護・・・創造神の加護
と一緒のままだ。
別記?ということかな?
「ログ?」
エピーリア発動状態のままそう言うと、一冊の本のように変化した!
目次がある。
固有スキル
取得済みスキル
取得可能なスキル
固有スキルに意識してみると、ページがぱらぱらとめくり止った。
星に願いを(レベル1)・・・夜、星空のもとで強く願うことで異世界転移が可能。場所は、基本的には元の位置、元の時間になる。腕に浮かぶログで転移前の時間を確認できる。
時空魔法(レベル1)・・・時空に関するスキル、魔法の取得が容易になる。
「おお!、 でたでた! でもそもそも時空魔法ってなんだろ?」
疑問がわいたけど今度は取得済スキルを確認する。
転移(レベル、魔力に依存せず使用可能)・・・一度いったことがある場所へ転移が可能。だが、同じ世界の場所に限る。
無限収納・・収納が無限にできる。ただし、生物は不可。中のものは時間が止まる。
「これ、すごい! じゃあ、収納!」
と言葉にするまでもなく、目の前に黒い空間が現れた。
恐る恐る、ベットに目を向け意識すると、
「はは! す、すごいや!」
出すことも簡単にできた。
まるでそこにあったように、イメージどおりに配置された。
次ぎは! 取得可能スキルだ!
真魔法・・・・異世界をわたることで得た知識、経験で創造できた魔法。魔法名に真がつく。
1 無空弾(真)(レベル1)・・・無属性の時空魔法。どんな生物、物体にも魔力をこめた量だけの次元の玉を創出し打ち出すことで影響を与える。取得条件・・・転移を10回以上経験すること。
2 ホール(真)(レベル1)・・・魔力を使い、込めた魔力量におおじて時空とつながったホールの作成が可能。取得条件、無限収納の多用。未達成数、残り99回。
破裂(真)(レベル1)・・・魔力を使い、任意の物質や魔法を爆発させることができる。取得条件、爆発を目撃し、経験し、爆発を起こす。未達成条件、爆発を起こす、残り9回で取得可能。
結界(真)(レベル1)・・・任意に結界を発動することができる。取得条件、死を免れる神秘の結界の発動。未達成条件、残10回。
真スキル・・・真魔法同様に、スキルが創造される。スキル名に(真)がつく。
気絶(真)(レベル1)・・・トラウマになりそうな出来事に任意で気絶を選択できる。
「これは、情けないかも」
ちょっと落ち込んだけども、それよりも今できることだ、
そして簡単にあげられるのはとなると!
僕は手当たり次第に無限収納を繰り返す。
書棚、机、椅子、花瓶に絨毯と10回したあともう一度ログエピーリアを発動すると。
ホール(真)が光っていた!
意識を向けると、取得しますか?と表示され、もちろんすると意識を向けてみた、
取得済みスキルの欄に
ホール(真)(レベル1)と表示されるようになった。
部屋の隅に飾られた花瓶へめをやり、魔力を込めてみる。
するとどうだろうか、花は一瞬で飲み込まれた。
意識してみると、花が入っているのが直感で分かった。
「型のアイテムボックスだぁ!」
花瓶は重要ではないけど、その異様な口に心が躍った。
感覚的に込め魔力は、約50、数に関係なく入るけど重いものになると、数点入れて入らなくなった。
つまり重さ由来なんだろうとおもう!
これで、説得するための確認作業は一応終わり。
あとは外にでてしかできないなぁ。
かといって転移していなくなったら驚くだろうし。
いや、騒動になる。
今まで、異世界に行く前に持ってたスキルや魔法はそのままの感覚だからこれも一応試してみないと。
とりあえずは・・・今できることで、一番説得力があるのは、やっぱり転移だと思う。
アイテムボックスは、一番試したけど、今回は神様の隠蔽がどこまで通じるかを知りたいから、転移で言ってみよう。
言い回しを考えた後、僕はその時が来るまで、勇者物語を読み直すことにした。
なかなか前に進まない!おもに残業のせいですが、とほほ・・・
でも、意地でも1話投稿を!!
じれったいかたがいるかもしれませんがわたしもです!っていいわけですね><
頑張ります!
お読みいただいている方、本当にありがとうございます。