華麗な事件
早速僕らは、孤児院の台所を借りてさくさく作ってしまう。
ここで問題になったのは、その量だった。
インスタントしか食べつけてなかった僕は若干冷や汗を書いたけど、さすが賢者で勇者の国。るぅの箱のうらにしっかり書いてあったのだ。
「奇妙な文字」
と失礼なことを言うルミエナ氏に指示を飛ばし、主に野菜を切ってもらう。
味は完璧に覚えているから、こちらで代用できるものを切らせる。
特にたまねぎと同じ性質を持ちつつトマトと同じこくをもつこちらの、タメトはいい仕事をしてくれるだろう。切るたびに、「ぐすっぐす」とルミエナ氏を泣かせただけでもいい仕事だ。
タメト。これはすごく安いほうの野菜だ。つるを伸ばして、その先に実をつけるため収穫も簡単、畑にごろごろしている。葉には虫がいるが、実には少ないの育てやすい一因だ。
子供たちがご馳走を食べられると期待してせっせと籠に放り込んでいる。
ざっと14,5名か?
途中で狩ったお肉をふんだんに入れてあげる!
そうしてできたカレーを今か今かと待ち構えていた子供たちの前に置く。
やったーーー!やっと食べれる!肉いりすーぷぅ!!
など騒がしく、さじをかんかん言わせる子供もいたけど、今は皿を置くたびに静まり返っている・・・そして・・・
「かれー・・・ってうん○みたい」
言っちゃった。一番小さな女の子の言葉をきっかけに。
「お肉だけたべたかったぁああ!あああ!おにくぅさまぁああがおぶつにぃいいい!許すマジ!!」
「許すまじぃ!」
「ええーん!」
とカオス状態になったが・・・
ガン!!!!と机を叩くルミエナ氏・・・・切れています。
皿がテーブルと平行に浮いてもとにもどる。
「愚か者!これはすごいんだぞ!すごく美味しいんだぞ!匂いをかげ!香ばしいだろう!」
「匂いをかいで・・・みんな。ほら・・・わたしもよだれが出てますよ」
「司祭様」
「・・・匂いは・・・美味しそう」
「そうだろう!そうだおう!さぁくえ!!」
「「「「・・・・・・・」」」」
そんな震える子供たちを見て・・・そんなひどいのかと思った。
確かに僕は馬の世話をそこまでしたことはない。
でもここの町の人やルミエナ氏のように馬に近く、牧畜をしていた人にとっては僕の数倍も抵抗があるのだと自覚した。
静寂の中・・・一口子供が食べてくれた。
「うまいぃいい!」
これからはじまるカレーの奇跡。
それを予感させた試食会だった。
みなまで言わずとも分かりますよね。
この町からはじまったカレーライスの物語。
クエスト完了。お金の儲け?ありません。でも・・
ここでのポイントは、速達なんて目じゃない稼ぎになりましたとさ・・。
完全にねたです。次回よりもどります。
ありがとうございます^^




