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舞さんと訓練開始 魔力共鳴 

この話、ちょっとその~えっちぃですので嫌いな方は読み飛ばしてください。

飛ばしても問題ないようにします^^

おかえりなさい、舞さん」

「うん!ただいま! じゃ今日はお約束の訓練だよ! よろしくね!」

「はい、ではいつもの島で!」

 街娘(お嬢様がた三人)と別れ、バスの運転手に怒られたあと、帰宅した僕は、舞さんからッピピという合図を受け、基地内へ転移で迎えに行った。

今日はこれからとんぼ返りではなく、あの無人島へ転移で移動だ。

明日は舞さんがお休みで、魔法の特訓をしたいと言って約束どおりというわけだ。

また、僕の訓練をということでもある。

 さっそく抱きつく舞さんと移動したのは砂浜に近いうっそう地帯。

 万が一人がいた時のために、砂浜へはいきなり転移しないことにした。

 相変わらず美しい海と潮の香り、まだ夕日にははやいがいつきてもいい場所だと思う。

「さてとん! 準備運動からしましょう! わくわくする!」

「準備運動?というと、体育の前の体操ですよね」

「そうだよ! さ!」

 舞さんが手を引きつつ僕を急かせる。その間にも僕は周囲の状況、索敵と人の気配を探るがまったく感じない。

 常に索敵できるように魔法陣を使った広範囲系統の索敵も覚えよう。

 砂浜に着いたら舞さんの動きを真似て、体操をする。

腕を上げて足を曲げて「いっちに!いっちに!」と、これは結構気持ちいい。

怪我をしないため、よりよく体を動かすため体を温めるに特化した運動。

正直に言うと、最初は抵抗があった。動き自体は変だから。

そして次に柔軟。

「はぁわ・・・ふぅ、ふぅ~とてもいい~」

 砂浜に座り、手を伸ばし体重をかけてくれているけども、妙なところで気を抜く。

「舞さん、ふざけないでください。もう少し強めにお願いします」

「柔らかいね~。どうなんってるんだぁ。むふー超密着、これは精神修行になるよ」

「舞さん・・・まじめに」

「イエッサー」

 何度見てもきれいだ。夕日がまもなく沈むといった時間十分な準備体操だった。

「じゃあ、僕から教えるってことでよかったですか?」

「はい、先生!」

「せ、先生?」

「だってそうでしょ?夢が一個叶ったよ!」

 ふんすといって喜んでいる舞さん。

「じゃあ、魔法って言っても魔力の操作が基本になります。まずはそっちからですが魔力を感じることが初めになりそうですねって僕も人に教えるので偉そうにはいえませんが。しかも人間にだから、うまく説明できなかったらすみません」

「いいよいいよ! 本当の魔法使いに教えてもらえるんだ! 贅沢は言わない!って、瑠音君人間じゃないの?」

「い、言いましたよ。僕は、ハーフエルフです、人間からは亜人族のなかでも忌み嫌われています」

「ああ、そういえばそうだったね~! あまりにどうでもいいスペックで聞かなかったけどどうして?? 何かあったの??」

「人間とエルフの間ですよ・・・つまり」

「舞ドリームだよ!」

「えっと?」

「いや、すばらしいじゃないって話!」

「すばらしいなんて言えるのはこの世界の人たちだけですよ、良くて差別なし、悪くて虫けら同然の命ですから」

「謎だね、まったく分からん・・・見えてる世界が違うのかな?う~ん・・・」

 この人は・・・・あっさりと、何度も壁を越えてくる。それが心地良い。この世界の幸せをアルブに持ち帰るということも、考えていかないと。

 とても険しいだろうし、あるいは簡単にできるのかもしれない。

 ここにハーフエルフを連れてくれば?

