初クエスト1 お掃除
あと、1個のクエストも書き出していますがとりあえずこちらを!
あとのクエストは今日か、明日にだして、なんとか前に進めたいと思います^^:
コメディ色が強くなってまいりましたが、あとあと大変なことになる冒険はじめにはいいかなぁと思っています(個人的にですが^^:)
じれったいかもしれませんが、あまり雑にすると悲しいですので><
みなさんのお楽しみになれるよう頑張ります><これからもよろしくお願いします┏○))ペコ
「随分楽しそうでしたね・・・」
「うん、すごく勉強になったし、面白かった」
移動してきたのは、クエストを受理していただくところだ。
ルミエナさんが選んだのは二つ。
水路の清掃とお守り作成補助。
この二つならさくっと終わるだろうということで、持ってきた。
「リンリンは人気ですからね。クエストはこちらで間違いないですか?」
「ああ、確認だが、常時クエストは勝手にやっていいのだろう?」
常時クエストは、いつでも出しているクエストだ。
火の用心やら、子供への注意、不審人物の報告などがあるそうだ。
「はい。報告は水晶とカードで確認できますので完了証は不要です」
「了解した。ル、ルインもいいな?」
「はい!」
「おう・・・いつもと違う。なんて明るい」
ふふ、僕は今、ポイントで頭がいっぱいだ。
清掃報酬は銅貨三枚とポイントが10ポイント。相手からの上限ポイント30ポイントまで。お守りにいたっては、銅貨1枚と少ないが、ポイント50ポイント、また相手の上限が100だ。なんて美味しい。こういう風に、ポイントの上限が多い依頼は、依頼主が後付してくる悩みなどを解決したらいただけるらしい。
「では、清掃とお守り作りの補助でよろしいですね?」
「ふふふ、頑張ります!」
「ほどほどですよ!」
「エナさん、言葉お気をつけくださいね。色々と」
「そうだよ!」
「う・・・分かった。痛み入る」
全く油断してるなんて・・・僕も一瞬どきっとしたのは内緒だけど。
「いい練習になりましたね」
「というか、やっぱり分かるのでは?」
「そうでもないですよ、私も、リンリンがあんなことしなければ勘ぐりませんでした。それぐらい、噂はすごいことになってますよ」
「確かに・・・聞きたいか?」
「いや、いい・・・」
本とに気をつけよう。どえらい魔法とか使わずに・・・それに使わないほうが頑張ってる姿が見せられるから・・・ポイントたくさんもらえるかもしれない!
「じゃあ、スコップかおう!」
外に出た瞬間にルミエナさんに相談する。けど・・・結構な目で窘められた。
「魔法でさくっとやるにきまってる。それに急がなければだ?」
「だめ、ポイントを稼ぐ、初クエストだよ!」
「あざとい・・・って言ってるんだけど」
「なっ!?・・・」
う・・・このパターンは。
ルミエナさんが指を立てこちらににゅっと屈んで来る。
なぜ、いい方法だと思うのに。
「エルフが魔法に優れているのはわかってること!逆に顰蹙買うよ!」
「そ、そうだった。これは想像以上に難しい?」
「この制度の奥深いところは、どんなに頑張った姿を見せても、それが本当にあなたの全力ですか?と暗黙的に問われていることなんだ。あとで、魔法が使えることが分かったら、次から依頼は来ないし、使うのができない子供からは嫌われるし、大人からも顰蹙を買う」
「な、なるほど・・・」
「すぐ終わって、次の町に行くのが私たちの使命。初クエストだからと二つ取って来たのは記念になるようにと配慮したんだぞ。丁寧に、最速記録。これも評価になるのですから、あざといのはやめような」
「はい・・・」
「踏まないで・・・イイコトイッタはず」
「その顔やめてもらえない?」
「???」
自覚なしか。踏みつけていた足をどけた。
「はぁ・・・」
ここらへんの水路ってことかな。
「これは家の敷地・・・依頼主のお宅で、確かに水路に土が流れ込んで。ここらってことでしょうね」
「僕もそう思う。けど綺麗だねぇ」
「そうですか? まぁ花はきれいですが、家まで蔦がのぼって見ようによっては見苦しい」
「頼むから、そういうの依頼主の前言わないでよ?それに丁寧にしてあるから綺麗だし」
「わたしはそういうのは分かりませんね」
「・・・・だろうね」
これまたドアも拘っているだろう、苔と蔓に覆われた綺麗なドアをノックする。
ルミエナさんは、野放しという手抜きにも見えるとか言っていたので、軽く本気?でにらむと押し黙った。
「は~い」
歳はわからないけど、おっとりした感じのご婦人だった。
クエストのことを告げると「まぁっ」と手を合わせて喜ばれている。
その仕草はなんというか、あざとい気もしなくもないけど、こういう方なんだろうなと自然に思わせる不思議、否。不可思議に修正が必要な女性だ。
エルフにしては、珍しいタイプに違いない。
格好が凄まじい・・・。これは年齢を聞いたらポイントがもらえないかもしれないなとおもうほど・・・・花の王冠って子供の特権だと思います。
それに、そんなひらひらした服、いや、聞かずとも分かる、お手製だな。
話す時に小指を立てるのはなぜ・・・。いちいちオーバーな気がする。
「なんだひゃ!」
「どうかなさいました?」
「いえいえ!あまりに美しく、可憐な奥様を見て嫉妬してしまったようです。可愛いですね!その服」
「あら!可愛いあなたに言われると嬉しくなっちゃいます。くるりんっ」
「オオ・・・」
ごくり・・・難しいクエストだ。可愛いとかやめてといつもなら思うけど、この人は可笑しい・・・。残念ながらルミエナさんが言わんとすることは恐らく正論だ。
「緊張しちゃってるの?簡単な仕事よ、でもどうしてか、村の方は遠慮してしまうの」
「それは「照れてしまうんですよ!きっと!」」
かぶせるように、ルミエナさんの本音を制する。
いってやったほうが彼女のためですとぼそりと言ってくるが、そんなのことは分かっている。でも、この人はこういう人なんだ。所謂、頭がお花畑の人なんだ。初クエストなんだ!
