夕日、明日へ
夕日と裸ひとり
「綺麗な夕日だ・・・・ん?」
ざー・ざー・・・・
何の音・・・湖?
「僕は・・・あれっ・・・ここは?ってうわぁ!」
かさかさかさという音に警戒して上半身を起こすとそこには!
「ちっさ、てい」
僕は、小さなクラブを討伐した。
なんて小さいんだ、毒をもってるとかじゃ?
結界がなければ、やられていたかもしれないなぁと思ったけど、すぐに疑問が起こる。
「け、結界が発動してる? ちょっと待った。ってことは死んでない? じゃなくて、こいつちっさ・・・クラブって子供は土の中で成長するって話じゃなかったっってそうじゃなくて、僕は死んだはずじゃ、そう!そうだぁえ!・っ」
なんて綺麗なんだ・・・そして大きい・・・・
起き上がって、自分の状態確認に夢中になっていたが、今は目の前の光り輝く・・・
「もしかして・・・海?・・・なのか・・・・なんて・・・綺麗で、おっきい」
感動していた。
ここは、あの世というものかもしれない。
しばらく海を見て僕は警戒を忘れてぼーーっとした。
日没後
「いつまでもこうして入られないか・・・装備品は壊滅的だなというより素っ裸・・・よく生きてたなぁ、結界がパッシブになってるからかな? あとで確認しないと、ギルドカードはないか。そりゃそうか・・・記憶で見るしかないかな。 とりあえず、隠れないとここじゃ食ってくださいってのと同じだからなー」
既にしゃがみこんで辺りを見回すが、聞いていた海の魔物は見当たらない。クラブもいない。
砂というには美しすぎる、小さい砂粒に貝。
これならと、自分に掛け捲った。保護色のためだ。
エルフの精鋭は勇者の指導により、こういったことをすぐにする。
無論僕もそうだ。
静かに、移動を開始、足跡を消すことも怠らず、良くしなりそうな木、雑林とさわるとちくちくしそうなうっそう地帯へ移動する。
耳を澄まし、海の音を確認。
うっそう地帯へ流れる風から情報を得る。
「静かだ」
つぶやいてみたものの、これって結構変な状態だなぁと少し照れつつも、陰部には途中で拾った、毛がまとわりついたような硬い実。それが割れたものを手に入れ、ツタでぐるぐる巻きに固定し、つたは、腰だけでなく全身へまわしていく。
擬態として、大き目の葉をつたへ差し込んでいくと、はいできあがり。
グリーンマンこと、エルフマンの誕生!
ぱちぱちって・・・
僕は結構寂しがりやだということを認識した。
そう思うのも仕方ない。
だってカマラが大きいし、一個しかないし!
イアカはどこいったの!?だ。
朝から昼に生命に命を吹き込み、時には枯らす、カマラは一個しかない。
もう一つ蒼い星、マナの源といわれるイアカはなし。
変わりに青白いものが浮いているようが、半分かけている。
風の頼りも、静かだよって、嘘みたいに静かで獣の声もしない。
なんて都合のいい情報。
危険だと思った僕は、星が少しかたむき、イアカの半分っぽい星が何度か幻想的な雲との出会いと別れを繰り返して、ようやく決意する。
立ち上がり、一人が焚き火をして衣食できる場所を探すため奥に進むことを。
耳を澄まし、風を読み、そして
「よし、ここなら、でてゴブリンぐらいだ。ゴブリンくらいなら、魔力も使わずにこの棍棒で十分逃げ切れる、魔力も温存したからあとは確認しだいだけど」
胸に手をあて、強く思う。
ギルドカードは消えても、魂と結合しているから、呼べば答えてくれる。
もし、魂が残っているならば、僕には見えるはずだ。
緑色で僕にしか見えない、生命の記録。
詠唱は
「エピーリァ」
いつもどおりだった。
目の前に、自分の情報が一枚の透けた巻物のように現れる!
「で、でた! 良かった、本当に助かったったんだ! 魂とかもうあきらめてたけど、いきてるよぉお!」
不安だったのが少し解消されたところで、小躍り。
どうせ誰もいないんだから。
そして場所は・・・異世界?地球? 意味不明なんだけど。
ぽとりと持っていた棍棒を落とす・・・気を取り直し、
次だ次・・・健康状態は・・・バッドステータスはないな。
体力と魔力、結構上がったなぁ。中級かぁ・・・体力はそれでもいいほうだね!
魔力は上級か。って上級!? お母様と同じ!
固有スキルは、ついたままって、あれ、二つ増えてる?
固有スキルって増えるんだっけ?
「これはいいことよ! うん! いいこと、ボクナニモカンガエナイ! 壊れてるなんてコトハナイハズ!」
再び棍棒を持ち集中する。
「星に願いを?と、時空魔法?」
聞いたことが無い・・・ってギフトがついてる!
「創造神の加護! これはいいことだったぁ!!」
生まれて初めてかもしれない歓喜!
安心と希望が見えた!
詳しく意識して先を急かすが、巻きがすすまない。
あれ・・・
と、その時だった。
『感動させてもらったよ・・・君をサンプル?にして僕は世界を考えたい、そこで星に願いのスキルと便宜上、時空魔法を与えたよ、ついでにレベルや知力、体力も上がりやすくしてあげたから、冒険者でも遊び人でもいいから、どちらの世界も動き回ってほしい。安心してほしいのは、即死しないように、即死無効と死に対しての回避の自動と隠蔽の発動は組み込んだよ。世界が違うとひょんなことで死んだりしたらおもしろ・・参考にならないし、隠蔽は他の神とか、いろんな人にばれると困ると思うからそのとき勝手に発動するよ。大丈夫!どーっんといってこい! 久々にいい物語でしたぁ。乙、ボーナスだよ。ほかにも、加護の効果あるけど、おいおいなれてね、はっきりいってすごい加護だけど、色々気づいたあとは人生大変だろうからさ、これぐらいはね。スキルとか、加護のことちゃんと理解できるように使えば分かるからようにしてるよ! さぼってるんじゃないよ!とにかくやればいいんだよ! やれば! 頑張れ! なおこれは幻聴ではありませんが、二度と聞けません」
「ごくり・・・・うーん、まぁおいおいだな、とにかく本当に助かった、そして強くなった! それは間違いない! 考えちゃ駄目! 考えちゃ駄目だ! 寝よう寝よう! いい神様! いい神様! いい夢を見るんだ!いいゆめを!」
そのためにもと、忘れるかのようにして、立派に作ったベースキャンプ。
探知魔法で敵がいないことも再度確認した。
「とりあえず、これで隠れ蓑はいい! 遠吠えも、咆哮もない、強いてうなら、鳥の鳴き声と海の音だけ・・・まさか、いないのかな・・・魔物・・・希望的推測は危険だな。少し探索、木の実や食材をさがさなきゃいけないけど、とりあえずは、今日は・・・おやすみ」