いや、できるかどうかも怪しいし、今考えても仕方ない。

召還魔法についてはどうだろう・・・ふむ、勇者様も召還された人だし、これはシンラ様に聞いてみるのもありかもしれない・・・

 それと、舞さんには訓練が終わった後に言っておこう。

もとの世界の情勢と・・・これから危険な目にあって命を落としたら帰ってこれないかもしれないことも。

「ああ~ごめん!話しおっちゃったな!」

「いえいえ、不安にさせてしまいましたか?考えごとしていました」

「全然! よろしくお願いします!」

 ふふ、子供みたいだ。

「では、まず、魔力を確認します。どんな生物にも魔力が通っています。そこで確認なのですが、魔力が高まるっていうのを意識したり、こちらで言う魔法の物語で心当たりがあることをいくつか試してもらっていいですか?」

「了解!」

 舞さんがいくつか動きをしてくれた。

一つは、瞑想に近いもので座禅というもの。全く動かずに、正座して目を閉じ、意識を集中する。この時に言う意識とは呼吸と無意識「無」という概念らしい。

二つ目は、詠唱に似たもの。読経という、こちらで言う神への言葉を言うらしい。

三つめは、自己鍛錬、想定訓練。シャドーボクシングと似たようなもので、相手を想定戦闘をするという。

四つ目は、溜めに似ている。「か~~~~め~~~れ~~~お~~~ん!!」といいつつ、手から何かを出すという。ちょっと意味がわからない。

五つ目は、呪詛に似ていた。そして呪詛だった。人形を取り出し、五寸釘とよばれる大工道具でさしていく。ちょっと怖かった・・・

 この五通りくらいだと言ってくれた。

「四つ目意外は全て必要なことですね」

「え!?」

 そう、四つ目も必要にはなるけど、魔石や杖があれば代用が聞くし負担も少ない。

「嘘でしょ・・・魔力が使えてるって言うこと?」

「はい。歪で、完全に魔力を形成しているということではありませんが、マナの動きやたまりは感じました。戦闘にかんしては、魔力の形成も見られますがこれは面白い発見で僕も研究中です」

 それに面白いことに、普段魔力は色が人によってでるのだけど、これは体内にあるときは変わらないはず。だけど舞さんのは、読経というのをしているときは光属性の色に似、戦闘の時は火、禅のときは水、呪詛は真っ黒と既にイメージが魔力に影響を与えていたこと。

 これは非常に面白い性質だ。うんうん・・・収穫収穫。

「マナ? 魔力とは違うの?」

「えっと、マナというのはそうですね、依然教えていただいた空気とおもってください」

「ほむほむ・・・」

「魔力は・・・そうですね、呼吸のようなものです。自分に取り込んだ空気は、体で生命を維持するように、とりこんだマナは魂に良くも悪くも影響します、呼吸もしすぎると逆に苦しくなったりするように、人にはそれぞれ自分にあった呼吸法があるように、魔力変換の仕方や魂の器が存在します」

「おおお!!何となく分かった!」

「飲み込みはやいですね!」

「うん? 今の説明はすばらしいと思うよ?」

「そうですか・・・大人いや、さすが賢者の・・・僕は最初聞いた時、意味すら不明でしたが・・・」

「ん?」

「いえいえ。こちらの話です。原理を理解すると早いですから、あとは魔力を感じていただきたいです。そこでですが、人間とエルフの決定的な違いがここから出てきます」

「そうだよねぇ~でも、瑠音君のとこって人間も魔法使うよね?」

 あれ?まだ言ってないのに・・・納得した?まぁいいか・・・

「はい。使います。特に身体強化は使いますね。あと、人間に特有なのは武具と連動したスキルの発現が多く見られるという話です」

 この世界に来て、その究極を見たような気がしますが・・・

「やっぱりなぁ~って感じだね」

「そうですか・・・。」

 何で分かるんだろう?種族の違いってことで納得したのかな?

「何が違うんだろう?」

 って?え?・・・まぁいいか。

 舞さんもさすが賢者ってところなのかな?

 種族の違いで普通は納得するけど、深く考えると・・・なんでだろう?