「冗談もお上手、あなたはもてるわよ。私が保証します。旦那がいなかったら求婚したくなるほど可愛いもの」
「冗談ですよね!?」
「あら、照れちゃって、掃除していただきたいとこにご案内がてら説明しますね♪こっちですよ~あ、綺麗なお花さん。やっと咲いたのね、チュ・・・」
「冗談だよね・・・」
なぜかつま先でくるっと回りながら、花に話しかけては移動する「ローデンメリアンって言うの」という人に遅れながらなんとかついていく。
足が重い・・。
『気をしっかり!』
僕は将来が不安になった。
肩をやさしく叩くルミエナさんがいなければ、走り出したくなったかもしれない。
「さぁ到着、私の名前、長いからメロンって呼んでね。旦那がそう呼ぶの、はぁはぁ、つかれっちゃった。ぜぇぜぇ・・・」
「「すさまじい」」
奇しくも、ルミエナさんとはもった。
旦那さん、いったいどんな男性だ。疲れるのはあの歩き方だと思う・・。
気持ちが悪いといっているがそれは回っているからだと思う。
こんな人を溺愛(自称かもしれないが)している旦那さんっていったい・・・。
いや、会いたくない。遠めで確認するくらいでいい。軽い観光として・・。
「あなたたちにお願いしたいのは。わたしの家の周りの水路なの、風魔法を使うのはいいのですけど、できれば水魔法や手作業でやってほしいです。見て分かるかしら?」
気を取り直し、周りを再確認する。
確かに、水路には先で見たように泥の部分と乾いた土が入り込んでいる。この村の特徴的に馬車通りから風に乗って入り込んだと思われる。
ただ、お庭は本当に綺麗だ。
「綺麗なお庭です」
「ありがとう、お利口な弟さんはわかる?」
「この花たちの根があるから?ですか?泥は流れを止めているとこだけでいいのでしょうか?」
「そう!本当は泥はいけないのだけど、かわいそうで。それに調和しているし、きめが細かい土だからそっちはいいの」
「水路に根を張る許可を得ているのですか?」
「え・・・」
おお、見事に固まった。けど・・・
「なんでもないです!すみません、馬鹿な姉が」
「し、しかし」
敷地からお隣へ向かう水路へは泥が水深1センチあるか、全くないくらいだ。だからどうした・・・。水路はあくまで水が流れればいいんだ。きっと。それに綺麗なのは本当だ。水路に垂れている根や葉にかかる砂埃をどうにかすれば問題ない。
「皆さんご好意で、許可までは・・・確かにないほうが水の流れはいいでしょうけど、問題も無いですし。それに、一斉清掃ではここは触らず、自分ですれば問題ないという話はつけているのです・・・ご理解は・・・えられない「そんなことはありません!綺麗です!これはもうこの町に必要だと僕は思う!」。。そうかしら?」
「そうです!!絶対そうです!「ちょっといたい!痛いです!」」
「あなた、わたしを理解してくれるのね」
ごめんなさい。理解できません。お庭は理解できるけど、あなたはちょっと・・・。
「村の人が認めているのならしょうがないでしょうが。手間がかかったり、隣の肩は何もいわないのですか?」
真面目か!って真面目だった!
