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エレナの気持ち

リエン・・・私はいつまでもこの子に甘えているだけなのかしら。

「エレナ様。いや、エレナ・・・君のやり方を否定するのは生き方を否定することになるから言わない。さっきのはやりすぎだったが、結果的には良かったと思うよ」

「ギル・・・私はちゃんと母親でいれてる?」

「気づいてないかもしれないが、リエンはエレナを見る時だけは、子供らしい期待の眼差しをしているよ、わたしはそれが羨ましいくらいだ」

「そ、そうかしら・・・でも抱きついてくれた」

「あ、あれはなんか必死だったが、まぁ、心を開いていないと無理だろう。私たちはエルフだ。肌を許すことは仲間でも難しい反応をしてしまう。リエンが抱きついた時、君は忌避のきの字もなく、嬉しそうだったよ」

「当たり前でしょ」

「客観的にだよ」

「そ、そう。そうね、じぃにも負けないわよね」

「何と張り合っているんだい。似たもの同士、本音になるとどちらも子供のようだ。あ、リエンは子供だからいいんだぞ、エレナはもう少し頑張ってほしい」

「・・・・そうかしら・・・」

「そうだよ」

「あ、ありがとう。もういいわ。準備大変でしょ?何か確認したいことある?」

「そうだな。色々あるが些事に過ぎない、それよりシンラ様、会わせて大丈夫なのかを聞きたい。わたしは知らないからな」

「どういう意味?」

「リエンを縛ったりしないか、そういうお考えがあったりしないかが心配なのだよ。誓っただろう。もう、犠牲にはしないと」

「あなた・・・そうね。でも大丈夫。シンラ様に会えればと思うほどにあの方は、さすがにシンラ様よ。勇者の想い人。伊達ではなかったわ」

「そうか・・・なら大丈夫か?」

「ええ。わたしも会ってほしいと思っていたところよ。無理に決まっていると想ってたけど、まさか向こうから声がかかるとは想像を超えてきたけど」

「そうだね、っくくく、どこまで成長するか、楽しみだ」

「・・・わたしは、今のままでいい」

「そうは、いかないさ。あのゼンとエレナ、そして私が父なのだ。ミレイの兄でもある。英雄の素質、ハイエルフの素質、知識の素質。十分すぎるほどそろっている」

「そうね。むぅ・・・誰とも結婚させない」

「おいおい・・・では戻るよ、その本音だろうが、虚だろうが、今の気持ちを大切に、リエンにとってどのような母でありたいか、具体的に考えてみるといい。少しは落ち着くさ」

「・・・そうね。ありがとう」

「なんの・・・では、失礼します。エレナ様」

「準備、万事よしなに」

「はっ!」



リエンが煙になって立ち上ったあの絶望を私は忘れない。

一つずつ消えていった。

立ち昇る魂のほどに、落ちる結晶のほどに。

過去から現在、そして将来へ育っていくはずだった愛が、分解されては灰になり、結晶が落ちれば心穴がうがたれ、零れ落ちていく。

 大きな愛、それが一つであって一つでないことを知った時には遅かった。

 愛に抱いた感情をそのままあてればそれが、家族愛、情愛、親愛、慈愛、憐愛等々にそのままなるのだ。

 愛は生まれるのではなく、もともと持っていた命がその輝きに気づくように芽吹くものだと知った。

 知ったころには遅かった。

 謁見の間でリエンをそばによせ、無言でどれくらい葛藤したか。

 この愛を手放したくない。

 もう別れ離れにしない。

 この命は愛、愛は命・・・

 今度こそ、大きな一つの愛として、より強固なもの愛の結晶として抱きしめる。

 自然に力が入る。

 反省しつつ、まずは認めよう。

 わたしが無知であったことを。

 歪であったこと。

 そして、これからだ。

 急には無理だったが、この大きな愛で、小さなリエンを育ていくためには、わたしも変わらなければならない。

 ため息が出る。

 自信がない。

 先ほど出て行ったリエンを思うと壊れそうなのだ。

 自分のわがままな支配欲にも似たこの愛がそばに、もっとそばに、ととどめ置け!と叫ぶ。

 そんなことではリエンのためにならないと、尊き愛が沈める。

「リエン」

 名前を呼ぶと同時に、行動していた。

 立ち上がり、客間へ移動する。

 この中にリエンがいる。

「り、リエンちゃん。入るわよ」

「は!はい!」

 かわいらしい声。

 それでいながらも成長した声。

 入ると、リエンが目の前にいた。

 妙に着崩れしているけど、寝てたのかしら?