 知らないぞ、あえて言うなら妖精族でありって・・・それじゃ一緒になる。

うーん・・・今度聞いてみよう。とりあえず・・・

「種族の違いによるものとしか言えないです。そして同じ人間と人間の違いで言えば、魔獣や魔人が存在していないというのが大きいと思います」

「接触の機会がないから、気づくことなく暮らしているってことか?」

「そのとおりです」

「う~ん、なるほど。身体検査とかではでないのかな?」

「身体検査がどういったものかを知らないのですが、検査ならできます。水晶を使ったものですが非常に高価で特殊な技術が使われているものですが」

「水晶・・・まゆつばじゃないんだ」

「金属や宝石などは魔力を込めやすいんですよ」

「ほうほう・・・やっぱりかぁ」

 少しほっとした。僕に分かる話題に戻ってきたから。

 それにしてもすごいなぁ、そんなにぽんぽん質問できるなんて・・・

「あとは感じることですね、そこはきっかけさえあれば感じます。例えば殺気、これは最近知ったのですが、気力だけで相手を萎縮させるものがこちらで言う殺気。ですが、威圧というスキルでは魔力を必要とします。試してみますか?」

「もっと可愛いのはないのかな」

「可愛いですか?・・・音魔法(真)でしょうか?ですがこれでは感じにくいようでした」

「・・・・後で詳しく聞かなければならないと思うけど、殺気とかその魔法とかどのタイミングで使ったのかとかね・・」

「・・・・はい」

 しくじった。

 舞さんは基本、天真爛漫だけど切り替えスイッチともいべきか、あの電気のようにぱちっと雰囲気や思考が切り替わる。口調もそうだ。器用な人だし、油断できないと思った。

「じゃ、やってみてよ!」

「ではこちらで言う殺気です」

「・・・・・・・・・戦場にいるみたいだけど、本気じゃないのが分かるなぁ、可愛くさえ見える、ふふ」

 まぁたしかに、これは気持ちの問題。なかなか難しい・・・。

「感じさせ方、感じ方ですからね。では威圧、最小で行きますがこれは発動させると気持ちに関係なくなりますので誤解しないでくださいね」

「するわけないじゃん、どんとこい!わたしも軍人だからね・・・いいよ」

 おお、また切り替わった。

 では・・・・

「!!」

 舞さんが体をこおばらせ戦闘態勢を取った。

威圧を解除すると・・・ペタン・・・となったけど。

「という感じです」

「こ、怖いというか・・・体がぞくりって本能的に構えちゃった。けど、文字通りぞくりとして動けなかった。力も抜けるし、これはすごい・・・金縛り?みたいだ」

「そうですね、相手が持っている魔力に影響しますから、体が反応というよりは魂、精神的な反応が如実にでます。・・・立てますか?」

 手を差し伸べて立たせようとするけど、舞さんが・・・

「ちょっとこうしてよう!なんか悔しい」

「しょうがないですね~」

「なにが悔しいって瑠音君を信じれなかったみたいで嫌だった」

「これはだれでもそうなりますよ」

 ふさふさと頭をなでてあげる。

 少しむくれさせてごまかしているけど、結構本気で悔しがってるみたいだ。

「ほにゃ~~~」

「でも、威圧はこちらの人でも、使っているようでしたよ。無意識にとはいえ、基地の方は特に」

「そうかなぁ? 今までで一番怖かったよ」

「技術の違いです、弱い魔獣に重宝します。実力さが分からないものに、強制的に知らしめることができますから。ある程度強くなるとやり方が変わりますし、よく使うスキルの分類ですね」

「そうなんだ・・・」

「舞さん・・・あの?」

 もうちょっとだけと今度は抱き寄せて僕のおなかにもふもふしている。

 まぁ、初めての時は未知で僕も怖かった。

「よし! これでわたしも使えるかな!?」

 すぱっと立ち上がってそんなことを言うけど、無理です・・・

「じゃあ、地道にやるしかないのかな? やるけども!」

「そうですね、魔力の操作は地道にやるしかないのですが、魔力を感じることは今みたいな方法で慣れたりして体が覚えてくれますよ。ま、この場合魂が覚えてくれるというところでしょう」

