いとおかし 共有者2
きらりん・・・
冗談のようで本当に地球に転移してしまいました。
今なら気絶も使えそうだけど、そうはしない。
転移して5分もしないうちに、舞さんがパーティをするといって戻ってきたからだ。
そして今、妙なパーティになってる・・・
疲れているのだけど・・・
興味もあったのでカーラン隊長が模擬戦をしないかと言ってきたから。
したらチョコレートをあげるというまでは気が乗らなかったのは内緒だけど・・・
そしてギャラリーは美味しそうな料理そっちのけで僕とカーラン隊長の模擬戦を見ている。
「ちょっと、嘘でしょ?」
「遅い。そんな動きじゃ、かすりもしない」
はっきり分かったことがある。
それは地球の人は魔法を知らないということだ。
錬金術はかがくという別の力だと考えるべきだ。
なぜなら、カーラン隊長の動き、というかスピードが遅すぎる。
下級冒険者のリーダーくらいだ。
魔力はあるのだけどその流れは生み出しているのではなく、漂う魔力に合わせて動き、時折爆発するように発揮するといった謎が目の前で起きている。
いうなれば、魔力を降ろしている?といった表現が似合うかもしれない。
ただ、そのためには型を守りタイミングを合わせて魔力を呼び覚まさないといけないようだ。
なぜ魔力を使わない?
そう考えるよりもはやく、魔力の抜け方に気づく。
かあ様ほど、はっきりした量はわからないけど魔力を滞留させられないようだ。
操っている感覚もしない。
これはこれですごいことだと思うけど。
獣人とは異なる虚弱な体で時折ぞっとする攻撃力を生み出している。
攻撃力で言えば、あくまで油断すればだけど通じるものがある。
不思議だ・・・
それに綺麗だ。
動きに無駄がなく、スキルとも違ってその一つ一つではなく流れが美しい。
ま、でも、美しいだけじゃ僕には当たらないほどのスピードの差があるけどね。キリッ!
ちょこれーとはいただいた。むふ・・・
「おいおい、ケイン、何だよあの子供は」
「ルインもしくはルンだよ、例の」
「おおぅ・・・あれよけるのか・・・隊長だんだんマジになってないか?」
「がちだな」
「あたるようになってきた・・・ちょっと隊長!フェイントとかしないって言ってたの知ってるわよ!」
「悪いな! 隊を預かるものとして負けるわけにはな!」
うん、周りより自分を気にしたほうがいいよ・・・
汗だく・・・だよ・・・
「おとなげねぇ」
ん?隊長がふいに構えをといた?
終わりかなと思ったら!
目の前に手があって顔にパン!次には前蹴りがおなかに当たっているのが分かった!
でもこれは!瞬時に魔力をこめ回避スキルで!
「なんの!?」
「っく、今のはびっくりした・・・見たこと無い動き」
「これでも総合格闘技、なんでもやるさ・・・一番得意だからな、だが、どうなっている、まったく効いた様子が無い」
「当たり前、芯を捉えないかぎり受け流すのは基本」
「基本ってルんちゃんかっこよすぎぃ!」
「ジーザス・・・仙人ってやつか?」
「いやいや、おかしいって!」
また構えをといた・・・
「攻撃してもいいぞ、わたしからばかりではないか」
それはそうだ。僕は対人戦より対魔物戦のほうが得意だからだ。
しかも回避、結界、魔法うちのほうに特化。
じぃとたまに模擬戦してぼろぼろにされた記憶程度しかない・・・
それでも・・・僕はこの誘いに乗る。
魔力の降ろし方は勉強になるし興味深い。
爆発させる魔力の仕様がわからない。
この技術は盗むべきだと判断したから!
あと、ちょこれーとほしいし。
「じゃあ!」
僕は気絶させない程度にスピードに任せて顔面へ一撃をかます!
!?・・・消えた?違う、今!目が!?読まれた!?
「もらった!」
「うご!」
ドンっ!
少し遅れたから背中に衝撃が走った。
息がつまった・・・
「ヒャハッハー!」
「「「「「隊長、最低」」」」」
とはいえ、今のじゃ僕にダメージは少ない・・・
けど・・・その反応、うぐ・・・
「大丈夫! ルインちゃん!」
「うん、でもちょっと効いた。間に合わなかった、何今の? 気づいたら息ができなくなってた」
「投げ技よ? しらないの?」
「そういうのはしなかった。そもそも対人戦はあまりしてなかったから、むぅ、ちょっと悔しい、でも不思議な動きだった」
「ふっ悪かったな。その、ちょっとおじさん本気になっちゃった」
「おっさんがぶってんじゃねぇ」
「おお、・・・マジ切れ舞様光臨」
「す、すみあせんでしたぁ!」
「見込みがあるっすよ!動きははやいっすけどただ早いだけなの素人っぽいのに!その速さ異常っすよ」
だまって新米・・・僕、君が嫌いだ。
「大丈夫よ、私が教えてあげるね!今度、すぐこんなやつ倒せるようになるわ!」
思わず見上げちゃう。舞さんなんでこんなに優しいんだ?
