空手部見学2 (金銅藍 ぺペロンチーノ!)
ん?マットを準備させているのか。
打ち込みでもさせるのか?・・・いかん。全く聞いてなかった。
「いいか、ルインさん、握り方はこうだ」
「こう?」
「こうだ!!!むしろこれでもいいぞ!お勧めはこうだ!」
「いてぇ・・・・」
危うく使命を忘れるところだった!こいつが嫌いな理由が分かったぞ!遠野!
「なんだよ・・・こいつやべぇ・・・」
「うむ・・・なんだ。ほおっていてもいいようだな」
私はさし当たって無難な順突と防御体制を教えた。
私が一番得意で研究している分野だ!・・・む、いい肉のつきかたしぃてるぅ!
違うぞ、足はもっとこう開いて、あ、おまたに手がかすった!事故だ事故!
お手ては左手は観音様のように開いて・・・すべすべ・・・!
拳はぎゅっと可愛らしいけど!ちょっと開きましょうね!そうそう、わたしの指をむにゅっといれたくらいにぃいい!
嗚呼・・・なんかいい・・・とってもいい・・・。
「よろしく御願いします」
「綺麗な礼だ・・・」
「確かに・・・藍。鼻血がでてるぞ」
「気のせいだ!これは汗だ!」
「けっ・・・礼なんてさくっとすればいいんだよ、馴れ馴れしくしやがって」
おいおい、余所見をしていていいのか?神埼きゅん、もといルインきゅん・・・なんか降りてきたぁあ!!
「これが降りてくる感覚・・・」
「これは・・・」
「嫌な予感がするぞ」
「ええ、僕も」
何を言っているんだ。素晴らしい。素晴らしいよ!超逸材!なんか目も妖しく見えてくる!妖艶な少年!るいきゅんの光臨だ・・・
すすっと近づいていく、その足取り。美しい。どうして出せる、床の木と足のする音が静寂を引き込む!ゆれない、ぶれない頭。そんなの教えてないのに、理想の足運び。
髪がゆらゆらと・・・。ふつくしぃい!!
「どうしたさっさと」
「ハァッ!」
!!!!!!!!!
がばさぁ・・・・・・
「ありがとうございました」
すちゃり・・・。ん???・・・・んん!?消えた?遠野が飛んだ!!
「ふう。気持ちいい。酔いもない・・・。不思議。魔力が一時的に限界を超えて膨れあがるし、武神の保護の加護のような感覚?っておお、増えてる。武神の才かぁ。・・・型、スキル?そういうのもあるのかも!!すごいぃ!空手すごぉいいい!」
「・・・・・・・・・・・うそだろぉ」
「ほんとだよ!!!手当てを!!」
人が飛んだぞ・・・
「もう一回やってみせてくれ、今度は俺がうける」
「はい?正気ですか!?」
もうそこからは、ルインきゅんがいないと落ち着かなかった!
周りの男子はひそひそと・・・。どたばたと動き回っているし。正文は未だにしびれている手と、皮がむけてしまった足に応急処置をしている。
そして私は、ルインきゅんの横で横で。・・・心臓がいたいぃ・・・!
どきがむねむね!!
『おいおい、どんな化け物だよ・・・』
『修羅っこだな・・・』
『これは逸材とかそんなレベルではないぞ』
『修羅っこだな・・・・』
「だめだ・・・あほか。ったく・・・・血が騒ぐどころか引っ込んだわ」
「どうやったんだよ!」
騒がしい!騒がしいが・・・とっても助かる!
胸が張り裂けんほどに太鼓か!?
陣太鼓か!・・・わたしの胸が!胸の音がきこえるぅ!聞こえてしまう!
「どうって・・・・柔と剛をあわせるんだよ、でもまだまだまだなぁ。さっきのだときっと部長さんたちには、避けられる気がするし、応用が利かないな!でも楽しみ!」
「どういう意味だい!わ、私がきみよりつよいとはおもえないんだけひょ・・・!ご、ごめんね!」
?!と思わず掴んでしまった肩を放したはずが、?っと首を傾ける仕草に手が再びわななく!・・・なんだこれは!わたしの手か!・・・
「嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼!!主将!!!抱きしめ禁止だから!!油断もすきもない!!」
戻ってきた女子部員が周りを見て騒然としていたが。
そのまま、聞き込みをしていればいいものを!放せ!離してくれ!
本能があの子を抱けると!いまならいけると!いっている!!
