町方同心とギルド
おふ、長かった。説明みたいで躊躇しましたが、あとあと大事になるところなので、頑張りましたw
そして、もちろん、クエストまで書きたい!っていう意欲は顕在ですw
今日中に投稿予定です/)`・ω・´)
読んで応援してくれる方々、本当にありがとうございます┏○))ペコ 更に、お気に入り入れてくれた方、ちゃんと見ています♪励みになっています( *゜ェ゜)*_ _))ペコ あわせてお礼申し上げます┏○))ペコ
昨日、ラサでミキの名を預かっている村長、二ヒートさんにいただいた、手帳を読んで、とても、勉強になった。
まず、シンラへの地図を俯瞰すると、落葉の葉、もしくは根のように村が配置されているのが分かる。シンラを軸としてソルに向けて葉を置くで1枚、東西、北へも各一枚ずつ置いていく。そんなイメージだ。
そして、大きな葉脈が、シンラを手前として全部で3つの線で構成されている。
シンラ側から、ミキ・エダ・ハナと数え、各村の村長はどの構成村か分かるように苗字としてそれを持っている。
火急の際、ミキへ取次ぎをと言えば、即通じる仕組み。要は外界との防衛線を意味している。
村々では細かな取り決めもあり、それについて知らないものは、素振りがおかしいものを外から来たものと認知する。
すごく勉強になった。
現在僕らは、ギルドと異なる、エルフにおいてのギルドのような組織へ登録に来ている。
町方同心制度といい、エルフの里で暮らすためのギルドと思えばいいらしい。
村にはかならずその建物があり、マークは世界樹。
押してあくタイプのドアから入って登録を済ませよう。
大きな字で登録、交換、寄付、報告、相談と看板で5つに分けられ、それぞれ受け付けが横に並んだ形だ。
反対側には大きなボード、クエストボードがあり、そこに人がちらほら見える。
この辺はギルドとあまり変わりない。変わっていることといえば、酒場や、飲食ができるようなテーブル等がないこと、年齢層が幅広く4歳くらいの子から、隠居が近そうなかたもいるところだろう。
皆、クエストボードから少し離れたところでにこやかに話している。こんなところもギルドとはかけ離れている。
「本当に大丈夫か??」
ぎこちないながらも、どこかふっ切れた感じで話しかけてくるルミエナさん。
ただ、心配性なのは傷だが、これはどうしようもないらしいから、僕が我慢しよう。
特に、エルフの村でギルドカードの更新ができることとは別に、町方同心制度なんてものがあるのは初耳だったからだ。それを聞いたルミエナさんは、目を丸くして、本気の涙を流した。「それほどまでに、幼い頃から・・・と」冗談抜きだったので、無言で背をさすったほどだ。
「大丈夫です、ギルドじゃ一度登録はしてるんだから!あっちいって!クエスト探す!」
「うう・・・心配だぁ、受付頼むぞ!」
かといってここでそんな心配をされるのは恥ずかしい・・・。
「仲がいいのですね」
恥ずかしい・・・。子供がこちらをみて教えてあげたいって目でキラキラしている。
ギルドでは感じられないこそばゆさだ・・・。
「すみません、姉が騒がしくして」
「いえいえ、微笑ましいです。綺麗でかっこいいお姉さんですね。ちょっと過保護ですけど」
そういってピンク色の髪の毛が肩までかかった女声が椅子へ促す。
明るい女性。ルミエナさんも明るいけどそういう明るさとは違い、人になれていてキラキラした感じの方だ。小柄で座ると僕と背がそこまで変わらない錯覚も覚える。
「ギルドカードの更新、一番高い、自分の意思で詳細が見れるようにお願いします。町方同心は初登録でそちらもお願いします」
「あら?珍しいですね。ギルドカードが先だなんて、御代は大丈夫ですか?」
「大丈夫です」
先にカードの再発行と性能が優れているものに変える為に、お金を支払った。
それを確認すると水晶に手を置くように促される。
「本とにギルドカードの登録のみですね・・・しかも13歳からって偉いですね・・っあ!!やっぱり!」
金貨をもらうときに手の温度が高かったのでもしやと・・・勘付かれているのが確信に変わったといった表情だ。
「な、内緒でお願いします」
「ごめんなさい、わたしったら。ええっと、一応、本人確認をよろしいですか?相違ないとおっしゃってください」
言われるがままに答える。
手を置いた水晶が青く点滅して、全く問題が無いことを証明してくれた。そして怒涛の自己紹介を始めた受付のお姉さん。名前はリンリン。歳は18、彼氏はいない。二度ほど連呼したあと、握り返すように発行された町方同心のカードを渡す・・・手を握り締めたまま、自己紹介、住んでいるところから、好きな食べ物、好きな色は白を連呼。初登録が3歳からでもある同心カードを担当させていただき光栄です、と感想まで・・・ひとしきりものすごい早口で自己紹介を終了した。
はっきりいって何を言っているか分からないし、肝心な説明はまったくない。
一人暮らしの連呼は何の意味が・・・もしかして友達いないのか?