「ほんと?」
「ふぉんとふぉんと!!」
あれ・・・また意味がわからない・・・
でもこれで僕はもっと強くなれるはずだ。
もしかしたら対人戦も得意な戦士に!?
「きらきらおめめ! ぐっじょぶぅ!」
「ま、舞姉さま! その子、私もお世話をしたいで~すぅ!」
「む! 新手か! このこの保護者は私に決定したのだ。あきらめたまえ!」
「オオ! ずるいでぇ~す! マイエンジェルかしてほしいです!」
「舞エンジェル・・・いい響きだ!」
「ちがいま~すぅ!」
「この子・・・肌透き通ってる」
「さ、触るな!いたいけな少年に何をしている!」
「いいじゃないですか~」
「あわ!」
「す、すべすべぇえええ!え、すべすべぇえ!」
「ちょっと独り占めはずるいわよ!」
「貸して!」
「わわ!」
その後もみくちゃにされたあと、パーティの食事もそここに舞さんの部屋へ戻った。
ちなみに確信したことがもう一つある。
食事はこちらが万倍もうまい!
ん~やっぱり興奮と不規則?だからかな・・・
この辺は見直さないと・・・
「どうしたんだ? 寝、寝れないか? やっぱり一緒じゃ落ち着かない・・よね?」
「そ、そういうわけではないです!」
「そうか、無理する必要は無いけど、おやすみ、ルイン」
「ごめんなさい」
舞さん・・・すごくよくしてくれる。
あの後も、いろんなことを教えてくれた。
そして僕が疲れてないかを何度も確かめてきてくれて・・・
こんなふかふかなベットまで・・・この人には言えるんじゃないかな・・・
さっき保護者って親と同じって・・・
どうしてそこまでしてくれるんだろう・・・
もし同情だったら・・・あっごっちゃになってる・・・
その可能性は十分にある・・・
確かめよう。
異世界からきたなんてこと信じてくれるのか・・・
そもそもいえるのか・・・
「おきてますか?・・・・舞さん」
「無理スンなって。その、やっぱり合わないかもしれないけど、じょじょに」
「その話し方するときって素なんですか?」
「あふぇ?あ、そ、そうだね。お姉さんってがらじゃないのは少しは自覚してるんだけど」
「少しお話してもいいですか?」
「いいよ、おきたほうがいい?」
「どちらでも」
「じゃあ!」
そういって舞さんは起き上がってこちらに向いていた。
僕もそれに習って居座る。
「舞さん。隠してることがあるんです」
「ん?」
「僕は・・・この世界の人じゃないんです」
「?・・・嗚呼、そういうことは考えなくていい。徐々に慣れていくよ。この施設じゃ実感わかないかもしれないけど施設じゃなくて一緒にいたほうがなれるのも早いよ・・・、きっとさ、定期的に町の方にもいくんだから、楽しいし、例え君がなにか、そう、人とかさ・・でもそれは君のせいじゃ」
「そうじゃなくて・・・勘違いしてる。僕はあの船? の生き残りじゃありません」
「え?!」
「僕はもともとあそこに来た人。違う世界から」
「違う世界? 国は日本じゃないのかい?」
「うん、このことは内緒にしてほしいです。舞さんは、僕は信頼できると思って」
「ありがとう。そうね、じゃあ・・・一応聞いてみようか」
僕は違う世界のハーフエルフで、死んだらここにいたことを話した。
ちらりと伺うけど目を閉じて微動だにしない舞さん。
ほかにも、模擬戦で魔法を使っていたこと。
日本もはじめてしったこと。
日本語が時々分からないことも伝えた。
ただ、話さなかったこともある。
異世界に戻れること、レベルしだいではいけるかもしれないこと。
「にわかに・・・信じられないなぁ。そのえっとごめんね。とりあえず、寝よう! それかお菓子でもどう?さっきおなかいっぱい食べれなかったの忘れてね!い、いけないなぁわたしったら」
涙ぐんでいた!し、信じられないよね!で、でもなんだろう、切ない・・・別に他にいくって言ってないのに、勘違いしてる!僕は嬉しいんだ・・・こんなに優しい人がいたことが・・・だから
「いえ、大事な話! 本当だから。ご飯ならこれ食べるからいい、あ、ご、ごめんなさい、料理ふとんに・・・! でもお願い聞いて!」
「!!?」
あれ?・・・ああ、そうか、最初からこうやって確かめつつすれば!