「「「「だめぇでぇ~す!!」」」」
「まったく・・・・・・・で!どういう意味だ!!」
「おのれぇ~~!まさふみぃいいい!チェンジダァ」
「ってあんたもかよ!むさくるしい!!日下部!」
「無理だよ!何この筋肉!!」
パシパシと、日下部氏の肉きゅうで叩いているがあれはびくともしないぞ!
私の出番だというのに!!!華奢なルインかたに無骨で醜い血の筋肉ががっつり掴んでいる!おのれぇええ!
「ほら、こういうことだよ!」
パシン・・・パシン。
「なっ・・・簡単に払われた・・・いや。・・・きられた?なら・・・」
「!?避けるんだ!ルインきゅ」
わたしの言葉が届く前にそれが・・・どしゅ!
殺す・・・・・
殺すぞ・・・急激にほてった体が覚めていく。
正文を殺せと・・・覚めていく。
あいつ。いま、なにした?はぁ?本気の正拳突をルイン君にたたきこみやがった・・・。
中座とはいえ、そんなことしたら・・・・おまぇええええええ!
「痛いんですけど・・・」
ぱツン・・・はら・・・・
ぱつんぱつん・・・はらはら・・・・
制服の中からこんにちは???
「あ、赤くなってる、痛いかったとおもったよぉ」
「んんんん!!!痛かったでしゅねぇ~~!まぁ!あかくなっちゃって!!よしよし、ぺろぺろ!」
「『『『・・・・・・・・・・・』』』」
「痛いですむか!」
「尚悪いわ!くそが!なんだこいつ!殺人だろうが!!!」
「砂を殴ってるようだったぞ!」
あれ?わたしは何をしている?
ルインきゅんのおなかが目の前に・・・少し赤くなっているそれに・・・。ぺろ・・・PERO?びゅしゅーーーーー重大なエラーが発生しました。
「なんてことするんですか!って金剛さん!しっかりして!いやもう!ねてて!!」
「ぺぺろんちーの」
「さ、いきましょう。瑠音さん、時間です!!というよりもういかないと!この人死にます!」
「あ・・・でも、なんか血が・・・」
「皆さん、落ち着いて。アポイントは私まで」
「待ってくれ!!」
「暑苦しい男は嫌われますよ!武君!壁!」
「お、おう?」
「役に立ちたいでしょ?!」
「お、おう!!!」
「どくんだ・・・雑魚め」
「おっとこれは喧嘩だろ?ならなんでもありだ」
「喧嘩でならカツと?うぬぼれるなよ・・・喧嘩屋風情がこの熊殺しに勝つと?」
「・・・・・なんかやばそうだ・・・が。ここは引けねぇ・・・瑠音のしんがりは俺の務め・・・?だったか?」
追伸
記憶が戻ると・・・
「金剛さん・・・・。」
「あ、ここは?」
「変態すぎます・・・もう出血死かとおもいましたよ!」
「話がある」
「「「「大賛成です」」」」
「まだ何も言ってないぞ・・・だが、分かるか?金剛」
「コホン・・・もちろんだ。彼を引き入れれば、この部は世界最強になる」
「俺もそう思う」
「せ?世界??」
「でも、素人がいきなりあんな・・・俺はまだ信じられねぇっすよ」
「彼に外されたとき、俺は不思議な感覚を得た。それと打ち込んだ拳、型、気配・・・鳥肌が立った。武道とはなんなのか・・・彼についていけばその一端が見れるような気がした」
「主将・・・そこまでっすか・・・。おれはあんたに意見するきはないから、主将がそういうなら」
「うむ・・・彼に学ぶか・・・」
「私達は瑠音君のファンとして、手ほどきしたいです!」
「あ?ああ・・・勝手にしろ。そういうふざけたのは勝手に」
「ふざけてなどいない!!!」
「「「「「え」」」」」」
「かぁ・・・し、しまった・・・」
「か、かわええ・・・先輩・・・」
「ほ!ほら良かったですね!!近づきがたい金剛さんに慕う後輩ができましたよ!」
「ふっついちゃえ!!」
「てかふっつけ!!」
「お、おれは・・別に!!」
「藍・・・・」
「藍の手ほどき・・・わたしは寝技もおぼえていこうと思う、愛しのるいんきゅんのために!」
「「「「「空手じゃないですよ!!!だろ!」」」」
ただ、ぺペロンチーノが好きで言いたかっただけかもw
お読みいただきありがとうございます。
みなさんの連休のお暇つぶしになれば幸いです^^