って僕もか。いや、地球にいるし!っていまどうでもいい!
「す、すみませんが説明もお願いします。ギルドカードの違いと比べて説明していただけると助かります」
「はい、もちろん喜んで!」
といって、クローズの掛札を貼った・・・。
そんなに長くはならないはずだよね・・。
少々お待ちをと、なにやら分厚い本。それも一冊ではない。
まさかそれを全部説明するのかと思ったけど、そうではなく、僕の上半身とリンリンさんの上半身を隠す。
ふぅ~と息を吐き、やけに気合が入っている・・・。どうしたんだ。
「想像以上ですね」
「はい・・・?」
僕は分からないまま頷き、リンリンさんの行動に驚きを示す。
リンリンさんはコホンと居直って前のめりで説明を開始する。
「まず、真面目に。比較しながら説明いたします。ギルドカードは、人間や獣人、エルフ、ドワーフ、どの種族でも登録が可能です。エルフの里の町方同心制度というのは、エルフの里に暮らす者として認められたものだけが所持が許されています。外の人が、こちらの村に入るために必要な入村許可書より、より強力な証明になります。主にそのためにできたと言っても過言ではありません。内側の方にとっては当たり前にもらえるものですけど。外の方はまずこれを得るために、仮カードしかもらえませんから。」
なぜ、両ひじをテーブルにつき顎の下に両手の甲を重ね・・・。目が真剣な分、真面目ではあるんだろうけど格好がおかしいし、顔が超近い。過去こんなに初対面で顔を近づけて、しかも堂々と視線を外さない人はいなかったと思うほどに。キラキラしている明るい印象は瞳に凝縮し、顔から視線が、瞳から視線がそらせない。
なるほど、これはすごい技術かもしれない。
「外で生まれたハーフエルフ、エルフ、人間、獣人も仮からほんとのカードにできて移住できるって事ですか?」
僕も真面目にひじをテーブルにつき顎の下に両手の甲を重ねる。それに眉がピクリと動くと同時に「やりますね・・・」と謎の一言。
良く分からない真剣な雰囲気と嘘がつけない状況になった。
互いに顔が少し熱く、でも瞳はまっすぐ見つめあう。
「かなり大変ですが。稼いだポイント次第ですね」
「本当・・で・す・ね!」
かなり大事な話だ。
これが嘘だったり、後ろめたいルールがあるならば、これからの活動にも影響が出そうな話だからだ。外の人でも移住ができる。この制度はそれを保証する制度でもある。
難しいようだけど一縷の希望に他ならない。
「嬉しそうですね。また、これはギルドカードとも連携していまして、外からこの町へ移住する方はギルドカードの功績を放棄してポイントとして貯めることができます。外での活動が不可能になりますので、それを駆使すると可能です。逆に言うと、それをしないのであれば、かなり難しいです。併用も難しいところがあります。」
「シンラへも?」
「シンラには、外から移住した方々は、同心制度で多大な貢献をした方でも、種族によっていけません。これは掟です」
「安全対策のためですね?」
「はい!こればかりは。土地も限られ、技術、知識の流出を防ぐためでもあります、シンラは技術の結晶でもありますし、ギルドカードを放棄されても、ギルド自体が何らかの理由で悪性になった場合、影響を受けてしまいますので」
「ギルドカードとの違いをもっと詳しくお願いします、併用が難しいというのも?」
「はい、ギルドカードも依頼を相当期間受けていなければランク落ちなどのことがありますよね?ご存知ですか?」
「Cランクからだと聞いています」
「そのとおりです。ですが、それも何かしらの依頼を受けていればよほどのことが無い限り落ちたりしません。その点、町方同心は、1年で消滅します」