「じゃあそれで! でも他にない?手っ取り早いの?」

 普通ならないのだけど、さすがに軍人だけはあって可能ではある。

 僕は魔力に関してや魔法に関して、舞さんを信じているから今のところ隠そうと思っていない。

 舞さんが僕を信じてくれるように、惜しみなく教えてくれるように。

あれだけ苦労した過去があっても不思議と笑みが出てくる。

「瑠音君? その様子だと?」

「大丈夫です。あります」

「やったぁ!できるのね?」

「はい、最初にやっていた座禅?でしたか、あれを僕と手をつないでやりましょう。魔力共鳴といいます。瞑想の基本はできているように感じましたので可能と判断しますし、体も基礎体力以上のものがありますから。どうしますか?」

「もちそれで!武術やっててよかった!」

「ただ、これは無理をすると逆効果でもあり、危険ですから気をつけましょう。絶対に無理はしません。様子がおかしくなったら中断しますね」

「何か心構えはある?」

 また、すぐに意識を切り替える。

なんかすごいを回ってこういう人なんだと、おかしくなってくる。

面白い。

「命に係る?とか・・・瑠音君の命にかかわるならわたしはいらない。断固拒否するよ」

「いえいえ! まったく、すみません。ゴホン・・・・命にとかはありません。お互いに、ただ異性である場合は、共鳴を受ける側の方は特に気をつけるようにと。ありえないことですが、こちらでありえてしまう大人の方への注意でそんなものがあったかと。子供であれば問題ないので思い出すのに時間がかかりました」

「よし!わかった!」

「大事なことは、僕という他人の魔力を通して反応する自分の魔力。それを感じ決して見失わないように。見失うという意味が僕には分かりませんでしたし、簡単ですよ。ちなみにこれは、英才教育の一つでもあり、僕がすごい人であることを示しています。どや」

「おお! 先生どうかお願いいたします!!」

 ふふ、弟子というのは結構いいものです。

先生といわれて驕る人が多いのもうなずけてしまう。

ここにきて教えてもらうばかりで、やっと教えること、恩返しができるというものもあいまって。訓練が楽しいとはじめて思えます。

「では、座って手を、座禅?をしてみてください」

舞さんが集中していくのが分かる。

座禅をしている時の舞さんは、だんだんと舞さんが水色に染まっていく。

これは不思議だ。

鑑定しなくても水属性が得意なのが分かる。

ひょっとしてこういうのを水晶でみせるんじゃあ?

ふむ・・・って今は・・・

集中しきった舞さんを横目にみるけど、真剣そのものだ。

こういうとき、ちょっと男性的でかっこいいなぁとおもう。

さて・・・僕も目を閉じる。

 舞さんからしたら凶暴までの魔力を操作して、少しずつ流しては振るわせる。

 小さく振動させ、色をつけるように。

 少しずつ塊を霧散させつつ、山の氷が溶け出すように、ゆっくり、優しく、雪に染みわたり、雫になり、また凍ってその上を這うように・・・少しずつ少しずつ舞さんへ流していく。

