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恋を謳う、雨を謳う、詩、ひとつ。
あの頃に戻りたい…
輝いた夕日、君の微笑み…
最寄り駅に降りる時の一晩の別れの切なさ…
恋したい、恋したい、恋したい…
燃えるような、
それでいて、
穏やかな。
曇りがちの今朝は、
泣き出しそうな空を気にもとめず、
ウィンドウ越しに車は行き来し、
河には喜びも悲しみも流れ込んで、
あっ、素敵なキミと
スクランブル交差点で目が合う。
恋の予感。いや、ほんの数秒間だけだけど、
今僕らは恋をした。
雨、雨、雨。
涙、想い出、ノスタルジ。
山手も浜手も、こんなに人がいるのに、
僕は一人きり…
恋人は要らない。
恋人的な人、欲しい…