「消滅!?」
「はい、記録はもちろん残りますよ。半年以内であれば使い切ってしまえば良いだけですし。ですがランクも落ちます」
厳しい・・・意味合いが違いすぎる。
「ここが一番驚かれますね。ですが、エルフのどこかしらの村に住んでいれば全く問題ありません。ポイントは譲渡もされますし、連年で1万ポイント以上を稼ぐ場合は元のランクの二つ下から引継ぎも認められますから。こうすることで、初心を忘れず、さらには難しい仕事を若手がする機会を得ること、指導側も傲慢にならないようにするなどといったメリットがあるんですよ」
「なんで消滅なんて・・・記録はできるとしてもやりすぎ感があるような。それに仮の人は・・」
僕は、肘付きを保っていられず、背もたれに体重を預けた。
寂しそうな顔を見せるリンリンさん。ああ、仕事熱心だなぁ。でも・・・厳しいよ。これは。
ふむと、リンリンさんも一旦普通の姿勢に戻る。けど、ピンと指を立てて説明を続けた。
「ご安心を。仮は、記録や認知度で言い渡されます。さすがにこの制度だけで住人になることはできず、これを証明として用いて、村が決定するという手順を経てなりますから。難しいことには変わりありませんけどね。あと、消滅に関してはギルドは地位という意味合いも強いですが、この制度に地位というのは似合わないという意味合いもあります。また、ポイントを貯めに貯めて一気に使われたりすると村の財政にもかかわるので、このような仕組みになっているんです。決して外の人に対して、無謀な夢になっているわけではありませんよ」
「なるほど・・・」
「ギルドカードは冒険者のために作られた規則、報酬、義務や権利が発生しています。町方同心はすべてがエルフの里のためにできている制度です。具体的に申しますと、依頼内容は圧倒的にお手伝いのようなクエストが多く、討伐も狩りが多く、危険度な討伐依頼は少ないです。報酬も町から規制もされて過度な報酬の値上げ、値下げを禁止しています」
「そうなんだ・・・」
うぐ・・・あげて落とす・・・。そんな感じがした。
すると今度は町方同心のカードを渡してくるリンリンさん。
もらう手を握り締めてきた。え?と見上げると
「つまらないですか?」
「え!?」
にこりとした、ふんわりした雰囲気でこちらを見つめてくる。
心を読まれたみたいだ・・・。
「いえ、結構多いのですよ。ここまで話しても、ギルドの依頼のほうが好きな方は。ただ、ギルドと違い、生存率、証明力は比べ物になりません」
「でも有名な人って」
「有名でも粗雑、乱暴のかたも多いのがギルドです」
「ああ・・・。つまり町の人に好きになっていただくような?」
「はい、その通りですね。あと、統治に参加しているという認識がつきます」
「???」
「この町方同心という制度で物心ついた子供から老人までの年齢の幅が広いのは年齢制限が無いということです。その理由がポイントの活用、反映の仕方にあります。例えば、買い物をした場所、いった場所など、お金の代わりにポイントを払ったり、ポイントを寄付した相手が全て記録され把握されます。これは統治される文官の方々をはじめ、村長等が数字を参考にされ村の方針に寄与するんですよ。一年に一度の定例方針会の後、公告もされますよ。応援したい人や、店、物、傾向が分かるのです」
「そうなんだ・・・それは、そうか・・実感が沸く?」
「すごいです!ちゃんと理解できるなんて!」
「そ、そうかな?」
ええ!ええ!と、本当に嬉しそうにしてくる。
少し嬉しい。