「大丈夫? 寝てたんじゃない?」

「い、いえ! 準備してました!」

「そう、ならいいけど、シンラ様に会うの緊張する?」

「え~っと多少」

「大丈夫。リエン、ありのままであなたは立派になったわ」

「かあさま?」

 不思議そうな顔で見ている。

 どこかおかしかっただろうか?

「なに?」

「い、いえ、大丈夫ですか? ちゃんと寝てますか?」

「なに、子供が心配しているのよ」

 わたしがあなたを心配してるのに、心配されてどうする。

 毅然としなきゃ、と大人らしく、ふわりと抱き寄せた。

 わたしに目標ができた。

 わたしはこの子にとって、魅力的な母、なにもかも包み込まれたくなるよな、頼りがいのある、母になろう!

「か、かあさま?」

「頑張りましょうね」

「はい」

 それだけ言って出て行く。

 颯爽と!

やればできるじゃない・・・とおもったのだけど・・・ふいにざわめく・・

 なに、この感覚。

 知らない感じがする・・・におい?

「リエン、あなた向こうに行ってたの?」

「え!? だ、駄目でしたか?」

「いいえ、それに関しては・・・私が言うことではないわ。でも無理はしないで」

「!ありがとうございます!」

 が、頑張った、ちょっとかっこいいんじゃない、聞きたい!!!けど。決まった!今近く実にわたしのレベルが上がったわ!今の私、頑張った!・・・って?うん?あら綺麗、

 冷静になったのか、愛のレベルが上がった恩恵か、わたしはリエンの胸にあるペンダントに目がいった。

 ほめてあげなきゃ。

 なんて慎ましくもかわいらしいデザインだこと。

「それは、素敵ね、少し見せて」

「え、こ、これは」

 ん?・・・なにやら挙動がおかしい・・・

 さっきいっぱいねだったからかしら。

「結界の魔法もかけているのね? とったりしないわよ。ほら、すごいから見せてといってるだけ」

 そういうと少し持ち上げて見せてはくれた。

 ただ、貸してはもらえない・・・

「え、ええ! まぁ! えっと危ないですので! そう危ないですので!とおめなら」

「・・・・危なくはないでしょう」

「いえ!あっ!」

 まったく・・・素直に見せるのよ!っていけないけない・・・どれどれ♪

「ほら、触れたってすばらしい細工ね」

 少し触っているとかぱりとあいた・・・あいた・・・あいたけど・・・・


「だれこいつ・・・」


口も勝手に開いていた・・・

「え、えっと! 向こうでできたと、友達!きょ、協力者です!」

「・・・・・リエンちゃん」

「は、はい!」

「リエンちゃん!」

「はい!」

「・・・リエン・・・なによこの感じ・・いいわね・・・いい」

「な、なにガでしょうか?」

 わたしもわからない・・・ただ。。空しい。。。なんだこの笑顔はっ。リエンちゃんまでコンな顔知らない!

「とにかく、いいわね・・・わたしもそれ作るから」

「は、はい!ほ、ほしいです!」

「当然でしょ・・・それと・・いや、いいわ」

 これ以上言ってはならない。

 さっきからわたしはかっこいい母親になっているのだし。

 でも、なにこのくらい闇のようで粘り気のある嫌な感じは・・・

 私は母親、私は母親、私は母親

 そう呪詛しながら、いえ、言い聞かせながら颯爽と部屋を立ち去る。

 ばぎゃん・・・ドアがおそらく多少壊れたのでしょう・・・

 力が入ったのは仕方ないことよ・・・

 仕方ないこと・・・

 いまはそれどころじゃない!

 この闇をどうにかしないと!


 あのおんなァっ!なんだあのおんなぁあああ!っ

 出発時間まで私はイライラと格闘した。

 いい母親になるために・・・

 気づけば馬車の中だ・・・

 もう十分、取り払えたはず。 

でも、後一言、いいかしら。

誰か聞いてくれないかしら・・・

言い足りないの・・・

 後一回だけ、心の中で叫ばせて・・・すぅうう


あの゛ぅッ!ウおんんなッぁあああああああ!!


とりあえず、シリアスな部分や大切なところは練り直しが必要なので、時間をかけてやろうかと思います。ですが更新しないのもなんなので、面白く書きたかったとこなどは、後々修正でいいかなと更新していこうかと思います^^

 大切な深いところは深く書き時間をかけてUPと修正でいき、比較的あさく面白さを重視した話、横軸として更新していきます。まだ見てくれている人ありがとう!

途中投げ出しはしないので最後の独りになるまでは頑張ります!スピードは察していただければと思いますが_| ̄|○ 未熟をお許しください、わたしも人間なのです、駆け出しの愚痴ですかね、とほほw


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