 滑っては止まり、木々の命になる。土をほぐす、道を作る。さらに道を進み、知らせるのは春の訪れ。

 大事に大事に・・・壊さないように・・・



『あ・・・・冷たい・・・』

 でも、何かがわたしの体がここにあるってことを教えてくれる。

 手が少しずつ暖かく、まぶたの裏でわたしの手だけがまるで見ているように。

 透明な手の形、指にぽつんぽつんと伝わっては教えてくれる。

 気づいたそばから体温とは似て非なる温かみが沸き出でてくる。

ツーーっと腕とわかるそれに、一点が垂れて、それに追いつくように暖かいわたしの何かが目を覚ます。

「ふぅーーー」

 息を吐くと、左てのひらが暖かく反応する。気持ちいぃ・・・

 どんどん腕から伝う流れとは別に、全体的に私が見えてくる。

体の輪郭がまるで雪が降って知らせてくれるように、体の線がくっきり見えてくる。

 流れが温度を与えて伝わる。途端にイメージがしやすくなった。

 わたしの着ている服さえもまぶたに映し出されている。

これが魔力・・・。

瑠音君の魔力は雪解け水、わたしはちじこまっていた名もなき大地だ。

今なら分かる、わたしはここにいる。

神埼舞はここにいる。

しだいに伝わってくる瑠音君の魔力との違いがはっきり分かってくる。

ひんやりした指先はイメージとは関係なく直接わたしを這い流れとどまって包んでくれるように。

這って、もっとわたしを教えて・・・知らせられた体が暖かくて気持よくて・・・・

その感覚がとても・・・いい。

もっと身を任せ、全部預けたいって気持ちになる。

・・・・・・・・・横になって、わたしは今、魂を感じている。

もうひとつの体が生まれてみてとれる。

「はぁ・・・はぁ・・・」

 なんだろう・・・素っ裸で何かを感じていたのに、喜びが這って、どうでもよくなる。

わたしの形成された体から今度は臓器へしみこんでいくんだ・・・・

 身動きしてしまうと服も表れるし砂粒も感じ取れる。

 でも体の外、服や砂粒を感じようとするとした途端にあっといまに闇に沈んでいく・・・何かが抜けた気がしたと同時にまるでなかったように、闇が足を引きずりこむ・・・

今のは嫌だ・・・わたしの足が闇に落ちてしまったようだった。

「くあ・・・」

「大丈夫落ち着いて」

 そこへまたひんやりとした魔力が這ってきては温度を取り戻してまた流れていく。

 透明なコバルトブルーのような瑞々しさ、ひんやりとした指先のような魔力が這ってきて、それに私の魔力が呼び覚まされて絡みつく、すると足が形成されて・・・。

 「はぁ・・はあっ・・・はぁう、瑠音君」

 あつい・・・でも・・・気持ちいいッ!

 強引な気持ち直しってことは分かった。でも嘘のように不安な気持ちは消え去り、それがとっても

「いい・・・」

 全体の私というものが見えるようになって、それと平行して手や腕が中身を脈打つように覚醒されていく。やがて首、そこから上下に分かれ、二倍に感じる・・・。

唇をなでる・・・胸まで・・・っ、はぁ・・・はぁっ・・・おなかに触ってる・・・

 る、瑠音君が触って・・・中に染み渡りは、入ってくる・・・とっても気もちいぃ。

 だんだん求めてるかのように私の魔力が急ぎ足を始める。あつい・・・

 熱くなる、ううん、熱くなれそしたらまた、るいんくぅん、早くさまして・・・わたしはここ・・・

「はうあ・・・はああ・・」

 絡まってく、瑠音君の魔力に赤い奔流が触れては絡み取られ飲み込まれていく。飲み込まれればあとは脈打つのみの心もとないわたしの魔力だけ・・

 まって、欲しい・・もっと絡んで、絡むの・・・絡んでわたしを・・・わたしを・・

 あつぃ・・・はぁ・・・これがまりょくぅ・・

 身をよじる!

 !? アっ!・・・すぐに消えては補充されるこの感覚!