「特に十手持ちといわれる方、高ランクなかたは、ある程度の優遇も受けれます。お金の代わりといっても何割までや「ご勘弁」、つまりポイント払いの拒否なども自由ですから。住んでいる人にとっても町方同心制度は人気です!ちなみにポイントで支払われれば、半額が町から支給されます。5割ポイントで支払えば、その店は2割5分の利益と元値という感じで村の経営も大丈夫です、ご心配無用!」
この人、僕が・・・村の経営とか、将来のことも考えて説明してくれてるんだ。
すごい・・・。リンリンさん。
ごそごそと何かを取り出している。その見た目はまだ、幼さがあるように見えるのに。
僕がいうことじゃないけど。イルの村にはいないタイプだ。
「み、ミスリル!・・・十手ってそれですか?・・・リンリンさんの!?」
「綺麗でしょ?ご明察の通りミスリルなんですよこれ!もちろんわたしのです!えっへん!」
「うわぁ・・!」
「ちなみに高ランクになっても維持費として結構なポイントが必要です。これは高ランクの証でもあり、現役の証でもあるのですよ」
「綺麗です・・・ほしいぃ」
「実際武器としても優秀ですし、売ってもいいです。売った場合は次に頂くことができるまで2倍になりますが」
「頑張ります!」
「こんな感じで、一個だけ機能を付与できますので、どうですか?似合いますか?」
「すごい、形態を変えれるんだ!すごく似合います、かっこいい!!」
「ふふ、そこは綺麗といっていただければぁ、わたしの武器はこれ、そしてこの笑顔ですから」
「どうやってもらったんです!?どれくらいかかりました!」
「良くぞ聞いてくださいました。わたしはここの看板。つまり自分で言うのもなんですが、綺麗で可愛くて、優しく丁寧という評判でいただきました」
「面白いかも」
「どういう意味ですか?」
「いえいえ!悪い意味ではなく!もちろん綺麗ですよ!」
「冗談です。やる気を持ってもらえて嬉しいです」
「すっかり、乗せられちゃいました」
「ギルドもよろしいですが、こちらの同心制度どうぞご利用下さい。特に!この村では私のご指名を!あ・・・言い忘れていましたが、ポイントの強要は禁止されてますので」
「はい!がんばってためなきゃ!」
「初めて登録しにきた子供だわ、こういうところは」
「はい?何か言いました?」
「いえいえ。あ、そうそう、リエン様の偽名はこちらでよろしいですね?それとご相談の伝言が届いていますので、ソルもしくは、四村のうちのどれかへ着かれたら早めにオカッピキにお会い下さい」
「おかっぴき?」
「あ、失礼。業界用語でした。マスターです」
「分かりました。マスターは4人いるということですか?」
「そうですよ、ここみたいな支部にいるのは、支部長といいます」
「良く分からない名前の付け方ですね」
「わたしも最初はそう思いましたが、勇者様の趣味が覚えられている範囲で伝わっているんです、昔はこういう感じで変な頭をしていた人もいるそうですよ」
といって絵を見せてくれたけど、ぷっくく・・。
頭をそって髪を真ん中で束ねてる・・・面白すぎる。
「絶対嘘だ。あははははは!」
「ですよね!これはないです!」
「「あはははっは!」」
なんだか詳しい説明はごちゃごちゃしてたけど、要点は理解した。
普通小さい子には、お母さんに聞いてとかで対応するらしいけど、僕は頭がいいってことで大変褒められた。面白かったこともあり、リンリンさんが人気な理由も分かった気がする。そのあとつい、長話になってしまった。
主にはいとしか答えてなかった気もするけど、希望がこんなにもすぐに見えて浮かれていたのもあったと思う。
さて次ぎはやっとクエスト!w




