衝撃の世界 それは・・・
「それでね、これがシャーペンとノートよ」
「ありがとう、これでずっと書けるの?」
「壊れないことと、芯があればね」
「大切に使う」
「変わりはたくさんあるから! なくなったらいつでもお姉さんに言って頂戴」
「はい! 今まで聞いたこと書いていい? 覚えきれないよ」
「いいわよ、その間にご飯を準備してくるから!」
すごい!
すごいすごいすごい!
警戒していた気持ちもどこへやら。
僕は今、夢中でシャーペンを動かしていた。
日本語は聞くことは分かるけど、書き取りはできなかったが、アルブのエルフの言葉は書ける。
それに一度聴いた言葉は、すんなりと自分のものにできるのだ。
加護の力のおかげだと思う。
かんざきが苗字、まいが名前の日本人の彼女は、とても優しかった。
貴族なのかと聞いたら、きょどけた調子でころころと笑い、他、男性の一人なんて爆笑していた。
笑い方がハーッハハッハと豪快に笑った隊長と呼ばれる人も好印象だった。
ボブと呼ばれた人は真っ黒な肌をしていて、これは塗っているのですか?と聞くと、一瞬複雑そうな顔をしてみたことないのかと聞かれた。
ないというと、どう思うかも聞かれた。
どう、思うといわれても、日焼けですか?痛くないですか?ときくと今度は白い歯をみせて頭をなでてきた。
そういう民族だと答えたので、屈強な戦死、やわらかそうな筋肉ですねと言うと、ちょこれーとという信じられないくらい甘くて深い味のお菓子をくれた。
発狂しておいしいぃっを連呼したら、みんないっせいに取り出してくれた。
舞さんに、今日は特別だけど、今度からは一日3つまでといわれた時は、落ち込んだけど、すぐに四つに訂正してくれた。
「そ、そんな目で見ないで、食べ過ぎると体に悪いのよ、よよよぉ」
と崩れ落ちていたけど。
ボートと呼ばれるものはなんと手でこがず、ぶぅぅーーんという音を出し海をばしゃばしゃと進んだ。
なんてすごい早さだ。
この材質は?とすかさず聞く僕も生産意欲が向上したのだろう。
ドワーフがいたらあごがはずれて狂喜乱舞するかもしれない。
でも、船につくと
「浮いてる!? 鉄の塊が!」
と叫ぶほど驚愕した。
「船のこと覚えてないの?」
ときかれ、どきりとしたが、覚えていないというと、そう、の一言で終わった。
僕は記憶が欠けている設定を貫いている。
ちょいちょい「魔法みたい」といいつつ確認してもいた。
「そうね、行き過ぎたかがく?は魔法みたいなものかもね」
と興味深い返事を聞けた。
「かがく?」
「この船も、さっきのったボートも全部ね」
ふむ・・・やはり錬金術が超高度な文明なんだ。
魔法なんて超越しているんだろう。
厳に魔力を込めてなどまったくない船や備品。
込めようと思えばいつでも込めれると判断すべきだ。
かがく・・・恐らくこれが禁断・・・・
「そのこは!?」
と二名この船を操縦していたという錬金術師が僕に、驚いていた。
そして僕も驚いていた。
「二人で!?これを!」
「「一人で!?あんなとこに!」」
「「「?」」」
カーラン隊長が苦笑していた。
もう、興味津々という感じではなく、研究者の体で僕は目に付く限るの事を聞いて回った。
舞さんが分かることは全て教えてくれる。
防弾チョッキにナイフ、銃に機関銃、無線、ネームプレートというものと身に着けていたものも。
太平洋、九州という島。色々だ。
全て書く必要がある。
なぜなら書けば書くほど、さっきから腕が淡く光っているからだ。
こっそり確認しても、変わっていなかったけどきっと経験、知識というものが成長していると確信している。
ちなみにログは誰も見えていないのは変わっていない。
けど、それらしいものをみんな腕につけていた。
時計といって小型の時間を示すものだそうだ。
濃密だった。
全てが冒険だ。
一通り書き終えると、独特のにおいがするそれを舞さんが持ってきた。
「う・・・それは・・」
「食べたことないかな?」
「・・・・食べる!? それを? まるで」
「ああ~っといいからそれ以上言わないで、食欲なくすから!」
「・・・・・」
「・・・・・いいから一口。ぱくり! ほら美味しい!!」
「・・・・で、では・・・」
本当に冒険だ。
こんなものを食べるなんて。
匂いは確かにいいのかもしれない。
けどそれは、ベコン豚がたれながすそれに似ていて・・・
舞さんのキラキラした目を無碍にすることもできない。
けど・・・・これは。冒険だ・・・頑張れ僕!!
「!?」
「ど、どうかな!?」
「お、お、おいっしいぃいっ!!」
今日一番の感動だった!
がむしゃらに食べた!
冷たい水!?
それにも驚いたけど、とても良くあってうまい、うまい! うまいぃ!
「あはは、おなかいっぱいかな?」
「はい・・・ほんとに美味しかった」
「じゃあ、ごちそうさまだね!」
「!?!?!」
そういった・・・確かにそういったんです。
「ほらほら、いただきますはできなかったけど、ご馳走様は?」
「ご、ごちそうさまでした」
「よろしい!」
僕はとんでもないことに気づいた。
ここは勇者の国だ・・・・
勇者の物語。
勇者の礼儀にある、その命を頂くかぎり、調達してきたもの、調理してきたものに感謝をこめてする、勇者だけが行っていた独特な作法。
手を合わせてにこやかに、自然にしている舞さんを見て僕は真似しつつ、衝撃を受けていた。
この世界は、勇者の国だと・・・
遅くなりました><。
体調崩してしまいましたが、なんとかって回ってしまいましたか12時.
ごめんなさい。そしてブックマークしてくれた方><。ありがとう!
増えていく限り、わたしも頑張れます><