「・・・あ、あ、アいテムかばんなら貴重だけど僕は作れるから、ほしければあげるから、信じてください・・これはあげられないけど、今度作るから!」
「あ、あいてむかばん?」
「ん? そう、ですよね・・・すごいのは既にがありますよね・・」
「な、ないっていうか・・・どうなってるの?それ・・・」
「時空魔法で異次元とつなげる魔法。作れるやつはかばんで・・・魔力の範囲で使えます、割と有名な魔道具で僕たちの世界では貴重なんですけど・・・」
「魔力? ま、魔法?」
「さっき言ったと思うけど?」
「ご、ごめん、ちょっと混乱してきた・・・」
パンパンと顔をたたいて居住まいを直している。
良かった・・・聞いてくれる。
僕も少し冷静になり・・・仮説をぶつけてみる。
「ひょっとしてですが、魔法ってこっちにはないのですか? もしやとは思っていたけど・・・かがくとか言うのが魔法ですよね?」
「か、化学は魔法じゃないよ・・・えっと」
「でもこの銃みたいなものは?」
舞さんが食い入るように見てつんと銃をつついた。
「ある・・・まぼろしじゃない・・・手品?」
「ファイアボール」
「ふぇ!?」
今度は後ずさって立ち上がった。
僕もそれに合わせて立ち上がる。
「こっちは錬金術でこっちは僕にも使える魔法ですよね?・・あってますか?」
「・・・・・・・・・・・信じたい。ううん、信じるしかないじゃない」
「これで信じてもらえるの! よかった。こっちの魔法はすごいから、こんな初歩じゃためかと思った」
「初歩って。えっと、ルインちゃんは、他にどんなことができるのかしら? 得意なことは」
「あとは今日見せた、身体強化、これみんなしてたけどもっと底上げできるからレベルが僕のほうが高いと思う。それと本当に内緒にしてくれますか?」
「はきゅん! しちゃう!しちゃうから! もうお嫁に行ってもいいから!」
劇的だった。
がばっと抱きついてくる舞さん・・・
ちょっと意味がわからないけど。
魔法はなく錬金術で間違いないようだ。
かがく、それは錬金術の上位と頭にメモし・・・
「僕は男、えっとじゃあ・・・くっついてるし、転移」
ざーざー
全てが始まったこの島に戻ってきた。
舞さんがおそるおそる離れてくれる。
あら、何か持ってこようと思ったのに、くっついてたらできるんだ・・・転移。
ぽてぽて・・・そんな感じで海に歩いている。
それ以上ちかづいたら濡れることを言おうとしたけど・・・
「え・・・こ、ここは・・・海? あの島!?」
「一度言ったことがある場所は、転移できること。これが僕の固有魔法です」
舞さんはそれからくるりと見渡しぶつぶつと一人の世界入っていった。
魔法・・・ほんとに、夢じゃない・・・
海、星の位置・・・
いたい・・・
確認しているのかな・・・やがて振り向きざまに
「あ、あはは・・・あははははっ! 最高! ルインちゃん最高だよぉ!」
最高の笑顔で少しどきりとした。信じてくれた!
天真爛漫とはこのことだろうなぁと大人でもそんな顔するんだと・・・
あっ!
「あの何度もいいますけど内緒にしてほしいです!!」
「もちろんだよ! そ、その魔法って私も使えるのかな?」
「魔法はつかえるけど錬金は想像を超えているし、おそらくこの世界の人は最高峰過ぎて認識してないと思われます。身体強化は歪ですが、技の面で参考になっていますよ!」
「錬金? ひょっとしてだけど、銃とか?そんなこといってたね」
「銃は魔力をこめたものを飛ばしているのですよね?すごいです!」
「魔力じゃないよ、ちなみに錬金なんてないよ」
「あははは! それぐらいすごいのですね。僕はせいぜいできてエンチャントくらいです」
「エンチャント?ってあのゲームとかであるような?」
「ゲーム? なぜお遊戯がそこででるかわからないですけど、嗚呼! それほど楽勝ってことですね! さすがです!」
「えっと、違うと思うなぁ」
「僕も銃にエンチャントできたら見ていただけないですか?」
「そういうのあとで回収しなきゃね」
「え・・・・」
「まっでもいまは!!」
そういって僕の手をとる舞さんって!海へ入る!?ど、どうして!?
「あ、あははは!ははは!!!ひゃっほ~~~い!!」
飛び込んだ・・・
「え??」
すごい笑顔で見ている。
あれ、何、ちょっとつられる・・・
「舞さん、ぬれちゃいましたよぉ・・ふふ、あは」
「ルインちゃん。信じました。そしてこの世界にそういうことをできる人はいない! 断言する! わたしはあなたを信じるし、一緒に生きていくよ!良かった!もっと切ない話とおもったし! もう!よかった~、それになに!夢のようなお話だよ!」
そういってむんずと僕の方を握り締めてにこっと笑った。
「あ、ありがとう・・・舞さん!!」
「きたぁきたぁ!ほれぇ!」
「う・・・」
なに・・・しょっぱい・・・まぁ、でも・・・
「ほら、やり返して!」
「では!ウインド!」
「ず、ずりぃ! 魔法はなし!!」
少しの間、遊んだ?
そう、遊んだ。
意味がないことがこんなに楽しいとは・・・
おかしい!とてもおかしい!
僕はおかしいことをしてる・・でも悪くない!
おかしいけどやっぱり、うん!いいや!
とってもおかしかった・・・♪
早いもので1週間つっぱしってみました^^反省点ばかりです。
1週間で最低2話更新の目標だけはがんばれたかな・・・w
でも、アクセスや件数を見るとやっぱりそれだけでは駄目なんだなと気づかされますね^^:
学園へとシンラ様などまで進んでいるから焦っちゃってるのか、欲が出たのかw
今週様子見ながらやって、今後のペースと話作りこみ考えてみます^^