 そう、これ、これいいっ。

「はぁんぅ・・・あっ・・・いい、とても・・いい」

「舞さん? 感覚が分かってきたんですね、無理しないでください、あと動かないほうがいいですよ、逃げちゃいますから、抜けた時の不快感が魔力を使った証拠です、霧散して・・・○×※△」

 瑠音君・・・が何か言ってる・・そう・・・もっともっとよね・・・気持ちいいもんね。

 抱きしめるとかそういうものとは違う、感じたことがないほどの気持ちよさ。

 これ、あああああぁ・・・いい、とっても・・・いい

「舞さん?」

「はぁ!はぁん!・・・いい!いいよ、もっと深くもっとつよく・・・」

「ちょっと舞さん!?」

 ハァッ!嗚呼!アア!・・・・・プツリ

 

「大丈夫ですか?舞さん? まだボーっとしてますか?」

「ふぇ、お、終わっちゃったの?・・・良かったよ、瑠音君」

「良かった、できれば、離して欲しいのです、駄目ですよ動いちゃ。途中から無理もしたみたいですし」

「あ、うん、え、えへへ・・・・」

「舞さん?本当に大丈夫ですか? 魔力切れはしてないようですし、大分落ち着いたと思うのですけど?・・・」

 ペシペシ・・・・と頬を打ってみた。舞さんはぽ~としてて、これはもしや、魔力酔い?

「うん・・・いたい?・って!?」

「はい?」

「わ、わたしは・・・・服着てる!?あ、あれぇ!? 夢!?って!!!!?」

「ど、どうしたんですか?」

「ちょっと待っててててりゃあああ!!って高いぃいい!」

 それはもう豪快でした・・・!って観察してる場合じゃない。

 酔わせる量じゃなかったけど、あの途中で操作してる気配を感じた。

 きっと無理したんだろう・・・それに今は僕の魔力も残ってるから、3メートルほど高く飛び上がってる。

 これはこちらの人間では普通じゃないと思う。

「舞さん!そっちは海です、落ち着いてください!冷静になれば酔いはとれるはずです」

「あははは! つ、冷たくなってきたねぇ!海も!うん、そう、酔ってたみたいだよ!」

「良かった。意識はしっかりしてますから、本当に軽いですね。そもそもなるはずはないのですが、無理するからですよ」

「あ、あはは!面目ない」

「乾かしますからこっちに来てください」

「そ、それは困る!というかなんというか! 今日は戻ろう! な!いいだろ!足が動かなくて!」

「疲れちゃいましたか、確かに初めての時は戸惑いますし、身体強化してましちゃったからだと思います」

「は、初めて!うん・・初めてで!!ってわたしぃはなんてことをぉ!」

「大丈夫ですよ、手を」

「うん」

 転移のイメージをする。

 僕らの家、場所は台所がいいかな。たたみだと掃除が・・・

「あ、瑠音君、よろしくお願いします。・・・・末長く(ぼそり)」

飛ぶせつなの瞬間だったから

「つきました?最後のほうなんて言ったのか聞こえなかったのですが」

「か、体が冷えちゃうから! シャワー浴びてきます!」

「あ、はい」

「あれ・・・足が今度は本当にいや!今度も本とに動かない!」

「魔力使って体が慣れてないからですよ。おぶります」

「だ、だいじょう~~~ぶ!わたしはそう!軍人!這ってでも!匍匐前進できるから!」

「そうですか?・・・自分に厳しすぎるような」

「いやいやいや! 任せて! お願いだから!」

「分かりました! その心意気すばらしいです」

「うぐ・・・め、名誉のために・・・神埼、これは罪だ・・・いけ、いくんだぁ・・・」

「・・・・・すごい、こっち見てするんですね」

「うん・・・」


一人残ったキッチンを雑巾で吹き上げることにした。

そして言わないと。

今日の夜、アルブへ戻る。舞さんにも話をつけて帰る。

早々に危ない目にはあわないと思うけど、シンラ様次第では分からないから。

 

 それにしても、舞さん、偉く顔がこわばっていたなぁ。メリハリがはっきりした顔で、口調はいつもの感じ。混乱したんだろうな・・・。ふぅ、僕も新米先生だからかな。ふふ。

お読みいただきありがとうございました^^

また、ブックマークしてくださった方が1名増えました。

本当にありがとうございます、お盆明けくらいまで延長して考えたいと思います^^

それにしてもまだまだ暑いですねぇ^^:

よい、お盆をお過ごしください♪

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