「うう・・・でも、かわいそうだし・・・それにみんなもこのままって」
と、あざとい演技にも見えそうだけど、本気でやっているこの人。メロンさん・・・。
それに真面目に詰問するルミエナさん、職業柄だろう・・・。今は超迷惑だ。
仕方ない。村の人がなぜ認めているかを教えてあげる必要がある。
花の妖精さんがたまにちらりちらちと彼女を心配しているから。
「妖精さんがいるんだよ」
「え「!?」
「まぁ、どの子に気づいたの?見えるの!?嬉しいわ、今日は日よりもいいからかくれんぼやめてくれてるのかしら」
「本当ですか?どこです!?どこですか!」
「そ、そんなだから姉さんは、いつまでも妖精も精霊からもすかれないんじゃない?」
「そう・・・だったのか・・」
「それはあるかもしれないわね。わたしも妖精とは契約してますよ、それでかもしれません。皆さんが認めてくださるのは」
おお・・・すごいなこの人。開き直ってる。あっという間に立ち居地が変わっているルミエナさんとメロンさん。
「な!?!それを早くおっしゃっていただきたい!奥様!」
ささっと作業台に手入れ用のナイフを見つけたルミエナさんがそれを手に取る。さぁっどこから!と・・・暴走しかけてるなぁ。
「え、えっと・・・そのナイフは私が使いますし、お花のお手入れは私の趣味であり、仕事ですから」
「ご遠慮なさらず!掃除は弟に任せれば問題ありません!」
「ちょっと!?」
「あ、ああの・・・弟さん、困って」
「いえいえ!っささ、どうぞ!わたしはいらない葉を拾いましょう!」
「えなねぇ!!」
「あらあら、駄目ですよ。ポイントも報酬も出ませんよ?」
「かまいません!!」
「ふぉぉいいい!」
「・・・・えっと、じゃあ、弟さんにお願いします。なんだか妖精さんも喜んでいるようですので、ちゃんと上限まであげますので。お姉さんをお貸しいただけます?」
「イエッサー!」
あ、しまった!!そういう問題じゃなかった。時間かかる!
「面白い子達・・・」
「しっかりやるのだぞ!こんな感じで!」
水路に張り出している根や葉に水魔法で洗い流し、水路で明らかに多すぎる土を水流をまげて手で集め掬って道へよける。めちゃくちゃ手際がいい。
簡単なウォーターと、水流操作ができればいいようだ。確かに僕でもできるし、土を掬い上げるときは、手じゃなくて無限収納にいれていうこう。
「ありがとう、でも後で話しあるから」
「さぁ!参りましょう!よくよく見れば、なんと造詣深いお庭でしょう!この蔦も家と一体化して「でもそこは切ります。あちらのように」だと思いました!」
「・・・・・さ、やろうかな」
完全に血走った目で妖精を探しているルミエナ氏。
たぶん無理だろうな。
「まぁ綺麗にしていただいて!」
「いえいえ、それほどでも、そちらも綺麗になったみたいで」
1時間ほどで完了した。魔法は思った以上に楽で敷地を囲む全て終了。
「土はどうされたのです??」
「使うとお花が喜ぶかもしれないのでとってあそこに積んでいます」
「まぁ!まぁ!気が利くこと!」
おお、よかった、それなりに湿っていてにぎりとむにゅっとして気持ちよかったので、とって置き、見てもらったんだ。
それにしてもこの裏にはも見事に綺麗になっている。
「こっちも無事に終わったのですが・・・」
「うん、かくれんぼしてたと?」
「はい・・・」
そりゃそうだろう、あんな血しばしった目で見たら、妖精でなくても怖いって。
「では、こちらが完了証とポイントです。カードの提示を」
言われるがままに、両手で出す。
可愛いとかいいながら30を進呈と僕を見て言われた。
一瞬、小さく小さく光る。
そこに30の文字。
完了証もうけとって・・・
「あ、ありがとうございます!」
やったぁあ!クエストできたぞ。
綺麗になったこともあり、気分も最高な僕。
「はぁ・・・」
ルミエナさん、知りませんよ・・・。
「あなたも気を落とさないで。奥義を教えてあげるから」
「なにとぞ! 奥様!」
「花は愛でるものです♪以上!」
「なるほど・・・深い。深いのですね」
ざまぁない・・・。
ってうん?僕の袖を引く小さな青い小人。
あ、妖精さんだ。
フィナとちがって二等身だ。可愛いお人形さん。って感じ。
つんと鼻をおしてあげると「ぽてり」と落ちていく姿が愛おしい。
「あら?」
「しー」
慌てて指を口に当てたけど・・・
「あらあら。弟さんは、お友達ができたようですね♪」
「なんですと!?」
ガバッと振り返るルミエナ氏。その目やめなよ・・・にげちゃったよ・・・。
「・・・・・いきましょエナ姉、仕事えらんだりするからだよ」
「くぅ・・・なんたる浅はかさ、うらめしいぃ・・・うらめしや」
「おいていくよぉ次ぎは昼前に着かないといけないんだから」
そうして初クエストは無事に完了した。
最高点の僕。ルミエナ氏はノーカウントで。
「面白かったわね、あの子達」
「こくり」
不思議なお庭のメロンさんとこの妖精。また2年後会うことになるとは知らないまま別れるのだった。今は変な人♪というお互いのイメージを持って・・・。
あと1話、クエスト・・・明日までには必ず・・パタリ
ちなみに、寒くなってきましたのでお風邪にお気をつけて・・・ぐふ